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かっこいい剣戟と私

「次、482番!前へ」


「はい!」

私が声を上げると周りがざわめき出した。


「え、やっぱり志願者本人かよ」

「なんでメイド服なんだ?ネタか?」

「あんな華奢な体格でよく受けようと思ったな」


あーあーあー!

聞こえてますよ心の声!と言うか出てますよ口から!!

ざわめく人をかき分けて私は人形の前に出た。

腰にぶら下げた鞘から剣を抜き軽く構える。


「よーメイドさん?お茶の時間はまだだぜ?早く屋敷に帰んなよ」

私の後に呼ばれた人が、失礼な野次を飛ばす。

すると、ゲラゲラと笑い声が周りから噴出した。


落ち着け、私。


この会場に着いた時から女性の受験者が少ないのなんて分かってたでしょ?

しかも彼女達はしっかり装備を整えていたし、歴戦の猛者ですオーラも放ってた。

山から下山後に砦に引きこもってた私とは、皆さんくぐって来た修羅場が違うのだろう。

野次られても仕方ない…仕方ないんだ。


それよりも別の事を考えよう。

この人形、何やらとっても丈夫で魔法を使って剣で壊すのが合格の近道らしい。


では?私はどうしよう。


もちろん魔法は使えない。使い方がわからない。

ならば肉弾戦だ!この華奢とバカにされる体から放つアマゾネス並の力を受けてみろっ!

ってな具合に攻撃しないとダメっぽい。

うーん。どの位の力で行こうかな?


遡ること2年と少し、私が雪山で超進化を果たしてから、角とか諸々を消しても髪色は白のままだったし、肉体の力の漲りは角出し時よりは抑えられるものの、人のそれを超えている…と思われる。

砦で過ごした最初の頃は、洗濯桶はぶち抜くし、皿洗いしたら粉々にする、食べようとスプーン持つとグチャっと曲がるわで大変だった。


力の加減の仕方が最初はまるで分からなかった。


だが今は違う!スプーンを持つ時はこの位、洗濯物を洗う時はこの位って基準がある。

で、問題はこの人形だ。

どの位硬いもんなのか、基準がないから力の加減がわからない。

でもね?初撃で粉砕してる人なんて居ないし

それを鑑みると、一撃粉砕は不味い。化け物だってバレちゃうかもしれない。

でも手加減しすぎて壊れないのも不味いし…って実は全力でも壊れない位だったらどうしよう!


そんな風にグルグルと考えていたら、

全員の呼びたしが終わり、皆さん真剣に剣を構えていらした。


「開始!!!!」


試験官の声が響き、「「うおぉおお!!」」皆さん声を上げ、切りかかっていく。


あ、あ、完全に出遅れた!!!


も、もうグダグダ考えてる時間はありません。

もういいか、全開フルパワーは私も出したこと無いので怖いし無理だけど…

そーだ!ライコット様と打ち合いした時!

あの時って少し調整ミスってライコット様を後ずさりさせたんだよね。

あれくらいでとりあえず打ち込んで見よう!

あと砦の皆さんの試合を思い出しましたよ!

敵が動きを止めてる時、チャンスがあれば大きく振りかぶってトドメをを刺してましたよね。

あれカッコよかったんですよねー。

ちょこっとアレンジして私もやってみようかな!


私は人形から距離を取る。

皆が至近距離で打ち合う中。

数歩下がって距離を取り――駆けた瞬間に上に跳んで斬りかかった!


スカートをバサバサとなびかせ、空に跳んだメイドは楽しそうな笑みを顔に貼り付けながら

その剣で人形を―――


ドカシャアアアアアン


粉々にした。


「え!この力でも駄目なの!?」


嘘でしょう?ライコット様は受けきってましたよ!木刀は壊れてましたけども…

あぁ!ライコット様が凄いって事か!納得しまし…てアレ?


まだ試験中なのに受験者諸共皆さんが私を見てます。

あ、あのですね?私は普通の人間でですね?

額から汗がダバダバ出てきます。

やっとやりすぎたってわかりました…。


「482番…合格だ」


あ、合格ですよね!良かった!

「あ、ありがとうございます!」



私は焦りながら礼を述べると、引率の人にせっつくように次の会場に向かったのでした。

やりすぎ注意ってわかってるのにやりすぎる。注意力散漫ですね。

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