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やっとライアンさん登場です





どうもこんにちは。

つい先程殿下を見つめて耐性つけてやると、意気込んでいたアホノアです。

やっぱり無理でした。

殿下…というかあの嬉しそうな目を見過ぎて体調を崩しました。あれですよね。側から見たら私と殿下が見つめ合っているわけですよね。なんとなく今なら口から砂糖を吐けそうですわ。


そんなわけで、私。


合法的に保健室に来ることができました!

ね。もうね。扉を開けた先には最推し様がいらっしゃるわけですよ。

んで、開ける勇気がなくて扉の前に立ち続ける事早20分。体調悪いのに何やってんだ私。…そろそろ入らないとですよね。

わかってます。わかってはいるんですけどね。え?皆さんも無理ですよね?だって扉を開けた先には自分の好きな人がいるわけですよ?控えめに行っても無理みが強いです。


………。

開けるよ?開けちゃうよ?

そう扉に手をかけようとした瞬間に扉がひとりでに開いた。

「え?」

すると私の視界は扉から白色に変わった。


「あ"?」

「……え?」


さ、サティ!?

サティくんですか!?


「おい。いきなり睨むのをやめろ」

ばしっと誰かがサティの頭を叩いた。

見上げるとそこにあったのは赤色。


「え"」

あ、やばい。令嬢らしからぬ声が出た。


「ぶふっ。ニアの方が怖がらせてんじゃん!!うける」

サティは笑いながらサルニア先輩の背中を叩いていた。


「サティ?サルニア?何してるの?」

次に現れたのは程よいバリトンボイスに茶色の髪。


「ひゅっ」


とりあえず私はその場で意識を手放した。

いや、だっていきなり同時に3人て……。


「え!?あ、ちょっ」

慌てた誰かの声が聞こえて、誰かに抱きとめられた………気がした。





「ニアー。そろそろ戻る?」

僕は見た目に似合わず優しいニアことサルニアを呼んだ。


「ん?あぁ。そうだな。じゃあ先生 戻りますね」

ニアはそう告げて席を立つ。

「うん。いつでも来なよ?」

ライアン先生はふわっと笑った。

先生の声はバリトンボイス。

雰囲気と声があっていない。


「うん。いつでも来るよ。だって教室に居たくないもん。女子どもが煩いから。それに男子もうるせぇからね」

「サティはよく声と言動があってないって言われない?」

「言われるよ。でもそれは先生もでしょ?」

ふふっと笑って先生は誤魔化した。

「サティ。人から好かれる事はいい事だよ」

「いや、あれは…女子は只の愛玩動物に対する態度で男子は妬みだから」

ホントやめてほしい。

何が「サティくん可愛い!」だ。

誰がお前らに名前を呼ぶことを許可したって言うんだ。男子共もである。「サティはいいよね。何もしなくても女子がやってくれるもんね」じゃねーよ。


「それでもいいじゃ無いか。サティは人から話しかけて貰える」

ニアが視線を下げて言った。

「すみませんでした。……でも、ニアには僕がいるでしょ?それじゃダメ?」

「ふふっ。私。私もいるよ?」

僕と先生はニアの頭をぽんぽんと撫でた。

先生は余裕そうに。僕は背伸びをして。

……先生もニアも背が高すぎるだけだもん。

僕が小さいわけじゃない。


「ありがとう。2人がいなかったら俺…」

うん。多分寂しすぎて死んでるな。

兎みたいな見た目をしているのは僕だけど、兎なのはニアである。


「さ、行こう ニア。多分そろそろ担任に怒られるよ」

「だな」

サボりすぎは良くない。

ニアは3年なので尚更である。


そう言って俺は保健室の扉を開けた。


其処には不思議なピンクの髪色で恐ろしいくらい綺麗な顔をした女の子がいた。


思わず「あ"?」と声が出た。

その女の子は「え」と言って俺の顔を見て固まった。

その後に出てきたニアを見て「え"」と、令嬢らしからぬ声を出し、面白いなコイツ。と思っていた所で先生が出てきた。

すると「ひゅっ」と喉を鳴らしてその女の子は倒れた。

思わず受け止める僕。

柔らかく軽い身体に良い匂い。

女の子ってこんなに壊れそうな身体してたっけ?と抱きとめて思った。


「あら。大変だね。サティ そのままその子ベットに運んでくれる?難しかったらサルニアに頼んでね」

「は?これくらい運べますぅ」

僕はそのままその子を横抱きにして落とさないようにベットに運んだ。

先生は扉の外をちらりと見てから扉を閉めてかちゃりと鍵をかけた。

なんで鍵を閉めたのだろうと思いながらニアを見ると、すんごくワタワタしていた。


「……とりあえずニア。落ち着け。この子、ただ気を失っただけっぽいから」


彼女の頭を撫でながら僕はニアに言った。







お読みいただきありがとうございました!

これで一応ゲーム上の攻略対象さんは全員出た…のかな。

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