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増える疑問点

「どうだった?何かわかった?」


「余計にわからなくなった」




人間と魔物の魔力が混ざりあったものに感じたことや、似た魔力をユーゲンのときにも感じたこと。

それを話すと盛大に顔をしかめられた。




「え、私?ユーゲン?あれと同じなの?」


「おい」


「う、ごめん」



咎めると、頭を切り替えたのか真剣な顔になる。






「人間と魔物、両方の魔力を感じる、か。どういうことかな。

ゲルハルトの言う通り、実は双方に大きな違いはないのか。もしくは異形の人たちは双方の血を引いているのか。…考えたくないけど。

後者の場合、ユーゲンも魔物の血を引くことになる。それは嫌だな。異形の部位を持つ親戚とか1人も見なかったんだけど」





一度伸びた眉間にまた皺を寄せるマーツェ。


双方の血を引くという可能性は考えてなかったなとマーツェの言葉を脳内で吟味しつつ、ユーゲンが嫌う可能性を補強する情報を出す。




「マーツェは褐色肌の村の者にも特徴があることに気づいていたか?人よりも背が高かったり、手が大きかったり、その逆だったりする、言われれば気づく程度の特徴だ」


「え?気づかなかったな。そういえばそうかも。あの村の人たち…」




言いながら、だんだんと苦い顔になる。




「ユーゲンにも当てはまる?これ」


「そうだと思う。ユーゲンは背が高かったろう。力もやけに強かった。どこかでベスツァフ達一族と血が繋がっている可能性もある」


「…そう、だね。先祖を完璧に把握してるわけじゃない。わからない部分もある。否定はできないな」












結局、情報は増えたが疑問点も増えた状況。

話し合っていても結論が出ることはないので出発することにした。




根城のある森から、北方面へと移動していく。

村へ立ち寄り、対処に困っている魔物がいれば倒し、怪我人には治癒を施す。


マーツェからの要望で治癒を速める魔具も渡している。

当初の条件にはなかったはずなのだが。




近隣の村で魔物に困っている話があればそちらへ向かい、なければ北へ進む。

そのうちに魔王城と王城を結ぶ直線上に当たり、王城のある東方向の村へと行く。

王都近辺は兵士がまとまって待機しているため、途中で引き返して今度は魔王城に向かって西方向へ進む。


うろうろと魔物を倒し治癒を施し、合間に調査もする日々。

新しい情報はあまり入ってこない。



腕が立つ者は大抵勇者を目指して魔王城へと向かう。

そんな中で、村人を襲う魔物を倒し助けることを目的に動いていると、聖人のごとく感謝される。


私は何をやっているのだろう。


複雑な心境の私とは違い、マーツェはとても嬉しそうだ。



ときには防壁や畑の復旧なども手伝わされる。

しばらくは直してもまた壊されるというのに、マーツェは口も手もすぐに出す。

魔力移動で植物の育ちがよくなるのだとか、すぐに直せるからやっていくよだとか、止める間もなく声をかけていく。


とんだお人好しだ。








とある村では人探しまで頼まれた。

食料を取りに森へ行ったまま息子が帰ってこない。探してきてほしい、と。


魔王が立っている危険な時に、しかも一人で森へ行くなんて自殺行為だ。


私は呆れて息を吐いたが、マーツェは快諾する。

息子の特徴を聞いてすぐに森へ向かった。

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