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ブックマークありがとうございます!
気付いたら沢山の方に読んでいただけて…
完結まで頑張ります!
「はぁ………」
私は前にある黒板に書いてあった自分の席に座ってため息を吐いた。
そもそも、関わりを持たないって言うのが無理な話だった。
ヒロインと殆どの攻略対象者と同じ教室。これから毎日ヒロイン達の甘い生活を見なければいけないのね。障害である悪役令嬢もいない為、スムーズに進むんだろうなぁ。
…もう、保健室に入り浸ろうかな。あの声が聞きたい。
もう一度ため息を吐こうとした所で声を掛けられた。
「エレン おはよー」
「オリビエ!おはようございます」
オリビエ・レーガン。
私のお母様のお姉様の娘で、私の唯一の友達。
ラベンダー色の髪に桃色の瞳で、すっごい美人。いやもうね、芸術品レベル。なんで私と仲良くしてくれるのかわからないレベルでいい人。もうオリビエと結婚したい。…オリビエ婚約者いるけど。
「エレンよかったねぇ。学園来れて…。今日の朝もお母様と、大丈夫かな?エレン学園来れるかな…って話してたんだよ」
「大丈夫。馬車乗るまでお父様に、行かなくていいんだぞ。と言われ、お母様にぐずられて、そんなお母様をお父様が抱きしめてイチャイチャしてる間に馬車に乗ってきたから」
朝あった事を簡潔にオリビエに伝えた。
遠い目をしながら。
「あ…(察し)」
オリビエにすっごい生暖かい目で見られた。
「うん。エレンの所はずっと仲良いよね。いい事だと思うよ…。私の所も仲良いけどさ」
「ね。私朝ね 弟でも妹でも大歓迎ですって言ってお家出てきたの」
私は頰に片手を当てて呟いた。
「…それは、もう………ねぇ、私、今日エレンの家に行ってもいいかしら?」
「えぇ。もちろ…」
勿論と言いかけた所で教室がざわめいた。
何事かと思い、ざわついた方を見たらそこには金色とオレンジの鮮やかな色彩があった。
*
指定された教室に向かうと、先程欲しいと思ったピンク色の令嬢が居た。
見たことのない紫色の令嬢と一緒に。
「アイザック殿下おはようございます!」
「今日から同じ空間にいれること光栄に思います!」
「殿下!」
教室に入った瞬間人に囲まれてしまい、令嬢達が見えづらくなってしまった。
ざわついた事で気付いてくれたのか、こちらを綺麗な赤紫色で見てくれた。
その色に、纏う雰囲気がとても綺麗で見つめていたらさっと目を逸らされてしまった。
残念に思い視線を動かすと、もう一つ鮮やかな色があった。
水色。一瞬空に見えるくらい鮮やかな水色。
その令嬢は顔を赤くして俺を見ていた。
その顔をあのピンク色の令嬢にしてもらいたいな、と思いながらその令嬢を見ていた。
その姿を赤紫色の瞳が見ているなんて気付かずに。
*
一瞬目が合って、焦って目を逸らしてしまったけど、心配要らなかったみたいである。
その後何事もなく視線を動かしそこにヒロインを見つけると見つめ合っていた。
運命の出会いってやつかしら。
そう思いながら見つめ合う二人を見ていると始業を知らせるチャイムがなったのでそのまま二人から視線を外して前を向いた。
オリビエが私の隣の席に座って「よろしくね」と微笑んでくれた。
え、オリビエの隣で授業を受けられるなんて最高じゃない?
それにヒロインと王子様の出会いのシーンも見れたし、幸先の良いスタートね!なんて思いながら小さくガッツポーズをした。
教室は日本の教室みたいな感じで想像頂ければと思います。