のめり込む私
キンっカンカンっキンっ!
ひっ!早いです!
初撃からフルスロットルですね!!
ぼんやりしてたら腕ごと切り落とされそうな勢いありますよ!
メイドな女子にとてつもない剣戟浴びせますね!!
3分間の打ち合い…
下手に攻め込むのは無謀ですね。
いくら私の動体視力が優れていても
隙をつかれそうだし?隙を見せたら最後、微塵にされそう…
防ぎきれば、負けなければいいんだよね?
この数年、窓から見下ろすだけで
私は皆の練習を見ているしかできなかった。
でも楽しそうな剣戟を見る度に、私ならあぁするなとか、あの場合の受けはこうしたいとか頭の中でのシュミレーションはたくさんやってはきました。でも実戦とシュミレーションはやはり違う。
あと、単純に…
キースレッド様がめっっちゃ強いんですけど!
無理無理、もう無理。
受けきってるだけでかなり健闘してますよ!
初撃もかなり重たいのが入って、かなり踏ん張って押し負けないようにしましたし、
あと、スピードを上げてきてる。一撃、一撃が重いし早いんです!!
受けきるのでいっぱいいっぱい。
だからセーブしてる力を解放しちゃいたい、楽になりたい――けど、それはなんか違う気がします。
あくまでも人間の力の範囲で戦いたいです。
あと無闇に大解放すると決してき出ちゃいけない翼とか角とかも、
久しぶりだね!やっほー!しそうです。それはまずい。非常によくない。
私はなんとか痛い思いをせずに
この時間を乗り切りたい。
その為には――よく見て考えるんだ。。
剣を見て、相手の息づかいを見て、目線を追って何処に撃ち込む?どうしてそこへ?
先を考えて相手になったつもりで。
キース様の剣戟は教本のように正確。
逆に言えばトリッキーな事はない。
正確に正確を重ねること、そして人を凌駕するスピード。これが彼の持ち味。
ならば?私がする事は、正しくあろうとする彼の剣に正確に答える事。
次は右、そしてまた右。次は左、そして右。
捻ってきたら甲で返して。右左右左右左ーー
キンっキンっカンカンっキンっカン!!!
あ、この、感じ。
流れに飲み込まれていく様な感覚。
前にも味わったなぁ…マルコル小隊長と戦った時と似ている。
リズムが心地いい。
ほら、もっと、、まだ行ける。
私はもっと早く撃ち込めるーーーー
カンカン!!!もっと、もっと、早くっ!!
「そっそこまで!!!3分!3分なんてもうとっくに終わってるぞ!!!!」
え!?
試験官の声で我に帰った私は
振り下ろそうとしていた剣をピタリと止めました。
目の前には私の剣を受けようとした――
汗だくで真っ青な顔をしたキースレッド様がそこにいました。
「スノーレイ、君は…君は一体何者なんだい…」
キース様の声が私の心に深く突き刺さる。
私も知りたい。
私は一体何者なのだろうかと。
我を忘れて楽しんだら、ちょっぴり傷ついたでござる…。。負けるな主人公!




