表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/201

旅の誘い

その場で魔具を受け取り、青年が聞き出したかった情報を話す。



「お兄さんの腕に魔法陣を掘った人がいるでしょう?その人に会わせてほしいんだ」


「もう亡くなっている」





遠の昔に別れを訃げた。

私の心の拠り所。





「そうなんだ。残念。じゃあその人の知り合いは?兄弟弟子とかは?」

「知らないな」




そんな話を聞いたことはないし、そもそも健在はあり得ない。





「そっか。残念だな」






この取引は果たして釣り合っているのだろうか。


魔具を受け取った私。

大した情報を受け取っていない青年。






少し考えるように黙っていたが、


「ねえお兄さん。一緒に人探しをしない?」


と訳のわからないことを言い始めた。




白けた目で見る私に構わず軽やかに話を続ける。



「お兄さんのお師匠さんの知り合いを探したいんだ。探せば見つかるかもしれないよね?それか他の魔法に詳しい人でもいい。類は友を呼ぶっていうし」


「なぜ私が付き合うことになるんだ」


「魔法の研究してるんでしょ?ここの図書館じゃすぐに行き詰まるよ。どっちにしろ探す必要がある。ボクと一緒なら助言ができるよ。体系的なことは理解してるから」



任せて、と青年は軽く胸を叩く。





じとりと睨みつつ、小さな心の揺らぎを感じる。


閉じ籠っていた期間の長さ故か、今現在の魔法知識が足りていない。

私一人で修練をつむのは、確実に遠回りすることになるだろう。

体系的な知識があるのとないのとでは研究成果はきっと大違いだ。






「お兄さんの悪いようにはしないよ。なんなら簡易魔法で誓いを立ててもいい。一緒に行こうよ」






ふう、と息をつく。


「誓いは必要ない」



不愉快ながらも交わした何度かのやり取り。

ある程度信頼できる言動だったと判断する。





「わかった。行こう」



益になることは間違いない。

共に行動することが耐えきれなくなれば逃げてしまえばいい。




「本当?本当だね!ボク聞いたからね!」



目をパッと見開き喜んでいる。




「そうだ!ボク、ユーゲンっていうんだ。お兄さんの名前は?」

「…ゲルハルトだ」

「よろしくゲルハルト!出発はいつにしようか?20日後くらい?もっと早くても平気?ボクはいつでも行けるよ。準備万端だよ!」

「…そうだな。10日ほど時間をもらおうか」

「わかった!じゃあまた図書館で会おう」



そう告げるや嬉しそうにどこかに走っていった。

相変わらずずうずうしい野郎だ。



なぜだか脳裏に緑の瞳が浮かんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ