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イケメン系幼馴染みがいる私は恋をしてはいけない  作者: 鷹峰 蒼煌
第1章『幸か不幸かの出会い』
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1話【イケメンチートな幼馴染みと普通な平凡系女子な私】

________「おはよ!皐月!」


キラキラ眩しい笑顔。


透き通ったクリアボイス。


サラサラと風に靡く黒色のショーットカットの髪。


そのすべてが爽やかで美しい。


対して私は……



「ん。おはよ、千尋」



無愛想に薄く微笑むことができるだけだ。


それなのにこのイケメンは満足そうに、いや、満足どころか嬉しそうに笑ってる。意味がわからない。まぁ、いい。この幼馴染みは、私の理解を越えるくらいのイケメンなのだろうから。こんな、愛想の少ない微笑みに嬉しそうにしてるくらいなんだから、どれだけ器が広いんだって話だよ。


そんなことを考えながら私は、このあり得ないくらいのイケメンさにジトーッと隣の幼馴染みを見つめている。とうの幼馴染みは不思議そうに首をかしげながら微笑むのみ。くっ!この仕草ですら様になるなんて…っ!


この幼馴染みは本当にイケメン過ぎて困る。


___________あっ、ちなみに女子ね?






*






___________「おはよー!」



「あっ!おはよ!千尋!」


「千尋じゃん!はよー!」


「ちーちゃん!ちっす!」


「ちひろぉん!!おーはーよー!!」



_______このイケメン、教室に入る時にいちいちみんなに挨拶をする。


そしてその瞬間、みんなのキラキラとした視線が千尋に集中し、こうした挨拶合戦になる。


また、千尋はどんな人でさえ仲良くなり、名前呼びの仲にまで発展させることができる。


どんなに暗くていじめられっ子のような子でも、

どんなに静かで読書ばかりするような子でも、

どんなにコミュ障でオタク系の子であっても、

逆にどんなに明るすぎて皆にひかれる子でも、

どんなに愚痴を言いまくる悪女であっても、

どんな人とでも千尋は仲良くなることができる。


それは生徒に限ったことではない。


先生ですら、千尋の虜。


みんな何かあれば千尋をたより、千尋をベタ誉め。どんなに頑固な先生ですら、千尋を何だかんだ好きになる。


ただ、千尋は嫌われたことがないわけではない。

数回、そういう完璧さに嫌悪感を抱いて煙たがる人と出会った。しかし、千尋はそんな人ですら虜にしてしまった。誰でも必ずはどこかで話す機会が訪れる。そんなちょっとした機会に千尋はそういった人たちを魅了していった。


そして今、千尋はクラス、いや、学校の人気者の座にいる。


恐ろしいほどのチートな主人公体質。


客観的に見れば、あり得ないくらいの天才。


天才を越えて天災にだってなるかもしれない。千尋はどんな人ですら魅了でき、どんなことですら完璧にこなす。そんな人であれば、簡単にこんな世の中なんて変えられるだろう。


まぁ、千尋はそんなこと考えてないと思うけど。


あぁ見えて、呑気なところがある。


自分の能力を過信しておらず、ただ普通に生きてるだけって感じだ。


ただ、その普通に生きてるだけでもチートな天才肌の千尋は一般人では想像できないくらいの華々しい人生へと変わる。



「?皐月?どうしたの?そんなに私の顔をじーっとみつめて。はっ!もしかして、何かついてる!?」



ぷっ。


こういうところはちょっと抜けてるなぁ、天才ちゃんよ。


なにもついてないぞ~。


これもまた鈍感ハーレムチート主人公ってやつ?


これだけ天才なのに鈍感なら面白いものだ。


‥‥‥‥ん?いや実際にそうか。


こいつ、他人の好意に告白されるまできづいたことないじゃん。



「ちょっ!?皐月!またじーっとみつめてる!

何かついてるならとってよ!どこ!?」



っもう。またバカらしいことを。


せっかくのイケメンがもったいないじゃんか。



「あー、はいはい。千尋のバカさ具合について考えてただけ」


「ばかぁ!?」



ガーーンっとショックを少しも隠すことなく、表現している。


私が幼馴染みで良い意味で気が抜けてくれてるのか、こういったことは素直に反応してくれる。


ただ、それがそのイケメンフェイスに合わないくらいの馬鹿みたいなオーバーリアクションをしてくるから私はおかしくてたまらない。


こんなスーパーな幼馴染みがいれば、凡人な私は比べられて影でこそこそ言われ、妬まれて嫌われるなんてことが多々あるけど、それでもこういった面を見ることができたり、逆にこんな幼馴染みがいて誇らしくもある。一緒にいて楽しいし、中毒性のある幼馴染みなのだ。


ちなみに私はたしかにこのイケメンに魅了<<友情>>されてはいるが、魅了<<恋情>>はされていない。



「馬鹿って酷いなぁ、皐月。せーっかく、良い情報持ってきてあげたのにさー」



今度は私がジトーッと見られる。


馬鹿って本当のこと言っただけなのにって、良い情報‥‥‥?


ここ最近、なにかイベントごとでもあっただろうか?


一番近いイベントなんて考査くらい‥‥って!嫌なこと思い出しちゃったじゃんか!



「えっ?なんで私が睨まれてるの?私が睨む側でしょ!?えっ!?ちがうの!?」



‥‥‥‥やっぱり、馬鹿だ。


私の前だけにしとけよ?その馬鹿さは。せっかく千尋に惚れてくれた人とかもいるんだから、失望とかさせてやらないようにな。まったく。



「んで、良い情報ってなに?」


「ふふんっ!知りたい?知りたいよね?」



にやにやとしながらこちらをこれでもかってほど見てくる。


イラッとした私は間違ってないはず。



「シリタイナー(棒)」


「棒読みっ!?」



棒読みで何が悪いのだ。


むしろ、ここで棒読みしなかったらいつ棒読みをするのだね。まったく、これだから素人は。


なんて馬鹿らしいことを考える。


逆に棒読みにタイミングとか素人とかあるのだろうか‥‥‥‥


自分でいっておいて謎だがおいておこう。



「とりあえず良い情報ってのはねー、

実はうちのクラスに転校生がくるんだって!」


「転校生‥‥?」



目をキラキラ輝かせて、ウキウキしながら話す千尋。


千尋はこういったことが好きだからなぁ。



「でねでね?その子の席は私のななめ後ろ。

つまり、皐月の隣っ!」


「えぇっ!?!?」



‥‥‥うそーーん。


私、こいつみたいにコミュ力高くないのに。


しかもこういうのって大体主人公の隣になるもんじゃないのぉ!?!?


なんでサブキャラ止まりの私なんかの隣に。


いや、そんなことよりも引っ掛かる。


‥‥‥‥なんだろう、これは。


なんか早く会いたいような、会ってはいけないような、そんなもどかしい感覚‥‥


あくまで"会ってみたい"ではなく"会いたい"。

そして"会いたくない"ではなく"会ってはいけない"。


甘く魅力的な毒のようなイメージ。


触れてはいけない甘い果実。


そんなクサイ台詞が私の頭のなかに浮かぶほどの何か。


勘はそこまで冴えてない私ですら、感じる何か。


なんだろう、とにかく今までの平凡な日常が壊れるような気がする。


そんな予感に、ごくりっと喉をならした。

~主人公~


新島<<にいじま>> 皐月<<さつき>>


性別 女


年齢 16歳


一人称 私


髪形 黒色の短い髪を下で1つに結んでる


瞳 ちょっとつり目ぎみの黒色


服装 <<制服>>

・灰色のブレザー

・白色のYシャツ

・黒色のセーター

・青色のネクタイ

・黒に近い灰色のチェック柄のスカート


学校 朝比奈女子高校


プロフィール

・何もかも普通より多少良いくらいの平凡な少女


・イケメンな幼馴染み(女子)がおり、いろいろと振り回されながらも隣にいることを気に入ってる


・特に色恋の経験はない

<むしろ隣にいる幼馴染みをみんな好きになっていくから、自分なんか誰にも好かれないと思っていて、恋する権利や意味などないと思ってる>


・ちょっと無器用であまり素直になれない


・なんだかんだ優しいのにお礼を言われることに慣れてない


・褒められることにもなれてはおらず、

感謝と共にどちらも言われると弱いというか

反応に困ってしまうタイプ


・どこか達観してる少女で自分を卑下しすぎな点もあるがリアリストな感じ


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