↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今より以上の空色に  作者: ハルカ カズラ
PR
2/9

2.自分の居場所


「最上瑞、3年ですけど現役でもないです」


 言わなくてもいい自己紹介。これが3年の在学中にようやく理解したこと。考えてみれば、社会人の時でも大して自分を紹介していなかったはずなのに、どうしてわたしは学生になってから自分のことを見せようとしていたのだろう。現役の子たちとの差別化を何となく感じてしまったのが正直なところなのかもしれない。


 現役じゃない。なんて、わざわざ言うことじゃない。言う子なんていない。自分から壁を作ってしまった、なんてことを友達の出来なかった3年目にしてようやく、気付いてしまった。それなのにサークルに入ろうとしてまたこんな紹介をするなんて、直ってない。


 これでまたみんなはわたしを、年上さんとして線を引いて話をするのかな。そう思ってた。


「現役じゃない……マジっすか! それって、社会人だったのに入って来たってことですよね? え、すげー! 最上さん、ウチの活動知ってて来たんですか?」


「え、えっと、確か異文化交流……ですよね?」


 わたしを出迎えてくれたのはどう見ても年下の、いや……年齢を気にするのは良くない。笑顔が爽やかな男子が、何の疑いも持たずに聞いてくれたのは素直に喜ばないと駄目だよね。


「そうですよ~。あ……って言っても、今いるメンバーはみんな同じ日本人ですけどね。最上さんは外国語はペラペラです? もちろん、全然言えなくても問題ないんでそこは気にしなくていいんですけどねー」


 イメージが違った。この時は失礼と思いながらも心の中で思ってしまった。もっとちゃんとした人たちの集まりだと思っていた。それがまさかの気さくな感じで、しかも受け入れが素直。もっと早くにサークルに興味を持っていれば良かったなあと思いながらも、今を感じていた。


「話せないと無理ですか? わたし、英語もあまり話せないので……」


「いえいえ~俺もですよ。要は気持ちなので! そうじゃないと、楽しくないじゃないですか。最上さんは社会人やってて、こういう交流の機会とかあったんすか?」


 全く無かった。と言うよりは、殻に閉じこもったまま部屋にも籠っていた。自分から誰かに話しかけることも無かった。気付かせてくれる人もいなかった。あぁ、そっか。会話ってこういうことだよね。


 学生生活3年目にして、自分に何が足りなかったのかようやく分かってしまった。今からでも遅くなければ、わたしはサークルに入って変わっていけたらいい。そう思えた。わたしは変わりたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。