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旅への同行

翌朝、朝食を5人で食べながら再び子供らの話を聞き出す。


子供らは2人で転々としていてこの森まで来たという。



どうやら家出をしてきたようだ。

危険極まるこの時期に。



野宿や、他人の家に宿泊させてもらいながら数カ月とかけて移動してきたらしい。

子供だけで旅するのは止めたほうがいい、この村に留まりなさいと途中何度も引き留められたが、それを断りこの森まで来ている状態。




何か目的があるのかと聞けば、そういうわけでもないらしい。

明確な答えは返ってこなかった。











当然、とんだお人好しな男は同じような声をかける。




「魔王が台頭しているのは君たちも知っているだろう?大人だって怪我をするんだ。子供2人では危険だよ。俺の村に留まるといい。母が喜んで世話をするだろう」




それに対して、こともなげに首を横に振る褐色肌の子。




「平気。留まりたくない。…そっちも旅してるんでしょ?」




私とマーツェを指す目線。

マーツェがずいと体を前にずらして話す姿勢になる。

それに押されたのか面の子が少し後ずさった。




「うん。旅してるよ。でも人助けが目的だから。私たちは。魔物を倒して、治癒を施す。少しでも被害を減らすんだよ。魔物の、魔王からの被害をね」




私を一瞥してから褐色肌の子が口を開く。




「一緒に行く」


「え?一緒に来るの?君たちが?」




困惑に調子はずれな声を出すマーツェ。

どうしたものかとマーツェと顔を見合わせると、横から男が口を出す。




「止めたほうがいい。この人たちは腕が立つが、君たち幼い子を守りながら旅するのは大変だろう。それに魔物を倒すことが目的なら危険な地域へ足を踏み入れることも多いはずだ。君たちが付いていくのはよした方がいい」


「ううん。この人たちがいい」



しかし男の言葉には耳を貸さず、即座に首を横に振る。




「どうして?2人だったんでしょ?2人で旅してきたんでしょ?これからも2人の方がいいんじゃないか?推奨はしないけど。危ないからね」




疑問をぶつけるマーツェに褐色肌の子は押し黙り、少しして私に近づく。

声を潜めて、耳元で呟かれた言葉。




「お兄さん、あの子と一緒でしょ?お兄さんに、付いて行きたい」










面で顔を隠しているからか、フードと面で容姿を隠している子と仲間だと思われているようだ。



都合がいい、のだろうか。



仲間意識を持たれているのなら、いろいろと聞き出しやすくはあるだろう。


ただ、子供を連れて旅するのは至極面倒だ。

1人ならまだしも、2人。




見た目から判断するに、好奇心でふらふらと勝手な行動をしそうな年齢である。

それが原因で不都合を被ることもあり得るだろう。


男を村まで送り届ける間で情報を引き出し、その後は別れるのが一番良い策に思える。




答えない私を見つめる褐色肌の子。

その背中に隠れるように面の子もこちらを見ている。










「まあ、いいんじゃないか?」



子供らの様子を窺っていたマーツェが答えを返した。





「懐いてるみたいだし?なんでだかゲルハルトに。謎だけど。何とかなるんじゃないかな。そんなお荷物じゃないはずだ。今まで2人旅やってたならね。それなりに対処できるってことでしょ?魔物に対して」


「うん。できる。お荷物には、ならない」






親切心だろう、何故か男が猛反対したが、マーツェと褐色肌の子の意見で子供らが付いて回ることに決まった。

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