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第三章第1話 これから夏休みです

2021/10/15 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました

 こんにちは。ローザです。


 今日ようやく期末テストが終わり、これから学園は夏休みになります。


 え? テストの出来はどうだったのか、ですか?


 えっと、算数以外はできたと思います。……たぶん?


 そ、そんなこといいじゃないですか。ともかく、これから夏休みなんです。ここ最近は授業が忙しくてあまり狩りに出られていなかったので、夏休みの間はがんばろうと思います。


 あ、えっとですね。あの決闘以降は誰かに嫌がらせをされることもなく、楽しい学園生活を送ることができました。


 それもこれも、全部レジーナさんのおかげです。


 というのもですね? どうやらレジーナさんは王太子様があたしたちに近寄らないようにしてくれているみたいなんです。だから、あの胸に固定される気持ち悪い視線にも晒されず済んでいます。


「ローザ」


 試験が終わって寮に帰ろうとするあたしたちをレジーナさんが呼び止めてきました。

 

「あ、レジーナ様」


 思わず普通に挨拶を名前を呼んでしまったあたしの隣でリリアちゃんとヴィーシャさんがきっちりと礼を執っています。


「あ、その……」


 あたしもリリアちゃんを真似して礼を執りますが、恥ずかしいです。


「あらあら。いいんですのよ。楽になさい。それよりもあなたたち、試験はどうだったんですの?」

「えっと、あたしは算数が……」

「あたしは筆記は大丈夫なんですけど、やっぱり実技が……」

「私は魔術文字が苦手でして」

「ふふ。でもその表情ならどうにかなったんですわね?」

「えっと、たぶん?」

「そう。それじゃあ、三人とも夏休みの予定は空いていて?」

「は、はい」

「もちろんです」

「家に確認しなければわかりませんが、大丈夫だと思います」

「そう。なら問題ありませんわね。せっかくですから、我がマレスティカ公爵家の別荘に招待しますわ」

「え? 別荘、ですか?」

「ええ。夏ですもの。夏といったらベアヌ高原ですわよ?」

「ベアヌ高原?」

「ローザちゃん。ベアヌ高原っていうのは、マレスティカ公爵領にある高原リゾートだよ。お金持ちしか行けないっていう……」


 なんだかよく分かっていないあたしにリリアちゃんが教えてくれました。えっと、お金持ちじゃないあたしが行ってもいいんでしょうか?


「あら、お金のことは気にする必要はありませんわよ? わたくしが招いていながら、お金を出させるようなことはさせませんわ」

「え? あ、は、はい」


 やっぱり、貴族ってお金持ちなんですね。


「それじゃあ、明後日に迎えの馬車を出しますわね」


 そう言い残してレジーナさんは颯爽と立ち去っていきました。


「あ、あの。こんなに急でヴィーシャさんは大丈夫なんですか?」

「私のほうも両親に言えば大丈夫だよ。それに、うちがマレスティカ公爵家で次期王太子妃であるレジーナ様のお誘いを断るわけないからね」

「うちも大丈夫だよ。あたしは特に予定があるわけじゃないしね。ローザちゃんこそ大丈夫なの?」

「え? あたしは大丈夫です。お休みにやることなんて、狩りくらいしかないですから」

「そっか。じゃあ、みんなでベアヌ高原にいけるね!」


 リリアちゃんは笑顔いっぱいでそう言いました。


「私はすぐに実家に連絡をしないといけないから、先に帰るよ。また明後日ね」

「はい」

「あたしも連絡くらいはしないと! ローザちゃん、またね!」

「はい!」


 こうしてヴィーシャさんとリリアちゃんも急いで家に帰ったので、あたしはひとりで寮の自室へと向かいます。


 部屋ではユキたちが待っていてくれて、あたしを出迎えてくれます。


「ミャー」

「ピピッ」


 ホーちゃんはいつもどおり、気持ちよさそうに眠っています。


「ただいま。ユキ、ピーちゃん」


 ユキは頭をあたしの脛にこつんとぶつけると体をすりすりしてきてくれました。ピーちゃんはというとあたしの前でぷるぷると震えています。


 こんな可愛いユキたちですが、毎日魔力をご飯としてあげていたおかげかちょっとだけ頼もしくなってきたような気がします。


 特にピーちゃんは光属性の魔法を使えるようになりました。この前なんか、剣術の修行で打撲をして帰ってきたヴィーシャさんをあっという間に治療しちゃったんです。リリアちゃんが打撲の治療は簡易治癒ではできないって言っていたので、きっとこれはすごいんだと思います。


 誰にも習っていないのにこんなにできちゃうなんて、すごくないですか?


 あ、そうそう。それからあたしのステータスも結構上がりました。


────

名前:ローザ

種族:混血(人族、天空族、淫魔族)

性別:女性

年齢:12

職業:テイマー


HP:36 → 37/37

MP:139 → 158/158

STR():2

INT(知力):32 → 34

AGI(素早さ):4

DEX(器用さ):9 → 14

VIT(体力):4

MGC(魔力):52→ 81

MND(精神力):31 → 58

LUC():9

CHA(魅力):59 → 89


スキル:

鑑定:1

収納:3

魅惑:2 → 3

火属性魔法:4 → 6

風属性魔法:1

光属性魔法:3

無属性魔法:5 → 6

魔力操作:6 → 9

従魔契約:1

狙撃:3

忍び足:1


魔法適性:火、風、光、闇

称号:星に導かれし者

従魔:ユキ、ピー、ホー

────


 やっぱりステータスもスキルも、魔法関係のものが上がりやすいみたいです。【火属性魔法】が2、【無属性魔法】も1上がりました。それから【魔力操作】は3も上がって9です。きっと、ユキたちに毎日魔力のご飯をあげていたからですね。ご飯をあげるだけでレベルアップできるなんて最高だと思います。


 ただどうしても分からないことがあって、【魅惑】のレベルが3に上がっているんですよね。一度も使った覚えはないんですけど、どういうことでしょう?


 えっと……。


 はい。あたしが考えても分かるわけありませんでした。


 そんなことよりも準備しなくっちゃ。


 ……そういえば、高原って何を持っていけばいいんでしょうね?

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― 新着の感想 ―
ローザの淫魔レベルが上がった! ……描写されてないけどスライム美容法をまだ続けているなら、同室のゥ゙ィーシャさんも大変だな。
[一言] まさかまたお胸が・・・
[良い点] 魅力と魅惑がひたすら上がる12歳… ろりこんホイホイですね、わかります。(ふらふら〜 裏でファンクラブとか出来てるでしょこれ… [気になる点] 学生なのに知力上がらないアホな子属性が確定し…
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