連行される私
ガタゴト〜ガタゴト〜荷馬車がゆれる〜
って訳ではなくて。
私は馬車でこの国の王都であるイスカに向かっている。
同行者は副団長のキースレッド様だ。
あの後、意気地無しな私は、決めた!と言いつつ言い出すのを数週遅らしたあげく、
騎士の入団試験ギリギリになって、周りの人々にせっつかれ、やっとの事で
「はぃ…わかりました…」とか細い声でお伝えしたのでした。
もーね?皆のギラギラとした目!怖かったです。
討伐されるかと思いました…。
焦らすからいけないのさと皆さん思いました?
でもですよ?元々ね小心者な私がね?騎士なんて目立つ職業をね?
そう易々と選択できると思います?私は山小屋育ちのシャイガールなんですよ!!
砦にて家事手伝いしてた時はご飯を食べていく為にがむしゃらだっただけで
本来は人見知りでもあるはずなんです多分!
しかもどういった理由か私は翼が生えるんです!立派な爪と鱗と角も!
よもや人間の範囲をぴょーんと飛び越えた姿になれる私が、
正体かくして敵の中心で敵になる為の試験を受けるとかツッコミ処満載でしょ?
まぁ…砦で働いていた時も大型の魔物討伐の話で盛り上がる皆さんの横で
(より討伐しなきゃならない魔物は私かもですよ〜)
なんて思いながら配膳とかしてたけども。。
とこんな感じの事を改めて考え始めたら
こうね、、言い出すの面倒になりまして
明日へ明日へと先延ばしでた訳です。
ごめんなさい!悪癖がでました!
そして期限ギリギリに出願した私は首根っこを掴まれて、
馬車に突っ込まれ、逃走しないようにと副団長を監視役にドナドナと運ばれているんですね。
信用されてないなぁ、酷い。
でも馬車での旅は案外楽しくて。
キース様から色んな事を教わりました。
この国の事とか。色々と!
この国は白の公国ルドビア。
首都の周りには通年カフランっていう名前の白い花が咲いていて、
その花は昔王様に恋した白龍が魔法で作ったものらしい。
魔法で作ったせいか一年中元気に咲き続けるんだって!
首都の名前はその花を作った龍から名前を頂いたとかなんとか。
「ドラゴンって魔物ですよね?人に恋したりするんですかね?」ちょっとした疑問が湧きます。
「まぁ、そこは物語だから。実際はドラゴン並に強い魔法士がいて恋の記念に花を作ったとかなのかもね」あっ、国の正史っていう事なのにやっぱりフィクションなんですね。
ふーん。そんなものなのかな?
「でもイスカって女性の名前みたい。」
「ふむ、そういえばそうだね。つまりドラゴン並に強い女性がいたってことかな?あぁ、君みたいだね。強い女性、素晴らしい事だよ」
……。ドラゴン並に強いかは別として私の強さはなんかずるっこのソレに近いしな…
胸を張って強い女性だって言えない訳で。
それにドラゴンみたいな女ってなんか嫌だ!
「あんまり嬉しくないです。。あと、私は皆さんが言う程強くないですよ?マルコルさんとライコットさんが大袈裟なだけです。皆さんの期待の目が眩しくて頷いちゃいましたけど1次試験で落ちても許して下さいね?」
「あはは、確かに三番隊の期待の眼差しは凄かったよね。本当は早めに了承してもらって、皆で稽古付けたかったみたいだけどスノーがうんって中々言わないから」
「いや、それは、、申し訳なかったですけども。でも!稽古とか怖いです!!皆さんに足がガクガクするまでしごかれたらソレこそ試験受ける気になれなかったかもです」
キース様はクスクス笑いながら「そっか、なら案外良かったのかもね」なんて。
そんなこんなでヒエッって思うような話題もありましたが
わりと楽しく私は王都まで連行されたのでした。
やっと王都。やっと出てくる天使様




