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最強の魔人が世界を救うお話。  作者: もふもふ
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それは世界の終わりのような光景。


「フリューゲル、その程度か、勇者の力ってのは、あぁ!?」


「っなんで、君はそんなに元気なんだよ」


広大な平野。

周りに広がるは死体の山それも数十では治らないほどの数、どれも同じ白銀の鎧を着ている。

その中央で二人の主役が踊るように交戦する、かたや全身傷つきながらも笑顔で楽しそうに、かたや無傷だが苦顔で肩で息を吐きながら。


「レオン!」


「なんだ、フリューゲル」


「君は本当にこの世界を滅ぼすつもりか! 君は本当は優しい人間で、僕の幼馴染で、親友だろ!?」


「そうだ、俺はお前の幼馴染で、親友で、魔人だ、世界に仇なす存在だ。だから抑止力であるお前勇者がこの騎士団達を引き連れてやって来たって訳だろ? 哀れ、俺の犠牲になってしまったがな、さぁ最終幕もそろそろ閉じなければな」


「僕は、君を殺したくないっ! だからもう抵抗はやめてくれ、君も分かってるはずだ、君じゃ僕に勝てない」


「はっ、どうだか、まだ俺は生きてる、つまり戦いは終わってねぇぞ!」


レオンの両手より闇の波動を繰り出す。一直線上方向に放たれ、波動が通った跡の植物は灰になり何も残らない。

しかしフリューゲルはその恐ろしい一撃を光の速さで躱しレオンの背後に回り手刀、その一撃は鉄さえ容易く切り裂くが、レオンの闇を纏った右腕でいとも簡単に防がれる。


「身体強化してもこの程度か?」


「っ!?」


「はぁっ!」


自身を円状に視界全てを一瞬で燃やす。

赤く燃える業火、それは半径10キロのあらゆる物を燃やし尽くす。


「これも躱すよな、お前ならっ!」


炎が届かない遥か上空に浮かぶフリューゲルを睨みつける。レオンも自らの体を浮かし同じ高度まで上昇する。


「どうしても、分かり合えないのか、レオン」


「無駄だ、俺は魔人、この世界を憎む者だ、そんなに死にたいなら俺が殺してやる、お前の大事な人間達も一緒にな」


「……わかった、君がそこまで本気なら僕も、君を倒そう、全力で」


フリューゲルから今迄と、

けた違いの魔力が溢れ出す。

そして生み出されるは数十の光の分身、その分身達を作り出し突撃させるフリューゲル。


「はっ、んな偽物、全て燃やし尽くしてやるよ」


闇色の業火が分身達を焼き焦がす。

しかし自分の技で一瞬視界が無くなってしまったとレオンが自覚したと同時にフリューゲルは動きおわっていた。

身体強化して光と同一体になっていたフリューゲルは一瞬でレオンの前に移動する。


「光の速さで殴られたことはあるかい?」


「————」


進路上の岩、山を破壊しながら吹き飛ぶ。


レオンはすぐさま魔力を背後に放出することで勢いを殺す。

態勢を直して前方を見るがフリューゲルの姿がどこにも見当たらない、刹那、頭上遥か上で膨大な魔力が発生。


「上かっ!?」


「我は光、全てを照らすもの、我に託されしは願い、人々が望み、星が叶えしこの一撃。今高らかに謳おう」


それは唄だった、希望の唄、世界を救うべく紡ぐ人の歌。


「命刻魔法……これは避けれないな」


召喚されしは巨大な質量を持つ光の剣、それがレオンに向かって振り下ろされる。

その一撃はあらゆる魔法を受け付けない、故に防ぎようがない、必殺必中の一撃。


「ブリューナクっ!!!!」


自身に振り下ろされる光の一撃にレオンは自身にかけし魔力の鎧を解き手を下ろす。他人事のように眺めながら薄く笑みを浮かべた。

おそらく今泣いているであろう幼馴染に向かって


「お前の勝ちだ、親友」


目を覚ます、視界にはそれは満点の星空。


「レオン……」


「……フリューゲル、なるほど、俺は死ぬのか」


自身の状態を一瞬で把握する。

下半身が無く、両腕も肘から先がなくなっている。

生きているだけでも奇跡のような状態である。

いくら生命力が高く再生能力を持つ魔人だからといって、星の加護を受けた勇者の命刻魔法をまともに食らえばこうなるだろう。


「なぁ。フリューゲル」


「なに……っ」


レオンは瞳に涙を溜めている泣き虫の幼馴染に声をかける。


「俺はさ、この世界が、人間が憎かった、だから魔人になった、後悔はない、満足はしてるよ、でもさ違う道もあったのかもな、お前と肩を並べて笑い合う、そんな未来も……」


「レオン、ごめん」


「謝るな、お前は悪くない、正しいことをしたんだ、だろ、勇者様」


「でも僕はっ!」


「迷うな! お前はこの世界を守った、胸を張れ、そしてもう俺のような存在が生まれない世の中にしてくれよ、俺は地獄で、見ているからな」


意識が遠のいてくる、いよいよ死ぬのか、しかし心はとても穏やかで死への恐怖はない、後悔もない、やり切ったのだ。


「駄目だ、君は死なせない」


「……おい、何を」


「君を今から封印する、肉体はもう駄目だけど精神を封じ込める」


「なんだと……」


「君は僕が作る未来を見届ける義務がある、僕は君のような悲しい人が現れない世の中にする、君も未来で笑えるような、そんな素敵な世界にするよ、だからさ、少しだけ眠ってて」


「やめろっ! そんなことしてみろ、俺が全てを滅ぼしてやる」


「君の封印が解ける頃、きっと僕はもういないからもう、君を止める事は出来ない、でも必要ない気がするんだ、君には少し足りないだけだったんだ、君を理解してくれて、君を想ってくれるそんな存在が、きっと未来で出会えますように」


世界が閉ざされる。

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