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ブックマーク本当にありがとうございます!
私が馬車から降りて校門をくぐったらとても周りがザワザワし出したんですけど。
何故です?
そんなに公爵家の馬車が珍しい…って、そこらじゅう走ってますね。送り迎え用の馬車様が。
あれですか?悪役令嬢風にしてみたくて、馬車から降りる時に髪をふわって、首のあたりから払ったのがいけませんでしたか?
…はしたなかったですかね?
あれ?でも、アニメとかでやってる子いっぱいいたと思ったんだけどな…。
「うーーん」と唸りながら歩いていた。
*
今日から学園に行かなければならない。なんて面倒くさい文化なんだ。
父上は「早く婚約者を作りなさい。公爵から伯爵の娘のな」と煩いし。
まぁ、爵位さえ気にすれば、自由に恋愛出来るから良いとは思う。
でもこの国の公爵から伯爵家の娘とか見飽きた。社交界の度に媚を売ってくる令嬢達、壁の花と格好つけて此方を観察してくる令嬢達…。
その中から選べなんて難しい話である。
「なぁレオン。この国にいる公爵、侯爵、伯爵家の娘達と俺は、全員顔を合わせているだろうか」
俺は幼馴染で側近のレオンに話しかけた。
「うーん。どうでしょう?大体の年頃のレディ達とは会ったんじゃ…あぁ、ザックは見てないかな。幻の令嬢さん」
レオンは綺麗な緑色の瞳を細めて俺を見た。
……この顔に数多のご令嬢、ご婦人達は熱を上げているのか…。じゃなくて、
「幻の令嬢?」
「そう。幻の令嬢。ザックはそのご令嬢が参加したたった一回の社交界を欠席しましたからね。勿論僕は参加したけどね」
なんだと…?
幻の令嬢?そのご令嬢は他の令嬢とは何か違うところがあるのだろうか。
「えっとね、凄い可愛い子だったんだよね。ピンクっぽい髪の可愛いご令嬢」
その時、ふわっとピンク色が視界を染めた。
俺は思わずその色を目で追うとそこにはとても綺麗な女の子がいた。
…俺の視線に気づく事なく通り過ぎて行ったが。
…あの子だ。あの子が欲しいと思った。
でも、今までの社交界で見たことがない。
という事は高い身分ではないという事。
レオンが俺の視線に気づき、その視線の先にいた子を見て「あ、あの子だ…。凄い綺麗に成長してる…。これ、ガチで恋しちゃいそうかも」と、呟いていた事を俺は聞き逃していた。
俺達二人はしばらく彼女の去って行った方を見つめていた。
*
うーん。
ヒロイン…ヒロインってどんな子だったけ…?
確か、男爵家出身で空色の髪の毛にターコイズブルーの宝石のような瞳…だったハズ。
……うろ覚えなのは仕方ないと思うんだ。
だってヒロインって、数あるうちのスチルの中の数枚にしか写ってないんだもん。
そう思いながら教室に向かっていると、視界の端に水色が入った。
そうそうあんなーーーって、あれ?あの子がヒロインじゃない?
え、可愛いんですけど。小さくて、でも目が大きくて………あと胸も。
…犯罪じゃね?童顔巨乳とか。変なおじさんが集まってきちゃうよ。
童顔じゃないか。まだ15歳だもんね。童顔が普通だったわ。
目でヒロインを追っていると、私が目指していた教室に入っていった。
……あれ?同じクラス…………ん?
あぁ、そういえば、ヒロインとルイスは王族、公爵、侯爵、伯爵の子供達が集まるクラスにぶち込まれるんだったね。二人とも男爵家の者とは思えないレベルの学力があるとかで…。
うん?
………終わったくね?
上位貴族のクラスでしょ?
私→公爵
王子→王族
レオン→公爵
マクス→伯爵
ヒロイン、ルイス→優秀
もれなく全員同じクラス☆
やったね!じゃねーよ。
なんでこのゲームほぼ同い年なの!?
残り先輩二人に先生が一人。
推しキャラだった三人だけが違うクラス(そもそも歳が違う)。
関わりたくないんですけど…
同じクラスだと、回避不可じゃないですか…?