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【小話】ジングルベル


クリスマス小話になります。

本編でお出掛けの途中なのに。ですが。

…………なんとか間に合った。






「ジングルベールジングルベールっすっずっがーなるぅー」

「………」

「すっずのーりずっむーに光っのわーがまうっ」

「……エレン?それ、なんの歌?」

「ジングール…え?」

「そんな歌、聞いたことないんだけど、何の歌?」

「Jingle Bellsの歌」

「じん…何だって?」

「Jingle Bells(めっちゃ発音いい)の歌」

「…うん。もういいや。で、何でその歌 歌ってるの?」

「クリスマスだから?」

え?この歌クリスマスの歌だよね?

「うん。今日はクリスマスだよね。で、その歌どこで覚えたの?」

何処って……あ。

「え、えっとぉ…遠い異国?」

間違ってないよね?

「エレン。国外に出たことなんてないよね?」

「の、本のような気がします」

「ふーーん」

オリビエさんの笑顔が怖いです。

「まぁいいや。その曲、リズムが好きだから、全部歌ってみてよ」

「え?あぁ、うん。任せて」

そして、私は意気揚々に歌った。





私はその日、夢を見た。

遠い、遠い昔の夢。



「ただいまーっ…て」

「私以外誰もいないんだけどね」


今日はクリスマス。

家族や友人、恋人と暖かい部屋でゆっくり過ごす日。

まぁ、毎年仕事なんですけどね。

一人暮らししてるから、両親は遠くにいるし、友人は自分の家族と一緒に過ごしてるから無理。恋人なんて、いない。年の数=彼氏いない歴である。


「まぁ、いいや。今年はコレがあるもんねー」

私は最近ハマった乙女ゲームを取り出した。


「このゲームのキャラ達とクリスマス過ごすからいいもんねー」


誰だ。寂しいやつって言ったの。

私は寂しくなんてないぞ。


『メリークリスマス。今日はクリスマスだね。…二人で何して過ごそうか』


画面の向こうの彼が喋る。

私を見て、喋ってくれる。

だから、寂しくなんてないもん。


『…今日は、家で、ゆっくり二人で過ごそうか』


()がずっと抱きしめて温めてあげる』


『大丈夫。一人じゃないよ』


このセリフを言ってくれたのは、誰だっけ?

クリスマスと全く関係ない言葉。

でも、その時私が一番欲しかった言葉。



そこで私は目を覚ました。


「…あら?エレンちゃん おはよう」

目の前には麗しのお母様が。


あぁ、私、ソファーで寝てたのか。


「エレン。お歌歌って疲れちゃった?」

オリビエもこちらを見てきた。


「エレン おはよう? これからクリスマスパーティーだよ」

お父様が優しく笑う。


「エレノア。起きたならこっち手伝え」

兄様が私を呼ぶ。


あぁ、わたしの周り、人がいっぱいだ。


『大丈夫。一人じゃないよ』


うん。そうだね。今の私は一人じゃないね。


…でも久しぶりに見たな。前の夢。

でも、何であんな夢見たんだろう。

Jingle Bells 歌ったからかな。


「エレノア?」


「あ、ごめん。今行く!」

私はソファーを飛び降りた。




これはエレノアが攻略対象達に会う、少し前のお話。





クリスマスあんまり関係ない……?

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