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3年ぶりの魔法

彫り終えた日、俺は今までになく高い熱を出した。



ぐらぐらと煮え立つような気分。

意識が判然としない。








熱に浮かされる中、じいちゃんが頭をなでてくれた気がする。




「ゲルトはすげえなあ。よくがんばった」







へへ。

本当か?

俺、じいちゃんみてえな魔法使いになれるかなあ。





頭をすべる手の感触が気持ちいい。

リグンドじいちゃんの、枯れたようなかさかさした手。

熱の熱さがやわらぐ気がする。





熱が引いて起き上がってみたら、別の体に生まれ変わったかのように軽く感じた。



なんか、俺、いける気がする!






魔法を使うのは3年ぶりだ。

この3年、痛みに耐えるか熱に浮かされるかだった。


苦しんでいる間に背も伸びていたようで、じいちゃんとの目線が近い。




「ゲルト、体の調子はえいか?熱はないな?」

「おう。絶好調だ!」

「ほうか。それはええ。じゃあ試そうじゃねえか」




魔法の練習に使っていた広々とした原に出る。

ここも懐かしいな。




「どんな具合かわかんねからな。軽めに魔力を練ってみい」




緊張しつつ、慎重に魔力を練り始める。


3年も何もしてこなかった。

ただでさえない腕が落ちてやしないかと思ったが、すんなりと動いてくれる魔力。

動きが滑らか過ぎて、あっという間に想定以上の魔力が練られていて驚く。




「よしよし。えい感じじゃねえか。そのままぶちかましてみい」




暴発する気配は微塵もない。

自分の手足のように思ったとおりに動かせる。


結果としては大成功だった。

魔力量から得られる威力が段違いだ。


少し抉れてしまった地面。

暴発していたのが嘘みたいに綺麗に制御できる。



最高だ。





苦しみに耐えた3年の反動もあり、夢中になって魔法の特訓をした。


やればやるほどに腕が上がるのを感じる。

今まで挑戦すらできなかったことが容易くできる。

際限がなく感じるくらいに魔法を使える。




今までどんだけ効率悪い使い方をしていたんだろう。




なんて調子に乗っていたら、覚えたての転移魔法を使いすぎて戻れなくなった。

ここで野宿か?なんて半泣きになっていたらリグンドじいちゃんが迎えに来てくれた。

拳骨とともに「手間かけさすんじゃねえ。ばかもん」という言葉。



迎えに来てくれた事実が嬉しすぎて笑ってしまった。

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