一次試験と私
「番号、65番、102番、211番――」
無作為に番号を呼び始めてから早30分くらいでしょうか。私は未だにお呼びがかかりません。
私の番号は482番号。横で呼ばれるのを待ちながら試験を見つめるウィルネイト様が56番。
まだまだ時間がかかりそうです。
試験内容は難しくはありません。いたってシンプル。
王都騎士団裏の広いスペースに設置された
木でできた人形を壊せばいい。それだけ。
だけど制限時間がありまして、、5分。
その限られた時間内でいかに壊せるかって話なんですが…ん?木なのに壊せないのは何故ですって?
それは公国屈指の魔法士さん達がある一定の力が加わらないと壊れないよーに設定してるからですね!
5分間で全壊とまでは行かなくともある程度の破損が認められれば次の試験が受けられるようです。キース様の話によれば試験は三次試験まで。3回もやるのかぁ…。
「やはり、魔力がある者には有利だな。剣に炎を纏わせたり、風の力を借りて鋭利にしたりで破壊力を高めてる」
「ウィルネイト様は冷静ですね!ちゃんと分析してらして」
「いや、誰が見てもわかる事だよ。そんな凄い訳じゃない。それよりも…スノー大丈夫?僕は多少魔法の特性がある。でもスノーは?」
「私にもあるかも知れないとキース様はおっしゃってました。でも使い方もわからないし…まぁなんとかなりますよ!皆さんがくれたら剣を使って1次試験で落ちたとあれば顔向けできません!」
「本当に大丈夫?僕は心配だよ…君が騎士の世界へなんて。騎士なんかよりもっと…女性らしい平穏な暮らしもあるはずなのに」
「いいんです。私、こんなに期待されたの初めてで、だからたとえ残念な結果になっても一生懸命やったよ!って皆に言えるように奮闘してからでないと、元の暮らしに戻れません。平穏な暮らしも大切だったけど…今はこの試験の事を1番に考えてたいんです!」
「わかったよ、スノー。お願いだから無理はしちゃダメだよ?」そう言って彼が私の頭を撫でる。
皆、私のことを子供扱いして!でも撫で撫でされると気持ちいいんだけどさっ
そんな感じで和んでいたら
「56番!前え」
「はい!!!」
さっきまで優しい声音で私の頭を撫でていた青年は途端に消えた。
そこに居たのは凛々しい顔をした、見知らぬウィルネイト様。
私から離れると、指定された人形の前まで行って抜刀した。
6人程の受験者が剣を構える。
張り詰めた空気が流れ
「開始!!!」
ガンガンガンガンガンガン
一斉に皆が剣を振り始めた。
ウィルネイト様は二三撃打ち込むと難しい顔をした。やはり簡単にはいかない様子。
すると、何やら小声で呟き、剣を手で撫でたかと思ったら、みるみるうちにー剣が氷で覆い尽くされた!その剣で打ち込みを始めると、ものの数撃で人形がバラバラになる。
「ウィルネイト様…すごい…」
「56番、合格!」
ウィルネイト様は時間を残しての合格となった。凄い!凄すぎる!!
近づいて「おめでとう」と言いたかったけど、
受かった人は次の試験会場に速やかに連れて行かれる。
私がウィルネイト様におめでとうを言うならば―
「次、482番!前へ」
試験を突破するしかないっ!
さぁ始まりました一次試験。
炸裂するか?超パワー!!は次回にて。。




