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契約  作者: 水京香
1/1

「どうしたものだろうか」

「俺には理解できんな、男が男を追っかけるなんて」

「だからこそ困ってるんだろう」


局長室で胡坐をかき、茶菓子をつまみながら話しているのは、泣く子も黙る新選組局長近藤勇と、土方歳三。

血も涙も無い人斬りと言われるが、今はむしろ人間臭さを漂わせるしかめ面だ。

ふすまが軽く叩かれ、沖田です、という涼やかな声がした。


「総司か、入れ」

「何の話してるんです?」

「男色だ、男色!」


軽い口調で尋ねた沖田に、土方は吐き捨てるように言った。

近藤の方も、いかつい顔に苦渋をにじませている。

沖田は納得の表情を浮かべ、ああと呟いた。


「士道不覚悟にはなりませんしね」

「始末できんだろう」

「ふふ、土方さんは何でも始末ですねえ」

「んなこたァどーだっていい。問題はこれをどうするかだろ」

「欲が溜まってるんじゃないか」

「は?妾がいるだろ」

「俺達幹部はそうだ。だが平隊士には、そんな余裕だってないだろう」


いい齢になって、自分の欲求をコントロールできないとは。

しかもそれを、同性にぶつけるからたちが悪い。

近藤は眉をしかめた。


「いい考えがありますよ」


沖田は相変わらず、快活である。

そう言う事に淡白だ、と皆から囁かれているが、それは事実だ。

島原にも滅多に行かない。

そんな沖田のいい考えと言うのは、あまり信用できたものでは無かった。


「この屯所に女を住まわせたらいいんです」

「はあ?」


突拍子も無い案に、近藤と土方は声をそろえた。



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