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テイマー少女の逃亡日記【コミカライズ連載中】  作者: 一色孝太郎
第五章

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第五章第1話 新学期が始まりました

2025/03/16 誤字を修正しました

 冬休みが終わり、学園に戻ってきました。公子様や王太子様も卒業して、気付けばもう三年生です。あたしが一番上の学年だなんて……なんだか不思議な気分です。


 あ、そうそう。公子様は魔法大学に進学したんだそうです。あとドレスク先輩も。


 え? 王太子様ですか? お義兄様もなんですけど、オーデルラーヴァに出征したままで、まだ帰ってきていないんです。でも王太子様は戻ってきたら、そのまま政務に就くって聞きました。


 お義姉様も卒業したらそのまますぐに結婚するんだそうです。


 あたしは……卒業したらどうしましょう?


 元々の夢はお腹いっぱい食べることと、それから素敵な男性と結婚することだったんですけど……今になって思うとあんまりしっくり来ないっていうか……どっちかというとユキとピーちゃんとホーちゃんと一緒に楽しく暮らしたいっていうほうが強いかもしれません。


 あ! あとですね。あのレオシュが処刑されたんだそうです。


 あいつは気持ち悪い卑怯者ですけど……死んだって聞くとなんだか複雑な気持ちです。


 もちろん助けたいとかそういったことはないんですけど、こう……なんというか、気持ちの置き所が無くなったというか、そんな感じです。


「ローザ、何をぼうっとしているんですの? そろそろ出番ですわよ?」

「あ、はい」


 あたしはレジーナお義姉様に言われ、現実に引き戻されます。


 今日は入学式。新一年生を迎える大事な日です。あたしは生徒会の一員ですので、壇上に上がって皆さんを歓迎しないといけないんです。


 もちろん生徒会を続けたかったわけじゃないんですけど、でも料理研究会に戻ったらまたトラブルになるのは目に見えていますから。


 あたしだってもう十四歳。もう結婚していてもおかしくない年齢ですからね。そのくらいのことはわきまえています。


 ……なぜか背は全然伸びていないんですけど。


「続いて生徒会よりお言葉をいただきます。生徒会の皆さん、どうぞ舞台へとお上がりください」


 あ、呼ばれました。


「行きますわよ」

「「はい」」


 お義姉様の言葉に、あたしとレアンドルさんは同時に返事をしました。するとレアンドルさんはあたしを一瞬じろりと見ましたが、すぐに視線を()らします。


「ほら、行きますわよ」


 あたしたちはレジーナお義姉様を先頭に壇上へと上がります。


「レジーナ・マレスティカ会長、レアンドル・タルヴィア・コンスタンティネスク副会長、ローザ・マレスティカ書記です」


 そう紹介され、あたしたちは会場中から大きな拍手を受けます。それにあたしたちは礼を()って応えました。


 するとすぐにお義姉様がスピーチを始めます。


「新入生の皆さん、魔法学園へようこそいらっしゃいました。わたくしたち――」


 ううん。堂々と語り掛けていて、お義姉様は本当にすごいです。あたしだったらあんな大勢の人に話すなんて緊張してとてもできそうにありません。


 やっぱりレジーナお義姉様は未来の王妃様で、あたしなんかとは全然違うんだなってすごく思います。


 そんなことを考えていると、お義姉様のスピーチが終わります。


「わたくしたちは生徒を代表し、皆さんを歓迎しますわ。共に切磋琢磨し、最高の学園生活を送りましょう」


 すると再び会場中から大きな拍手が沸き起こり、あたしたちは再び礼を執って壇上から降りたのでした。


◆◇◆


 それからあたしたちはゲラシム先生のオリエンテーションを受け、生徒会室にやってきました。


 オリエンテーションは……はい。なんだかいつもの感じでした。人数も五人減っていて、知っている人だと一年生のときに魔物討伐演習で一緒の班だったゼノさんがいませんでした。


 なんでも風属性魔術の試験で落第してしまったそうで、騎士養成学校に編入したんだそうです。


 あ、ロクサーナさんとベティーナさんは進級していました。


 ただ、リリアちゃんは……。


「ローザ?」

「え? あ、えっと、はい。なんでもないです」

「……そう。ならいいですわ。ローザも先輩ですわ。しっかりなさい」

「は、はい。お義姉様」


 そうですよね。生徒会の新メンバーは三人もいるんだそうです。あたしだって先輩らしくしっかりしないといけません。


 ですが、そんなあたしをお義姉様はやれやれといった感じで見つめてきます。


 と、そのときでした。


 コンコン!


 突然扉がノックされました。


「お入りなさい」

「「失礼します」」


 男の人と女の人の声がして、すぐに扉が開かれます。


「ワイはトラン・バートリーや。先輩方、よろしゅう」

「わたくしはルアンナ・リコツィですわ。どうぞよしなに」


 そう言って入ってきたのは金髪の男の人と赤髪の女の人です。二人はすぐにあたしたちに向かって礼を執ります。


「ええ。話は聞いていますわ」


 お義姉様が返事をしてくれたので、あたしはそれに任せて愛想笑いを浮かべます。


「ところで、もう一人はどうしたんですの?」


 お義姉様がそう尋ねると、二人は困ったような表情を浮かべます。


 あれ? どういうことでしょう?

 次回更新は通常どおり、2025/03/22 (土) 18:00 を予定しております。

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― 新着の感想 ―
一番上の行、第4章になってる
間違えた奴消さんのか?
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