休息
時間かかってごめんなさい
「んあ?」
部屋で目が覚めた。……部屋?あれ?なんで?いつ帰ってきたっけ?てか
「あっづ〜…なんでこんな夏にふと…」
「んあ…」
は?てか布団重…
「って布団じゃねぇ!?何!?どういう状況!?ねぇ!?ナターシャ!」
クソ暑い理由は、ナターシャが抱きつきながら寝てた。
「…………ん…んん!?」
なんでお前が驚いてんだよ…
「…………………んむぅ」
あ、このやろまた寝やがった!
「ええい起きろ!熱い!」
服が汗で濡れ始めてるしそれよりも……とりあえずやばい!剥がさないとマジやばい!
「はーなーれーろー!」
張り付いてるナターシャを剥がそうと上に持ち上げようとするが、いかんせん体勢が悪い。
さらに
「ん〜や〜」
気のない感じで言いながらもしっかりと抱きついている
「あーまじ!マジでお願いします!やばいんです頼みま…」
ここっすよここ…ってうわ扉が!?
な、なにが…
外で聞き覚えのある声がする。こ、これはユリウスと…エイダさん!?なんで!?てかなんで声が聞こえるの!?扉がなんだって!?
「やばい!からマジで!後でいくらでも一緒に寝るから今は離れてくれぇ!」
サクッとやばいこと言いながらもなんとか剥がすことに成功するが
「あー……」
おい!?
「あっぶ!?」
勢いよく離れたせいで倒れそうになったので、その
まま一気に上体を起こして、ナターシャを掴み引き寄
せる。すると、僕の腰に跨っているナターシャが上体
を起こしている僕に抱きしめれている。さらに、汗で
服は濡れて、さらに暑さで2人揃って顔が少し赤くなっ
ている。さて、この光景を見た人間は何を想像するだ
ろうか
「フレイ!だいじょ……ぶ…」
「フレイさん!?い…き…」
2人が同時に中に入ってきた。やったね、死んだよこれ
「そ、その…ご、誤解なんだ。別に僕達は…」
「あ、ああ。わかってる。今まで気づかないでごめんな?じゃ、これで。」
「え…と。し、失礼しました!」
「「………………」」
僕達は顔を見合わせる。
「……………ん」
「…………」
「?」
「ん?じゃねーんだよぉ!?」
とりあえずナターシャをそのままベッドに残して急いで服を着替える。
「ちょっと待ってぇぇ!」
「まってー」
全力の大声と無感情な小さい声が聞こえた。
「フレイ…まさか…いつの間にか結ばれてたなんて…」
「そ、そうですね…」
「いやぁびっくりしましたねぇ…まぁでも、元服前にあんなことはちょっと…アレですよね?」
「そ、そうですね…」
俺たちはフレイ宅にてまさかの状況にでくわして、
その帰りだ。
俺は大丈夫だったけどエイダさんにはちょっと衝撃
的だったのかもしれない。さっきから返事に生気が感
じられない
「エイダさん?だ、大丈夫ですか?」
てかなんでショック受けて…まさかエイダさんもフレイのことを!?
「そ、そうですね…」
会話がなりたってないぞ…
「もしもーし」
「そ、そうですね…」
ダメだこりゃ
「待てゴラァぁぁぁぁぁ!!!!!」
何この恐ろしい声…後ろからか…てか絶対あいつじゃん。なんだよ、せっかく気を利かせて2人にしたのに
「なんだよフレイ!せっかく気を利かせて帰ったのに…」
「フ、フレイさん!?え!?」
あ、戻った。
「はぁはぁはぁ…」
や、やっと追いついた…へ、変な勘違いして帰ろうとしやがって…
「はぁはぁはぁおま…ふざ…はぁはぁ、おぇ…」
「汚い声出すなよ!エイダさんもいるだろ!?」
んなこと言ったって…しんどいんですもん
瞬間、ズドンという音と同時に土埃が舞い、いつの
間にか横にナターシャがいた。なんかぶかぶかのシャ
ツもズボンを履いて。
「……………やっと追いついた、置いてかないでよ。」
ちょちょちょ!部屋の中に置いてきたはずなんだけど、なんでいる!?
「お、お前…な、なん…で…」
「落ち着けよ、てか一旦息整えんか。「詠唱省略」「神の吐息」」
あー癒されるわー
ユリウスの魔法で体力が回復した。
「ふぅ、ありがと。で、なんできたんだよナターシャ。てかその服僕の普段着だろ?」
そう問いただすと
「………………いいじゃん、別に……だめ?」
最後の上目遣いはずるい…
「だ、ダメじゃないけど…」
そして自然と頭を撫でようと手を伸ばすと
「あ、あの!よ、よろしいでしょうか!?」
と、エイダさんが声を上げる。
「おぅ!?びっくりした…あ、おはようございますエイダさん。」
「………………おはようございます」
そして自然と腕に絡みついてくるナターシャ
「お、おはようございます…じゃ、じゃなくてですね!あ、朝のあれはなんだったんですか!?」
そういえば、誤解を解く以前に僕も状況をよく知らん。
「そういえばナターシャ、昨日何があったんだ?」
「俺も気になるー」
「……………昨日……あんまり覚えてない…けど、確かフレイをお姫様抱っこして…」
はいちょっと待って思いだしたからもういいよ!?
「なんだそれ、そんな面白いことになってたのか!?俺が潰れてる間に!」
「よーしナターシャ、わかった!そのあと!家に着いた後の事!」
へ、変なことにはなって…ないよね?
「……………えーと、途中でフレイが騒ぎ疲れて寝ちゃって…そのまま家に入って寝た。」
ちょいちょいちょーい!
「待って!?え、待って!?なんでそのまま寝たの!?」
「そ、そうだよナターシャちゃん。どうしてそんな…」
「〜〜〜〜〜〜〜」
問いただす僕とユリウス、そして赤面して固まるエイダさん。
「…………………めんどくさかった?」
………もういいです…
「ま、まぁ変なことはしてないって事で…」
とりあえず良しとしよう
「………………う、うん」
アッレーナンデスカソノハンノウ
「ふ、フレイさん!?何もしてないんじゃないんですか!?フレイさん!?」
「お、お前ついに…」
エイダさんが僕のことを前後に揺さぶる。そしてユリウスがやっとかと言わんばかりの感じで言う。
「な、ナターシャ!?何かあったの!?ほんとに!?」
そして道の往来であると言うことも忘れて騒ぐ僕達。訂正さっきからだった。
「…………朝から元気だったじゃん…」
ポツリとつぶやくナターシャ…
その場の空気に居た堪れなくなってその場から全力
で逃走しましたとさ。
生理現象なんだから仕方ないだろ!?
「ちょっと!?フレイさーん!?まだお話が…」
後ろからエイダさんのそんな声が聞こえて、そうい
えばなんでうちに来たんだろう、あの2人…と考えなが
らとりあえず全力疾走していた。
10分後
「あ、あいつ…逃げ足速すぎる…」
俺達3人はフレイに全力で逃げられて見失い、とりあえずギルドに戻ってきていた。
「よう!お疲れ!エイダちゃんにユリウス….とナターシャ?なんだその格好。」
ギルドに戻ってくるなり、リグルが声をかけてきた。
ナターシャの服装は…気にするな
「おうリグル。ないと思うがフレイどこにいるか知らないか?朝ちょっと色々あってさ…見失っちゃったんだよ。ナターシャの服は…気にすんな。」
ほーと言ってどうでもよさそうに反応するリグル。そして
「フレイなら、ほれ。そこ。」
リグルが指さす先には
「ん〜」
ロープでところどころを縛られて、猿轡をかまされているフレイが涙目でこっちを見ていた。
「あれは?」
リグルに聞くと
「あれなー。5分くらい前に来て意味わからないこと言って騒いでいたから拘束した。さっき言ってた色々と関係あんのか?」
「……まぁな」
これは、言わない方がいいかな…
「ほーん。まぁいいや、ちょうどこれでナターシャとフレイ揃ったんだし、例の話したらどうだ?」
そうだったそうだった
「…………例の話?」
「ぶはっ!…なにそれ」
ナターシャがいつの間にかフライのそばに移動していてフレイの猿轡を解いていた。
「講習ですよ、こ、う、しゅ、う!」
そう、エイダさんが言うと、ナターシャはすぐさま
立ち上がって、走って逃げようとしたが裾の長い服を
着ていたせいでこける。ついでにフレイもスキル使っ
て手足を縛ってる縄を切って逃げようとする。
「逃すか….よっと!」
そう言って先端を輪にした縄を放り投げる。もちろ
んただの縄ではない。魔石の粉末をかけてあるから詠
唱や魔法陣がなくても魔力を流せば体の一部のように
自由に動くっていう優れもの。まぁ効果に対してかか
る費用が高すぎるから持ってる人はほぼいないが…
「うご!?…うわっ!」
「いたた…ぷぎゅっ!?」
そのロープをフレイの首にかけて下に引き寄せる。
そして倒れてるナターシャちゃんの上に落とす。威力
は殺してあるから大丈夫…のはず…
「「いたた…」」
声をハモらせて、フレイが上から転がり落ちる。
「あきらめろ、Aランクになったらみんなこの講習を受けるんだ。」
そう言い聞かせようとすると
「勉強はなりたての時に大分やっただろ!?なんで今更やるんだよ!」
「………勉強反対…!」
こいつら知らないのか?
「お前ら…その最初にやった基礎知識、覚えてるのか?」
目を逸らされた。よし
「ギルティだ。リグル、ナターシャこっち連れてきて。ほーら抵抗するなって。」
ぶかぶかの服を着てまともに動けないナターシャを
リグルが、紐で首どころか全身を縛られたフレイを俺
が引きずってギルドの奥の部屋に連れて行く。
「だ、誰か助けむぐぅ!」
「こ、こんなの横暴…!」
するとエイダさんがのそばにしゃがみナターシャにも聞こえるような声で言う。
「まぁ別に講習受けなくてもいいんですけど〜そうなると〜昇級は取り消しか保留ですね〜」
バタバタ暴れる2人が動きを止める。
「だって当たり前じゃないですか、Aランク冒険者っ
て、普通は長年やっている人の中でも特に成績が良か
った人がなれるものなんですからね?そのレベルにな
ると教えてもらう立場から教える立場になるんです。
具体的な事と言えば…あ!じゃああなた達が冒険者に
なった時、色々面倒見てくれたり講義とかをしてくれ
たのって誰ですか?」
そうエイダさんが言う。
こいつらの担当って…
「俺だな」
リグルだ。
「ん〜!ん〜!」
フレイが喋りたげにこっちを見てくる。はいはいわかったよ
「ぷはっ!ちょ、ちょっと待ってよエイダさん!そういうのって立候補とかじゃないの!?」
何を言ってるんだ…
「あのなぁ…確かに立候補の時もある。例えば自分が紹介したやつが冒険者になるって言うならそれは紹介したやつが担当する。まぁAランクだったらな?でもそれ以外は基本ギルドからの依頼制だ。ただし、ほぼ強制のな。」
「人聞きが悪いですね」
と言うエイダさん。だって…
「3ヶ月教育担当するだけで月にギルド職員の月給と同じだけもらえるですよ?しかも新米じゃなくて管理職レベルの。やるしかないでしょ。」
ちなみにギルド職員の給料は、なりたてが金貨2枚。
管理職や中年層の人間で3枚。ギルド長や幹部レベルで
金貨5枚前後。ちなみに俺の大体の月に稼ぐ額が調子い
い時で金貨6枚、低い時で2枚から3枚。これはAランク
のほぼ平均的なもの。ちなみにフレイは俺と同額か少
し少ないくらい。Bランクでよくて3枚か4枚。Cで1枚
から2枚。見習いで銀貨90枚から金貨1枚ほどだ。価値
としては銀貨100で金貨1枚。中には大銀貨というもの
もあるが、銀を無駄に消費するだけということであま
り生産されていない。大銀貨は銀貨10枚ほどの価値と
なる。1番価値の高いものは白金貨でありその価値は金
貨10枚であるが、これは一般的にはほとんど流通せ
ず、国家予算や外交費としてしか使われることはな
い。
「〜〜〜〜〜わかりました!やります!やらせていただきます!」
「…………フレイがやるなら…」
うんうん。決まったならさっそく
「じゃあ奥の部屋行きますよ!あ、ちなみにユリウスさんにはあなた方がちゃんと聞いているか監視していただくので、そのつもりで。」
とエイダさんは言う。わーい初耳だーい。
そういうわけで俺とリグルはフレイとナターシャを連れて奥に入っていった。
あと1ヶ月
次も出します