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うろたえる半面

ズィリンダたちのいる褐色肌の村と、結界で隠されている“外”の村。

その関係性を聞く条件として持参した、補助する魔法だ。


バウムが助け船を出してくれて掴んだこの機会。

物にできてよかった。










成果を出せた安堵感と、目的を果たせる期待感。

先を促す私に反し、半面は戸惑ったようにこちらを見る。




「…今のはなんですか」


「今の?」


「今、結界を壊したのですか」


「そうだな」




眉根を寄せ、半面の目が不安気に揺れる。




「結界は壊せるのですか」

「壊せない魔法など無いに等しい。術者以上の魔力をぶつければ大抵の魔法が壊せる」









知っている例外は呪いくらいだ。


その中でも更なる例外。

術者を殺しても効力が継続する規格外の呪い。




どうすれば解呪することができるのか。


長そうな道のりを思って溜息をつく私に、半面は狼狽えた声を出す。




「困ります。結界が壊されて、我々の村が危険に冒されでもしたら…」


「有り得ないと言っていい」


「え?」


「壊すにしても位置が不明。そもそも人間はこの付近に足を踏み入れない。そして結界を壊すには相当の魔力を要する。技術者が集まる王都でも可能な人間は限られるだろう」










単純な魔力勝負で破壊するには、一回りも二回りも上回る魔力量が必要になる。

同程度では不可能なのだ。


そして、単なる結界ならともかく、音も姿も遮断する質の高い結界。

結界張や王族警護を任されるような上位魔法使いなら可能だろうか。


しかしそいつらは王都、もしくは王都付近の村に縛り付けられる職務であり、こんな僻地に出向くことなどまず無い。



隠れた村の結界が壊されることなど無いだろう。




「そ、うですか…」



安堵に体の力を抜く半面。




隠れた村の魔法知識はだいぶ遅れているようだ。


村に結界を張り、半面もごく簡単な魔法は使える。

しかし魔法陣を見たことがなく、結界を他者が破壊できることも知らず、平均的な魔力消費量も知らなそうだ。



人類が魔法を安定して使えるようになった頃の、古代文明に似た知識水準だな。

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