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「エレンちゃん 一人で大丈夫?寂しくない?行きたくなければ学園なんて行かなくていいのよ?」
「そうだぞエレン。パパがどうにだってしてあげられるんだぞ?」
朝から美形に囲まれる私。
エレンは私の愛称です。
お父様、お母様。私は馬車に乗りたいのですよ。
「大丈夫ですよ。お父様、お母様。私ちゃんと一人で行けますわよ?それに、王族の方々も行く学園です。公爵家の私が行かないわけにはいきません」
まぁ、関わりなんて持ちませんけど。
「で、でもぉ…お母さん、耐えられないわ。エレンちゃんと離れ離れなんて…」
お母様は悲しそうな顔をして下を向いてしまった。
「お母様。永遠の別れというわけでは無いじゃないですか。ちゃんと帰ってきますよ?毎日」
この学園は通いでも行けるのだ。
勿論寮もある。
だが、この両親が寮から通う事を許してくれるわけがなかった。
「……エレンちゃんは寂しくないのね。お母さんは寂しいわ…。だってエレンちゃんが居なくなったら私、一人じゃない?ウェルも毎日仕事だし…」
「ごめんね。マリーを一人にして…」
がばっと抱き合う両親。
……ご馳走さまです。
もう、そのままもう一人作っちゃえば?
ウェルことウェルノア。
私のお父様はこの国の宰相さんです。
イケメン宰相さん。
外交に行ったら、イケメン王様と一緒に色々簡単に条約など取ってくるらしいです。
マリーことマリエレ。
私の美人なお母様です。
お母様は公爵家夫人として様々な社交界に参加しています。
見た目や、所作の美しさから、高嶺の夫人と呼ばれているみたいです。
あとは夫人の鏡。
お手本にすべき夫人様というわけです。
そんな両親の間に生まれた私は、幻の令嬢と呼ばれているみたいです。
10歳の社交界デビュー以降、舞踏会や夜会などの社会に出ていないので、幻だそうです。
まぁ、過去一回しか出ていないのでね。仕方ないですね。
ゲームの私は王子様の婚約者だったので、そういうのには出まくってましたね。
王子様が呼ばれるんだから仕方ない。
まぁエレノアは自分が王子様の婚約者だと自慢したいだけだったと思うけど。
(ゲームなので憶測である)
「お母様。私も寂しいですよ?でも、色々勉強したいのです。学園が終わったら毎日すぐ帰ってきます。…ダメですか?」
私は上目遣いでお母様を見つめた。
お母様は私のこの顔に弱い。
「エレンちゃん!」
お母様はぽいっとお父様を離して私に抱きついた。
ぽいっとされたお父様、表情が、ずぅーーんってしてます。
……お母様。苦しいです。私の顔が胸に押しつぶされています。…柔らかいんで、無問題ですけど。
お母様は大変巨乳でいらっしゃいます。
私は、まぁ…スレンダーという奴です。
大丈夫。まだ15歳。まだ成長するハズ。うん。
「マリー?エレンが苦しそうだから離してあげて?」
あ、お父様立ち直りました。
「え、あっ。ごめんなさい エレンちゃん」
「いえ、大丈夫です お母様」
もう、お茶目さんだな☆なんてノリでまたイチャつく両親。
………。
毎日ゲロ甘ですね。
まぁ、福眼なんで全然苦じゃないんですけど。
「あぁ、時間が…。学園に間に合わなくなりそうなので、もう行きますわね。
…………私、弟でも妹でも大歓迎ですのよ?」
私はそうにこっと言うと馬車に乗り込んだ。
横目で真っ赤になる、両親を見ながら。
………家族仲が良いって良い事ですね。
その後
「エレンちゃん…もう、なんてこと言うのよぉ。でもあれかしら。お家に殆ど一人だから寂しかったのかしら…」
「ねぇマリー。本当に作っちゃう?僕的にも大歓迎なんだけど」
「え………ウェ」
マリーの言葉はウェルの笑顔に吸い込まれた。
………因みにここ、外です。
敷地内なんで外からは見えないんですが。