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こんな故郷の片隅で 終点とその後  作者: しまうまかえで
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朝陽がくれたクリスマスプレゼント ~愛しい寝言~

このお話はep.40『クリスマス特別編 ザ★クリスマス ④』の翌朝のお話です(#^.^#)

挿絵(By みてみん)




「冴ちゃん!」って(すぐる)さんに呼ばれて

「はい!」って返事したら、大の字で寝ていた。

 昨夜、お風呂から上がってまた()てしまって……

 それでも私はいつまでも英さんにくっ付いていたくて……裸で縋り付いたまま

 寝落ちしてしまったらしい。

 その挙句のこの有様だ!!

「もう!泣きすぐる!!」って感じで、恐る恐る寝返りをうって英さんの方へ向いたら……

 英さんは私の右腕の傍らでスヤスヤと寝ている。


 さっき私を呼んだのは英さんの寝言だったらしい。


 ああ、夢の中でも私を呼んでくれているんだ……

 さっきまで私も英さんの夢を見ていたから……

「私達、夢でも一緒だ!」って胸がキューン!となった。


 でも、キューン!となった胸が英さんにくっ付いていないのは私の失態!!


 私、“昔のお仕事”で()()()になって……うっかり寝落ちしても()()()で寝ていた事なんてなかったのに……


 そう言えば前に見た事がある。


 野良猫が保護されて家猫になって……座布団の上で大の字になって寝ている写真を。


 あー!私、まんまこれだわ……


 今度は胸の内からクスクス笑いが込み上げて来て……英さんに猫みたく()()()()()()やろうと身を起こしたらスマホが鳴った。


 加奈姉(かなねえ)かなと思ったらお母様で……私は“あらぬ音”を拾わない様に用心しつつ電話を取った。


「はい!冴です!」


『ごめんなさいね。冴の事だから、もう起きているかなと思ったの』


 ヤバッ!寝過ごした!


「お母様!すみません! すぐ!……()()()()お手伝いに上がります!」


『英さんは?』


「まだ寝ています」


『だったら英さんの傍に居なさい! こう言った時に夫の傍に居て温めてあげるのが妻の役目よ! 朝ごはんの支度なんてお母さんに任せてしまえばいいの!』


「でも……」


『いいこと! これが津島家の家訓なの!』と言いつつお母様はコロコロと笑った。


『英さんが起きたら二人でお散歩でもしてらっしゃい! 今朝は寒いけど英さんには冴のプレゼントのマフラーがあるし、あなたの分は私がちゃんと編んであげていますよ』


「ありがとうございます! お母様……」


 お母様のお気持ちが胸に滲み、裸の胸元へハラリ!と落とした涙は……朝陽が『白いふくらみの谷間を飾るジュエリー』へと仕立てた。


 私はこの温かさに包まれたクリスマスの朝を、きっと一生忘れないのだろう。




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― 新着の感想 ―
津島のお母さんってホントに確りしていますよね。 冴ちゃんも今は甘々だけど、いずれお母さんのようになるのかな? 好いお話しを有難うございましたm(_ _"m)
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