表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/296

第37話 これからの事を考えました

2021/01/05 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました

2021/01/06 ご指摘いただいた誤字を修正しました。ありがとうございました

 どうもこんにちは。ローザです。時が経つのは早いもので、もう十一月になりました。気温も随分と低くなり、あたしが二度目の洗礼を受ける日が刻一刻と近づいてきています。


 このところは今後の身の振り方を考えています。これからあたしが生きていくにあたっていくつか選択肢を考えました。


 まず一つ目はどこかのお店に住み込みで働かせてもらう事です。あたしは読み書きもできますし簡単な計算だってできますから、商店であれば就職には困らないハズです。


 ただ、この場合はユキ達と一緒にいられなくなる可能性が結構高いんですよね。賄いの食事はあたし一人分ですし、お給金だけだと食べさせてあげられない可能性が高いです。


 二つ目は騎士団に志願して、試験を受けて入ることなんですけどちょっとこれは難しそうでした。


 ほら、あたしって剣なんて握ったことないじゃないですか。だからピーちゃんの力か魔法を使って試験を突破する必要があるんですね。


 でも、ピーちゃんはスライムですからそもそも種族として戦うのが得意じゃないですし、しかも同じスライム同士でもいじめられっ子だったわけじゃないですか。だからピーちゃんに戦って勝ってもらうというのは難しいんですよ。


 かといって、魔力弾を使って試験を突破するとこれはこれでせっかくオフェリアさんに庇ってもらったのが無駄になっちゃうじゃないですか。オフェリアさんの立場もちょっと悪くなってしまいそうですし。


 それで最後に思いついたのは冒険者になることです。


 はい。そうです。雑用依頼をこなして何でもやるあの冒険者です。孤児が最初になる職業ナンバーワンの冒険者です。そして魔物にやられてどんどん死んでいく使い捨ての冒険者です。


 ただ、冒険者は犯罪歴が無ければ誰でもなれるので手っ取り早く日銭を稼ぐという意味では手ごろなんですよね。


 ただ、そうして冒険者になったものの食い詰めて盗賊になったり奴隷になったりするんですけどね。


 あ、暗い話ばかりしましたけど、一応冒険者でも一攫千金の夢はあるんですよ?


 未発見の遺跡やダンジョンを探検して貴重なお宝を手に入れれば一回で一生分のお金を稼げるなんてこともあるみたいです。


 ただ、そんな人はほとんどいないので本当に一応ですけど。


 そんなわけでですね。今のところ選択肢は冒険者しか思いついていないんですけどイマイチなんですよね。


 ほら、あたしの夢は第一が毎日お腹いっぱい食べることで、第二に優しくて誠実で頼りがいのある素敵な男性と結婚することじゃないですか。


 でもこの国で立場の弱い冒険者になんかなったらレオシュに拉致されそうな気がするんですよ。


 あいつに捕まって妾になんかされるのは絶対嫌ですよ。どう考えても奴隷待遇なこと間違いなしですからね。


 それに、もしかしたら罪をでっちあげて本当に奴隷にされるかもしれないじゃないですか。


 あたしはいつも誰かと一緒にいるので今のところレオシュに声をかけられるような事案は発生してないんですけど、それでも相変わらずジロジロと見てきますし。


 しかもですよ? 最近はイヤらしい視線を向けてくるんですよね。特にあたしの胸に。


 はい。そうなんです。実はですね。女子寮に来てから毎日三食きっちりお腹いっぱい食べているおかげがすごく成長しているんです。背だって伸びましたし、胸も随分と大きくなりました。


 何と言うか、はい。あたしちゃんと淫魔族の血を引いてるんだなって実感しました。背はまだ追いついていないですけど、同年代の子よりも胸はかなり大きくなったと思います。


 そんなわけで、レオシュ以外の男性騎士にもジロジロと見られるんですよね。胸を!


 視線の線ってこういう意味なんだって実感しました。


 ええと、はい。すみません。話が脱線しちゃいましたね。


 そんな訳なので、最近は他の国に行くのもありなんじゃないかなって思っています。どうせ職業として冒険者しか選べないなら権力者が襲ってくる可能性が低い場所の方が良いかなって。


 オフェリアさんも多少は庇ってくれるでしょうけど、本当は違うのに目をつぶって国民の登録までしてくれたんですから、いくらなんでもこれ以上は迷惑をかけられません。


 うん。やっぱり、そうしましょう。


 そうするとどこの国が良いでしょうかね。


 というわけで、地理をまとめてみますね。図書室で勉強していたのであたしも地理にもかなり詳しくなりましたよ。


 まず、今あたしのいるオーデルラーヴァから見て西と北西あたりがあたしの居たベルーシ王国で、北東にはマルダキア魔法王国があります。


 それで、このベルーシ王国とマルダキア魔法王国の間には巨大な魔の森というのが存在していて、ものすごい恐ろしい魔物が闊歩しているので通ることができないそうです。


 えへへ。あたし、実はそんな恐ろしい魔の森のすぐ南でサバイバルしていたんですね。


 そんな恐ろしい魔の森の北にはカルリア公国という国があります。ここは割と地形が険しくって、それからベルーシとマルダキアを結ぶ主要な街道がここを通っています。


 それからですね。オーデルラーヴァの南にはハプルッセン帝国という軍事大国があって、さらにその南に聖ルクシア教の総本山である神聖ルクシア王国とやらがあるそうです。


 最後に東にはユトラ連合王国という国があって、ここは交易が盛んなんだそうです


 この中で考えると、やっぱりマルダキア魔法王国でしょうか?


 というのもですね。やっぱり魔法王国というだけあって魔法を使える人が多いらしいので、あたしが行ってもそんなに目立たずに済むんじゃないかと思ったんです。


 それにベルーシ王国との間にはカルリア公国があるのであたしが行ってもオーナー様や孤児院にバレるまでには時間がかかると思うんです。そうしてあと何年かすれば、きっと昔の知り合いはあたしを見ても誰だか分からなくなってくれるんじゃないかなって思うんですよね。


 ほら。すっごい成長してますから。


 それと、ハプルッセン帝国とユトラ連合王国を選ばなかったのは、聖ルクシア教がそれなりに浸透しているらしいからです。だって、ユキ達の安全を考えるなら聖ルクシア教会の影響が少ないところに行った方が良さそうなんじゃないかって思うんです。


 うん。そうしましょう。それにあたしの【鑑定】と【収納】のスキルを活かすには冒険者はあってそうですし、それにある程度お金を貯めたら商売をしてみるのも良いかもしれませんね。


 そう決めたあたしは早速オフェリアさんに報告に向かうのでした。

次回で第一章はラストとなります。更新は 1/7 20:00 を予定しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ