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テイマー少女の逃亡日記【コミカライズ連載中】  作者: 一色孝太郎
第二章

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第47話 フドネラに着きました

2021/02/01 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました

2021/07/24 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました

 どうもこんにちは。ローザです。ジャイアントマーダーベアに襲われてから一週間かけて歩き、マルダキア魔法王国の地方都市であるフドネラという町に辿りつきました。


 本当は馬車で二日の道のりだったんですか、お馬さんが殺されちゃいましたからね。ジャイアントマーダーベアのせいで酷い目に遭いました。


 さて、フドネラに着いたあたし達は盗賊の首を役所に提出して報奨金を貰い、そしてジャイアントマーダーベアの出現と討伐を報告しました。ただ、ジャイアントマーダーベアの方は冒険者ギルドでもフドネラの町でも報奨金がかけられていなかったようで、残念ながら何ももらえませんでした。


 それと、御者さん達とはここでお別れです。彼らは馬を失ってしまいましたし、そもそもここフドネラとオーデルラーヴァの間を結ぶ馬車の運行許可しか持っていないらしいので、馬車の修理と馬の調達ができたらまたこの路線で運行を再開するのだそうです。


 ツェツィーリエさんとラディスラフさん、それからグスタフさんは三日後の馬車で王都を目指すんだそうです。


 あたしは、どうしましょうね?


「あら、ローザちゃんもこの町に用事が無いなら王都までどうかしら? 誘拐犯を差し向けてきた奴も居るんだったらここに留まらないで遠くに行った方がいいんじゃないの?」


 たしかに、この町に居たらすぐに見つかってしまいそうです。それに木の葉を隠すには森の中とも言いますし、人の多いところに行けば目立たなくなるかもしれませんね。


「じゃあ、あたしも一緒に行っていいですか?」

「もちろん。ローザちゃんみたいな可愛い子が一緒なら私も嬉しいわ」


 そう言ったツェツィーリエさんは優しい微笑みを浮かべます。


「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」


 こうしてあたしはツェツィーリエさん達と一緒に王都まで行くことにしたのでした。


****


 とはいえ、あたしは冒険者なので依頼をこなして日銭を稼がなくてはなりません。ジャイアントマーダーベアの素材をラディスラフさんが買い取ってくれてお金には余裕がありますが、稼がなければどんどん減っていってしまいます。


 というわけで、あたしは早速冒険者ギルドにやってきました。冒険者ギルドでは大きく分けで二つのお金の稼ぎ方があります。


 まず一つ目は特定の依頼を選んで受注するやり方です。依頼掲示板に貼り出されている依頼もあれば受付で聞かないと教えてもらえなかったり、特定の人を指名して依頼されることもあるそうです。


 そしてもう一つは狩ってきた獲物や採集してきた植物などをカウンターに持って行って売るというやり方です。これは別に冒険者でない人も売ることはできるのですが、冒険者とそうでない人とでは手数料がかなり違っていて、そうでない人はかなり高額の手数料がかかってしまうんだそうです。だから、大抵の人は手数料を節約するために冒険者登録をします。


 さて、それでは依頼掲示板の方を見ていきましょう。


 今は冬だからでしょうか。採集関連の依頼がほとんどありません。魔物の討伐依頼もこの町から遠い場所ばかりですし、後は迷い猫を探すですとか下水道の掃除ですとか、後は臨時ウエイトレスなんて依頼もあります。


 あたしもかわいい制服には興味がありますが、目立ちたくないのでウエイトレスさんはさすがになしですね。


 ざっと依頼掲示板を見て回りましたがどうにも目ぼしい依頼はなさそうです。なのでここは一つ、外に出て獲物を狩ることにしましょう。


 大きい獲物を一頭捕まえれば大きいですし、毛皮も買い取ってもらえますからお得です。それにみんなの食料確保にもなりますしね。


 カウンターに貼り出されている素材の買い取り価格を確認したあたしは冒険者ギルドを出るとそのまま森へと向かったのでした。


****


 南にある森へとやってきました。もうお昼過ぎですが下見と言ったら門番さんはあっさりと町を出してくれました。門が締まったら朝まで入れないの注意するようにと言われましたが最初から森で野宿するつもりですので問題ありません。


 まだおねむのホーちゃんはあたしのフードの中に入って寝てもらって、あたしはユキを森の中に送り出します。


 あ、ピーちゃんはあたしの頭の上でぷにぷにの感触を提供してくれていますよ。


 それからしばらくしてユキが戻ってきました。どうやら何か見つけたようなので、あたしはユキに先導されて静かに森の中を歩きます。


 いました。あれは野ウサギです。


 光属性魔法を使ってしっかりと照準を合わせると魔力弾を撃ち込みます。


 ほとんど音もなく野ウサギの頭をあたしの魔力弾が撃ち抜き、野ウサギはその場に倒れました。


 うん。女子寮に居た時はあまり魔力弾を撃てなかったので魔力を循環させる練習や弾やナイフなどの形にする練習しかできませんでしたが、それでも練習のおかげか魔力弾の威力はずいぶんと上がっています。


 森でサバイバルしていた頃よりも明らかに狙いをつけてから発射するまでの時間が短くなりましたし、それに命中した時の貫通力が違うように思います。


 あ、もしかしたらそのおかげでジャイアントマーダーベアを倒せたのかもしれませんね。


 弾速は……どうでしょうね? 最初から速かったので違いはよく分かりません。


 あたしは野ウサギを急いで毛皮を()いで血抜きをするため木に吊るすと、再びユキに探索をお願いします。


 そういえばあたしのステータスって今どうなっているんでしょう?


 一人の時間ができてふと思いついたあたしは自分のステータスを確認してみます。


────

名前:ローザ

種族:混血(人族、天空族、淫魔族)

性別:女性

年齢:12

職業:テイマー


HP:36/36

MP:124/128

STR():2

INT(知力):30

AGI(素早さ):4

DEX(器用さ):9

VIT(体力):4

MGK(魔力):50

MND(精神力):30

LUC():9

CHA(魅力):57


スキル:

鑑定:1

収納:3

魅惑:2

火属性魔法:3

風属性魔法:1

光属性魔法:2

無属性魔法:4

魔力操作:5

従魔契約:1

狙撃:2


魔法適性:火、風、光、闇

称号:星に導かれし者

従魔:ユキ、ピー、ホー

────


 えっと、新しいスキルは増えていませんが、【火属性魔法】が 3 になっていて、【光属性魔法】が 2、【無属性魔法】が 4、【魔力操作】が 5 になっていますね。それから【収納】が 3、【狙撃】も 2 になっているところを見ると使っているスキルはレベルが上がりやすいみたいです。【光属性魔法】が 2 になっているのは多分女子寮に住んでいた時にライトの代わりとして多用していたせいだと思います。


 ただ、この【魅惑】が 2 になっているの何なんでしょうね?


 こんなスキル使った覚えは全くないですよ?


 そもそもこのスキルにどんな効果があるのかよくわかっていないんですよね。ただ、オーデルラーヴァでは特におかしなこともありませんでしたしそこまで怖いスキルじゃないのかなって思って安心していたのですが、どういう事なんでしょうね?


 でもレベルが上がったことを考えると、やっぱり使ったんですよねぇ?


 うーん。よくわかりません。


 あと、ステータスの方も伸びているところははよく使っているところみたいですし、こちらもそういう事で間違い無さそうです。MP や MGK(魔力)MND(精神力)あたりは魔法に関係のありそうな項目ですからね。

 

 そんなことを考えているとユキが戻ってきました。新しい獲物を見つけたようです。あたしは音を立てない様に気を付けながら森の中を進んでいきます。


 あ、あれは!


 茶色のふわふわとした特徴的なあの毛並みは間違いありません。キツネです!


 キツネの毛皮は冒険者ギルドにあった買い取り価格もかなり高かったのでおいしい獲物です。


 そっと近づいて、照準を合わせて……あ、逃げちゃいました。どうやら気付かれていたようです。


「ユキ、ごめんなさい。気付かれちゃいました」

「ミャー」


 気にするなって慰めてくれました。


「ありがとうございます。次は頑張りますね」


 あたしはそうお礼を言うとユキを再び森の中へと送り出したのでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] あれ?誘拐犯のドッグタグもとい冒険者タグは?
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