魔法と轟音と私
ドォオオオオオオン
壁が揺れ辺りからホコリが落ちてくる。
「またかぁ、、よくやるなぁ。」
「今日はこれで3回目だな…今週からなんだって?魔法の特別授業。魔力測定で計器をぶっ壊した魔力モンスターがまさかのノーコンとはね。天は二物を与えなかったか〜」
男はカラカラと笑う。
「違いない。そのほうが可愛げがあるってもんだが…まぁ他人事だからこーやって語ってられるがな?指導教官になったレスター隊長は大変だろうに。精々頑張って魔法のほうでも1級戦力に育てあげて貰わないとな」
こんな会話が繰り返される、暖かな昼下がりー
ドォオオオオオオン
本日4回目の爆音が騎士訓練所内に響き渡った。
「スノー!!!何回言ったらわかるのですか!!イメージしろといったでしょう!!」
本日2回目の雷が落ちる。
「ヒッ!ヒエェ…」
イメージって言われてもですね?
難しいんですよ?
あぁ、数日前が懐かしい。
私は魔法が使えると確かにルンルンしていたはずでした。
なのに今は、魔法なんて使わなくても火は起こせるし、火が起こせるなら料理は出来るし?生きていけるのでいらないです!と笑顔でお伝えしこの場を辞したい気持ちでいっぱいです。
魔法はイメージとの事。
言葉を紡がなくてもイメージさえ出来ていれば無詠唱で発動できる。
ええ、イメージさえ出来ていれば。
ただ、発動に……ね?
「だからちゃんと見ていますか?この位の火をイメージしなさいと。拳大の大きさの火の玉を出しなさいと言っているのに!何故貴方はその何十倍もの大きさのを作るんですか!」
いやね?イメージはできてるんですよ?
そんな怒らなくても、なんならマッチレベルの小さい火をイメージしてやってますよ。
なのにいざね?魔力を練り上げる時こう…頭とか背中とかがムズムズしまして。
あーこのムズムズってあれじゃない?気を抜くと化け物になっちゃうやつじゃない?って。。
なんかこう、そんな事を考えてると加減を間違えてーーー
ドオオオオオン!!!!
「あ…あっちゃー…」
「スノーレイ!!!!!」
とまぁ、こうなるんですね。
「貴方の力の匙加減の出来なさと言ったら天下一ですよ!」
「えへへ·····ありがとうございます。」
照れながらいう私に「褒めてません!」と力強くいうとレスター様は両手で頭を抱え項垂れてしまいました。ご、ごめんなさい?
「いやぁ、スノー魔力操作が苦手なんだね。13番隊にいた時は料理とかを器用に作ってたと聞いてたから、なんか魔法もそつなく使えるようになるんだと思ってたよ。」
そういって笑うのはウィルネイト様。
えー?料理と魔法は似ても似つかないですよ?
匙加減の匙がもう違いますから!
砂糖や塩の加減なんか、この数年でお茶の子さいさいってなもんですが……魔力はね……
私の中に眠る化け物問題ってのがありまして。
まあ、そんな相談できるわけがないので仕方ないんですが。
「スノー、見てて?」
そう言うとウィル様が私の手をとって自身の手首の上に乗せた。
「ほら、僕の魔力の力を感じて?これくらいでいいんだよ……」
そういうとゆっくりと魔力を流し魔法を展開する。その魔力の流れは穏やかで……私のソレとは大違いだ。やがてウィル様の手の上にこぶし大の氷の塊が出来た。キラキラと輝くそれを見ていたら
「何となくわかった?じゃあ、スノーもやってみようか」
「はい!!」
今ならできる気がする!私にもあんな風に穏やかに魔力を流してみたい!できる!今ならできる!
ドォオオオオオオオン!!
本日5回目の轟音が響き渡った。




