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歌と繋がる情報

「先祖が残した魔法陣と我ら、ね。ヘフテが持ってる魔具は先祖が作ったのかな。ダモンの村にも置いてあるのか?似たような魔具は」


「あるよ」



ダモンは頷く。







「頼まれて作った。居場所を奪われた。先祖が作った魔法陣。


…ねえ、ゲルハルト。王としての心構えや教訓が記された資料のこと話したでしょ?私が、シュワーゼが処罰される原因になったやつ。あれと繋がってこないかな。考えが浅いかな。強引かな。


王が命じて作らせた発明がヘフテの魔具。歌に入ってる魔法陣のこと。黒色肌の部下が追い出したのが先祖。先祖は人間に殺された。先祖の仇を討とうと魔物が人間を襲う。


王が自責に駆られた争いの始まり。長く続く魔物と人間の対立」









マーツェの発言した説を、明確にそうだと判断できる情報はない。

しかし余りにも綺麗にはまってしまう。






黒色肌の部下によって、王の元から追い出された者を先祖だと仮定するならば、他の事象にも仮説が立てられる。



魔物に攻撃の意思はないことを伝え、襲われることを防ぐ魔具。

裏切った行動を取ればしっぺ返しを食うし、態度が見合わなければ信用されない。


魔具使用者のいいように魔物を操れるわけでは決してないが、その性質を詳しく知らない物からすれば脅威的な魔具である。


もしも魔物を従えて脅されたら。

恐怖を感じ、発明者を追い出しにかかってもおかしくはない。



そして、そんな危険な魔法陣を王が命じて作らせたという事実は、後世に残してはならない汚点となるだろう。

民に責められ、王の権威は失墜する。


それを防ぐために魔法陣を禁止し、長らく“悪魔の技術”として触れてはいけないものとなっていた。

そのために王都では魔法陣の研究は遅れたし、魔具も出回らなかった。





また、先祖を裏切り殺したのは、王族周辺が原因だと言える。


発明を命じたくせに庇いもしない王。

処罰し居場所を奪った王の部下である黒色肌。


人間全般に対してではなく、王族憎しになるのも納得できよう。


だから魔物は、魔王は、常に王都を狙い、人間の滅亡は目的としなかった。






そうだ。

ユーゲンやシュワーゼの頃の王が、やたらと怯えて自分の周りだけ戦力を固めていたのも説明がつかないだろうか。



魔物と人間を争わせてしまった遥か先祖の王。


魔物が恨んでいるのは王族周辺だ。

王である自分など正にだろう。


仮に魔物が王都を攻め込んできても生き残れるように、治癒師を周りに集めていた王。

魔物に対する戦力をあげるために、兵士にも魔法訓練をさせようとした王。



いや、兵士に魔法訓練させようとしていたのは魔王を倒した後だったな。

ならば、民に対する警戒かもしれない。


万が一民にその事実が知られれば謀反の可能性も考えられる。

いや、民にまで知られることはあり得ないが、王城を動き回る官吏に知れることはあるかもしれない。




一度不安に思ってしまえば、そこから抜けることは難しい。

民が力を持たないように魔法学校の教育を規制。


魔法学校で成績が良い者は官吏となって王城勤務になることも多い。

官吏の力を削ぐことにも繋がる。


そして、少しでも疑わしく思えれば官吏を処罰。








様々なことが綺麗に説明できてしまう。













「…間違っているとは言い切れないな」




正しいと断言することも現状はできないが。






「そうだよね。でも近づいてるよ。確実に前進してる。もうちょっとでわかる気がする」




魔物と人間が対立するに至ったその事由。

呪いとは関係なしに知りたいとかつてシュワーゼが言っていた謎。

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