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第四章第73話 成長したみたいです?

 おはようございます。ローザです。


 ふう。なんだか気持ちのいい朝ですね。


 木の上でしたけど、ぐっすり眠れました。おかげで体が軽くて、昨日あんなに魔力弾を撃ったのに疲れだって全然残っていないんですよ。


 ……あれ? ちょっと待ってください。あたし、昨日何発魔力弾を撃ちましたっけ?


 何時間もずっとゴブリンに魔力弾を撃っていたのに魔力切れにならなかったってことは、もしかしてあたし、かなりMPが増えてるんじゃないでしょうか?


 ちょっと鑑定で確認してみましょう。


────

名前:ローザ

種族:混血(人族、天空族、淫魔族)

性別:女性

年齢:13

職業:テイマー


HP:37 → 38/38

MP:201 → 283/283

STR():2

INT(知力):36 → 37

AGI(素早さ):4

DEX(器用さ):14 → 15

VIT(体力):5

MGC(魔力):101 → 132

MND(精神力):77 → 89

LUC():9

CHA(魅力):123 → 175


スキル:

鑑定:1

収納:3

魅惑:7 → 12

火属性魔法:7 → 8

風属性魔法:1

光属性魔法:8 → 13

無属性魔法:6 → 7

魔力操作:10 → 15

従魔契約:1

狙撃:3 → 4

忍び足:1 → 2


魔法適性:火、風、光、闇

称号:星に導かれし者、マレスティカ公爵令嬢

従魔:ユキ、ピー、ホー

────


 えっと……はい。MP、増えていました。増えていましたけどやっぱりCHA(魅力)と【魅惑】が……いえ、なんでもないです。


 これ、もうずっとそうですからね。気にしても仕方ありません。


 そんなことよりMPです。


 えっと、たしか魔力弾は一発撃つのに消費するMPをたしか三でしたよね。


 ということは、今のあたしは、えっと……きゅ、九十……えっと、四? 発撃てる計算ですね。


 あれれ? おかしいですね。あたし、絶対もっとたくさん撃っていたと思うんですけど……。


 えっと? えっと……あ! もしかして、魔力弾の消費MPが少なくなったってこと、ないでしょうか?


 試してみましょう。えい!


 一発魔力弾を空に向けて撃ち、またステータスを確認してみます。


────

HP:38/38

MP:281/283

────


 あ! やっぱり! 消費MPが減っています。これだと……えっと、あと百……四十発撃てますね。


 あれれ? でもやっぱりおかしいですね。昨日は絶対にもっとたくさん撃ったはずです。


 うーん?


 えっと……はい。さっぱりわかりません。そもそもあたしが考えたってわかるわけないですよね。


 それじゃあ……えっと、そうですね。きっと昨日は調子が良かったんです。そういうことにしておきましょう。


 はい。そうと決まれば、朝ごはんを食べて出発しましょう。


◆◇◆


 それからしばらく歩いていると、なんと道の向こうから武器を持った人たちがこちらに向かって歩いてきました。まだ気付かれていないみたいですけど、かなりの人数です。


 ……こんな森の中に武器を持ったあんな大人数の集団がいるなんておかしいですよね。


 えっと、もしかして盗賊でしょうか?


 あたしは思わず木の陰に隠れて様子を(うかが)います。


 あれれ? おかしいですね。なんで武装集団の中にメイド服を着た女性がいるんでしょうか?


 しかも楽しそうにおしゃべりをしていますから、捕まって無理やり連れてこられたっていう感じはしません。


 もしかして、あの人たちは大丈夫な人たちでしょうか?


 いえ、でも正体が分かりませんし、パドゥレ・ランスカでのこともありますからね。やっぱり声を掛けるのはちょっと怖いです。このままやり過ごしましょう。


 あたしはそのまま音を立てないように息を殺し、謎の武装集団が通り過ぎるのを待ちます。


 ・


 ・


 ・


 ふう。なんとか見つからずにやり過ごせました。


 さあ、それじゃあ出発しましょう。


◆◇◆


 翌日のお昼ごろ、あたしは石積みの壁で囲われたちょっと大きな村にやってきました。ここまでの道中で一回ゴブリンに襲われましたけど、ユキたちと一緒にちゃんと駆除しておきましたよ。


 それにしても、ゴブリンって本当にどこにでも現れますよね。パドゥレ・ランスカであんなにたくさん駆除したのにまだ生息しているなんて!


 あっと、害悪のことはどうでもいいですね。


 えっとですね。この村はパドゥレ・ランスカよりも大きいみたいですし、ちゃんとした冒険者ギルドがあるかもしれません。ちゃんとした冒険者ギルドならここがどこか分かりますし、もしかしたら乗合馬車がどこから出ているかも教えてもらえるかもしれません。


 だって、パドゥレ・ランスカへと続く道は細くて人一人が歩くのがやっとという感じでしたけど、途中で合流したこの道は馬車が通れなそうな広さがありますからね。


 きっと馬車が走っているはずです。それで乗合馬車を乗り継げば、きっとトレスカまで帰れるはずです。


 というわけで、あたしは村の入口にやってきました。行列ができているというわけでもないので、とりあえず正面に立っている門番のお兄さんに話しかけてみます。


「こんにちは。冒険者のローザです」

「はい、こんにちは。ローザちゃん、どこから来ましたか?」

「えっと、森の中で迷ってしまって、なんとかここまで来ました。マルダキア魔法王国の王都トレスカにある魔法学園の生徒なんですけど、冒険者ギルドに用事があってきました」


 パドゥレ・ランスカでひどい目に遭ったのに、あたしはマレスティカ公爵家のことを隠して話してみます。領主のところに連れていかれ、その息子に襲われたらたまりませんからね。


「ああ、はいはい。そういうことか。お嬢ちゃん、小さいのに大変だったねぇ。ここはマルダキア魔法王国のランスカ男爵領の領都ランスカだからね。大丈夫、外国じゃないよ」

「あ……そうだったんですね」


 ランスカ男爵ってことは、あいつらの本家ってことですよね?


 失敗しました。ちょっとまずいところに来ちゃったかもしれません。


「うん。それじゃあ、冒険者カードを見せてくれるかい?」


 ……パドゥレ・ランスカの門番の人は知らなかったですし、きっとバレませんよね?


「はい」


 あたしは冒険者カードを差し出しました。


「ありがとう。えっと、ローザ・マレスティカさんね。ん? マレスティカって、あれ? ええと……あ! あああっ! まさかアンナさんから連絡があったマレスティカ公爵家のお嬢様!?」


 バ、バレちゃいました。ど、ど、ど、どうしましょう!?

 次回更新は通常どおり、2024/04/27 (土) 20:00 を予定しております。

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