封印の社
すいません文面変なとこ多いと思いますが、ご了承ください。むしろ改善点があればどんどん言ってください。
「どうなんだ?入ったのか?」
この人…何か知ってるのか?
「確かにどっかの地下にあった石造の建物には入りました。」
普通はあの未確認のモンスター討伐の確認をするはずなのに…あのモンスターとあの建造物に繋がりがあることを知っている。絶対。
「やはり、そうか…あのモンスターは失われた鍵だったのか…」
……は?
「えーと…すいません、話が読めないんですけど。僕達には依頼にあったモンスターについての情報開示をさせにきたんじゃないんですか?」
「いや、違う。それに、討伐されたならもはや情報など不要だ。あれは一体だけの種での、もう同族は存在しない。いや、はなからあれに同族なぞ存在しない。」
なに?
「一つ聞かせてください、ギルド長。なぜあなたがそれを知っているのですか?それにまるでそれが事実でしかないような言い方…何をもってそれが正しいと言われるのですか?」
ふーむと考える仕草をするギルド長
「知ってしまった君らには話そう。ただし、他言無用だ。それは我々の不利益にもなるし、君達の安全を考慮してのことだ。」
それって…
「…………ギルドが私達を消しにくるってことですか?」
他人事じゃないけど隣が怖い…消しにくるならその前に殺すと言わんばかりの雰囲気だ。
「消しにくるのはあっている。ただし、それは我々ではない。国…というよりは神教だ。」
国?は………?
「まぁ話を聞け、聞けばおそらく納得する。それに入ったなら全てを知ると書いていたが、あれは嘘だったのかの?」
…何か伝承かそれにまつわる書物があるらしいな…
「…確かに僕達は入りました。ですがそれは本当に入り口のみであって奥までは入っていません。」
そうか…とギルド長は言うと
「そうであるなら、伝えるべきではないかもしれんな…伝承のモンスターを倒したのなら、社に入って全てを知っておると、そう思い込んでおったわしのミスじゃな…」
まぁいいと言って僕達に向き直る。
「君らは神話について知っているか?」
神話…神話?神話って御伽噺の?
「俺は家のおかげで大筋は知ってる。」
「……私は結末くらい」
「僕の家は…いや、僕は知らない」
これは…知らないふりをしておくべきだろう…
「へぇ。そうか、なら一応話をしておこうかの」
そして、ギルド長は話す
遥か昔、悪魔による大侵攻があった。その原因は今
でも定かではないとされている。無数の悪魔が人やそ
の死骸を贄としてこの世に召喚された。一説にはもと
もとこの世界に召喚された悪魔が同族を召喚して引き
起こしたとも言われているが、真実ではない。その悪
魔の軍勢は千を超え万にも登ったといわれる。世界は
対抗する力はなく、ただゆっくりと世界が滅びいてい
く様を見て、あるいは聞いて、いつかは自分が…と
日々近づいてくる滅びの足跡に恐怖していた。その
時、神が現れた。それは人間の英雄とも天上の存在だ
ともいわれているが、ともかく現れた神は人々に力を
与えた。それがスキルだ。神は生き残った人類全てに
スキルを、力を与えた。これにより神先導の下悪魔の
軍団は瞬く間に壊滅し、その頭となった大悪魔は封印
され、人々は神を信仰し世の中は平和となった
「まぁこんなところだ。」
やっぱり…一般だとこうなんだ…どうして…
「……フレイ?どうしたの?」
ナターシャが心配そうに声を掛けてくる。
「だ、大丈夫だよ、だからあまりくっつくなっての」
あーもう恥ずかしい
「全く若いもんは人目も憚らずにイチャイチャしおってからに…」
ギルド長が少し恨めしそうに見ている
「違いますよ、彼らのような特殊なのはあまりいませんから。」
「誰が特殊だ誰が」
まったく…ひどいやつ
「これが、国や神教が一般に広めた話じゃ。」
一般に…か
「まるで事実は違うみたいですね。」
そう言うと
「そのとおりじゃ、とはいえわしが知っておるのも伝承。これも正しいと証明ができん以上、真実ではないかもしれんが、ワシらの中では少なくても今の話は事実とは異なるものだと思っておる」
まさか…
するとユリウスが
「それが嘘だとして、本当の話があったとして、何が違うんですか?どうせ作り話でしょう?」
まさにその通りだ、そう思ったのだが
「いいや、真実だ。それがたった今証明された。」
「…どう言うことですか?」
ふぅと息を吐くギルド長
「この話は本当に他言無用じゃ」
そう言ってギルド長は話した。真実と伝えられるものを。
それは驚くべきものだった。まず、反旗を翻したの
は人間で、原因は神の陰謀に気付いたからだった。そ
の人間たちは人々が知らぬうちに神の傀儡となってい
くことに危機を覚えていたが、対抗手段がなく今まで
手をこまねいていたが、それを解決したのは悪魔の存
在。自分たちを贄に悪魔を召喚して、神を打倒した。
だが、神が都合の良い嘘をいい彼らを敵と認識させ、
人々を戦わせた。結果は偽と同じで神側の勝利だっ
た。しかし何故か君は悪魔の軍勢の頭を滅ぼさず封印
した。それに疑問を持った人間がいた。それが、悪魔
達を滅ぼすために、戦った人間の集団。その頭だっ
た。その人間は疑問に思い、神に尋ねた。するとその
人間は神により、体を作り替えられ紫の化物にされ悪
魔の残党として、討たれそうになった。だがそれは巧
みに人間や神の目をかいくぐり悪魔の封印を解くカギ
をうばい、逃げた。
「そんな…それじゃあ、俺らが殺したのは」
その人間だったってことか…
「…でもおかしい。最初の捕食行動や途中までは明らかに獣のそれだった。もし元人間でそこまでの知性があったなら普通そんなことには…」
確かに…
「そこら辺はワシにはわからん。だが、元人間であれ、襲ってきたことに変わりはないのだろう?」
「そうだけど…っ!!」
まさか…あの声は…じゃあ本当にこの伝承が…うちの家が…
「どうした?なにかあったのかの?」
しまった…顔に出てたか
「いえ、なんでも…」
「ふむ?まぁいい。では説明も終わったことだし、報酬の話をしよう。しかし先ほども言った通り、モンスターの情報ももう必要はない。」
え…それじゃあ報酬なし!?そんなバカな!?
この手のギルドからのモンスター等の調査依頼は、倒して報酬をもらうというわけではない。倒して、その時に得た有益な情報と引き換えに報酬を渡してくれるのだ。
「そ、それはないんじゃないんですか!?ギルド長!」
ユリウスが抗議する。当然だ、あんな死ぬような思いをして、意味なくなったから報酬なしね、じゃ済まされない。
「…………………………!」
うん、ナターシャ。君はもう少し謙虚に行動しよう。剣抜こうとするな!殺されるぞ!
「せっかちな奴らじゃ、まだ話は終わってないぞ。その代わりに、その鍵。それをもらう。どうだ?報酬は提示額の3倍だす。」
3倍…3倍…3倍!?そんだけあったらどんだけいいもの用意できるんだよ、買ってもお釣りがくるぞ!?
「じゃ、じゃあそうふぉ!?」
ナターシャに頭を叩かれた。
「な、何するんだよ!?」
そう隣に怒鳴るが
「金で簡単に返事出すな、ばか」
………すいません
そうナターシャに言われ哀愁あふれる雰囲気を醸し出していると
「ではギルド長、この鍵はそちらに引き渡します。しかし、しばらく貸していただけないでしょうか?」
ねぇ、なんかユリウスが話進めちゃってるんだけど…
そんな感じの視線をナターシャに向けて見ると
「……フレイよりいい考えがあるに違いない」
何も言えねぇ…
「何故じゃ?」
ギルド長もこの返答は驚きだったようだ。
「それはですね、自分たちが入っていないとなると
そこの社は入った人間が誰もいないということでしょ
う?となると中がどうなってるか誰もわからないわけ
です。ならばいっそ自分達がそれの調査をして、ギル
ドに報告しようと思いましてね。もちろん依頼という
形で。」
か、考えが僕並みにがめつい…予想以上に金に執着してんな…
そしてナターシャにどうなってんだよという念を込めた視線を向けると
「…………………………」
こっちには目もくれず、冷や汗をダラダラかきながらギルド長を見ていた。流石にこれは予想してなかったな。
「ほほぉ、ワシを目の前でよく堂々と言えたのぉ」
凄まじい殺気を感じる
「うっ!?」
な、なんだこれ!?や、やられる……!?
「…………!?」
「やめろ、剣の柄に手をかけるな!離せ!フレイもやめろ!落ち着け!」
ほぉと感心したような声を出して殺気を収める。
「お主、若いのにやるのぉ。最初から嘘だとわかっておったのか?」
う、うそかよ…びっくりしたぁ
「……………ふぅ」
僕もナターシャも一気に緊張が解けて、臨戦態勢を解く。
「いえ、この3人でかかっても勝ち目がないのはわかってるので…」
殺させないためです。と言う
「はっはっは!若造のくせにやるのぉ!よかろう!
ワシの負けじゃ、報酬はさっきの額でいい!貸し出し
も許可しよう。さすが、Aランクじゃなぁ。しかし、
今回はもともとやる気がなかったから良かったが、も
し本当に襲う気ならどうするつもりじゃ?もしそうだ
ったら今頃主らの命はないぞ…かと言ってお主ら2人は
先立ちすぎだ。手をかけた瞬間戦闘の意思ありと判断
されれば、襲われる可能性もあるのだぞ。戦力差を見
極めて反応するんじゃな。今後は…」
スッと目の前から消えるギルド長
「相手に悟られないように、戦闘態勢を整えられるようにな。」
突然後ろから声がして首に手刀を突きつけられる
「っ!?」
「…………見えなかった」
「……………さすがだ」
まぁでも…と言い
「殺気に反応が出るのは一流の証拠だ。よし、ついでに主らのランクアップもさせよう」
!?!?
「え…だって試験」
「伝承上のモンスターを倒したのだ、これ以上何か必要か?まぁそれに未確認の場所の探索はAランクからが普通だからのぉ。この依頼を受けるにあたって周りからの風当たりもないだろう。」
いやいやいや
「逆にその方が風当たり強そうですよ。」
「はっは。それならば実力で黙らせればいい。要はAランクとして相応しい実力があると認めさせればいいのだ。」
これは喜んでいいのやら…
だが、結局はこれがトリガーになるのだった。いや、これがなくても始まったのかもしれない。だが、これが原因の一つとなったのは確実だと思った。
あの日まで、あと1ヶ月
ありがとうございました。