表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/34

うっかりな私

カンカンカン!

カンカンカンカンカンカン!


朝の一番鶏もまだお眠な頃

早起きの2人が今日も元気に打ち合いをしている。

私はたまに早く目が覚めた朝に、このお2人の練習風景を見ながらぼんやりするのが好きだ。

朝、まだ空気が澄んでいる中、ストールを肩にかけ、私は2人を見にいった。


カンカンカン!

カンカンカンカンカンカン!


うーん、やはりお2人の打ち合いは見てて楽しい!!


早起き2人組こと、1番小隊長のリカルド様と3番小隊の副長のライコット様。

リカルド様が35歳でライコット様が28歳だったかな。

歳も少し離れていて所属小隊も違うのに仲良しなお2人は、毎朝早朝練習をしてから1番風呂に入るのが大好きなのだそうな。

そんなお2人を見ながら、朝食は目玉焼きとベーコンとサラダと昨日残りのスープでいいかと献立を考える。


そして2人の戦いを観察…あーなるほどね


あそこで切り掛かられたら小手先を、、ほうほう。へー、あーゆー風に攻められたら一旦引いてから立ち直ったほうがいいのね。おお!今の一振!かなり重そうに入りましたな!ここぞって時の全力振込みも有効打になるんだねー勉強になります。

私が無言で観察していると、ノリノリで打ち合ってたライコット様の手元がツルっと滑った瞬間に

絶妙なタイミングっで大振りの重い一撃が入った。そして彼の手からはスポッと剣が弾き飛ばされ


「「あっ!」」


2人が一斉に剣の飛ばされた方を見る。


運悪くそこに座ってたのは私で……

思わずぶつかる!!って時になんともなく飛来したそれを手でね、パシっと取っていた。


もう何も考えてなかったよね。


飛んできたのでパシっとってな具合で。

平然とした私を2人は穴が空くほど見つめてくる。


あれ??なんか不都合でも??

いや、このまま行くと、私はね?避けたりも出来たけど砦が傷ついちゃうなぁと。修理費も馬鹿にならないし、業者と打ち合わせとかするのは私だし面倒いなぁってね?だから手でとったんですが…


ダメでした?


私はすくっと立ち上がると掴んだ剣をライコット様にお返しした。

無言で受け取るお2人を少し不気味に思いながら

私は朝食の支度があるからとその場を後にした。


「…おい、見たかアレ」

「…はい。見ました。」

「あの速さで飛んできた剣…お前とれるか?」

「なにを…馬鹿言わないで下さいよ。――無理です」

「だよなぁ。」

「小隊長はできるんで?」

「馬鹿言うなよ――出来ねぇよ」

「ですよねぇ」


………。


「「山育ちって凄いってコトか?!」」




私は知らなかったのです。

こうやって色んな事を積み重ねていた事を。


そしてすっかり忘れていたのです。

あの日の雪山で翼を生やして、鱗を生やして

ワオ!魔物じゃね?!なんて思っていた事を。


普通の人とは違う事をすっかりと失念して平穏に過ごしていたのです。


平穏って頭を鈍化させますね…

だから気が付かなかったのかな。


皆が私を特別に見ている事を…

フラグが…フラグが…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=445358333&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ