7話 しりとりⅡ
「対戦ビブリオには入れないので直接対戦中に応援できないっスけど...... 頑張ってくださいっス!」
「えぇ 当たり前よ」
「じゃぁ 兄さん頑張って」
「永時にぃ 負けたら.........ね?」
いや ね? ってなんだよ ね? って!?
「えぇ......」
毎達は速やかに対戦ビブリオから降りた
次の瞬間 対戦ビブリオ内からは見たり 聞いたりすることができない透明の頑丈な壁のようなものが引かれた
これは 外部からのイカサマがないための対策である
◇
「それじゃあ 始めるわよ」
「あぁ」
いよいよだ
涼香は端末のスタートボタンを押す
すると 端末に 先攻後攻 最初に始める文字 が映される
「俺が先攻か」
「私が後攻ね」
それから 俺と凉香はNGワードを端末に打ち込んだ
◇
『何事にも嘘はつかないようご理解よろしくお願いします』
端末が淡々と話しだす
『それでは開始します』
─ピーッッッ!!!─
俺は凉香がNGワードを打ち込み終わったことを確認し 端末に書いてある文字を確認した
「"は" か.........」
『ハーブティー』
「なかなか おしゃれなのね」
「そりゃどうも」
『ティンカーベル』
『ルーレット』
「あ そうだ」
「何かしら?」
「そのうち 俺は気を失うから気をつけておいたほうが良いぞ」
「ご忠告どうもありがとう」
気を失う? 何を言っているのかしら
『図書室』
『翼』
『茶道』
『梅』
『目』
『面子』
『コーヒー』
:
:
:
─約5分経過・30ターン目─
「さて そろそろかな」
っっ!?
終始 永時 あなた 何をかんがえているの!?
なんと 永時は自分の書いたNGワードを端末に表示させたのだ
しかも なんの表情も変えずに淡々とそれが正解と言っているかのようだった
「あなた...... 馬鹿なのかしら? 自分の書いたNGワードを表示させるなんて敵に塩を送っているようなものよ?」
「あぁ...... そうだな」
◇
「兄さん...... 」
「永時にぃが気を失った...... 」
「え...... どういうことッスか? ちゃんと受け答えしているッスよ?」
「まぁ 見てれば分かるさ」
「この勝負 新立 凉香に勝ち目は無くなったってことよ」
◇
......... おかしい
『ターミナル』
『ルール』
終始 永時……
さっき見せたNGワードは確実に偽のNGワードだ
だけど そんな偽のカードにすり替える様子もなかった
問題はそこじゃない なぜ永時はこのタイミングでなぜNGカードを公開したのか
自ら敗北するため?
いや そんなことはありえない
自分から敗北するなんてそんな馬鹿げたこと自分の利にもならない
ただ朽ちていくだけだわ
じゃあなんだっていうの?
分からない
しかも なんなのよ? この感覚は
私が一方的に敗北に向かっているように感じる
一体なにをしたの?
◇
さて どうしたものか
まぁ 種は仕掛けて置いたし大丈夫だとは思うが......
『缶ずめ』
『目くらまし』
「このゲーム 新立さんにとって楽しい? 」
「えぇ そうね 楽しいわ でも今は勝つことが優先ではなくて? 」
「ま それもそうだけどさ 楽しまないと勿体ないだろ? 」
やべぇ 今の表情めっちゃ悪人っぽくなってるぞ
まぁ 仕方ないよな
だって楽しいんだから
◇
『幸せ』
『正当防衛』
『イギリス』
「さっきは応えてくれなかったからもう一度聞くけど 新立さんはこのゲーム楽しい?」
「何よ また」
さっきから何なの?
まさか この質問でNGワードを言わせるつもり?
だとしたら やり方が甘すぎるわよ
「俺はそこそこ楽しいけど?」
「ええ そうね 楽しさはあるわ だけど勝負に楽しさは必要ない」
「そうか なら良かった」
俺がそう言うと新立は奇妙な目でこちらを見つめた
「この勝負俺の勝ちだ」
─ビーッッ─
『試合終了!!! 勝者 終始 永時!!! 』
次話を心待ちにしていた読者様7ヶ月以上も投稿を遅らせてしまいすみません
• ───── ✾ ───── •
投稿頻度が火山のように上がるので
感想など聞かせてくれると嬉しいです
誤字脱字もあれば遠慮なく教えて貰えるとありがたいです
これからもよろしくお願いします