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遅くなってしまい本当にすみません!
いや、うん。
なんでこうなった?
「エレノア嬢。エレンってよんでもいーい?」
学園に着いてからずっとこの調子で私の隣にはサティがいる。
「何故ですか?サティ先輩」
「え?何故って、こんや…「やっぱりいいです!どうぞお好きなように呼んでください!」
「え?いいの?ありがとー」
サティはアイドルスマイルを浮かべて私の両手を握った。
……近いな……。
「エレンはさ、僕の申し出、受けてくれる?」
「……え」
答えようとしたら前からガタンっと大きい音がした。
………殿下が何やら音を立てて立ち上がったようですね。
何をやっているんでしょうかね。
「サティ先輩。ありがとうございます。でも、まだそんな事を考えることが出来ないので、少し時間をいただいても大丈夫でしょうか?」
推しと結婚?やべーだろ。
私夢女子じゃないのですけど!?
「うん。わかった。ちゃんと考えておいてね?エレン」
サティは天使の笑顔を浮かべて教室を出て行った。
…………サティの笑顔の破壊力ぱねぇ。
どうしよう。動機が止まらないわ。
*
エレンと別れてから口元がにやけるのを止められない。
エレンって呼ぶ許可が貰えたし、ナチュラルにエレンと手も繋いだ。
僕が"申し出"って言ったら王子様反応していたから、ちゃんとそっちまで話が通ってるって事だよね。
王子様 あらかさまに音出して立ち上がっちゃって。かーわいいね。
早く行動に起こさないからいけないんだよ。
もたもたしてると僕がエレン 攫っちゃうよ?
*
なんだ。なんなんだ。何で!!!
エレノア嬢とノーチェ先輩が仲良く話していて、ノーチェ先輩がエレノア嬢に婚約を申し込んだって聞いて、エレノア嬢がノーチェ先輩にエレンって呼ぶ許可を出していて。
思わず音を立てて立ち上がってしまったが、何も言えなくて。
どうすればいい?どうすればエレノア嬢を繋ぎとめられる?どうすれば、エレノア嬢に俺を見てもらえる?
どうすれば……。
俺も婚約を申し込み……いや、王家からそんな話をしてしまっては強制力が強すぎる……。
どうしようかと悩んでいたら、目の前にグレイシー嬢が立っていた。
やっとヒロインが動き出します。
王子も動き出さないとサティに取られちゃうんじゃね?って最近思います……。




