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ライジング ブレット  作者: カタルカナ
物語の始まり
7/60

七発目

 気づくと俺は腹の辺りをぐるぐるに巻かれ、スクーター型の乗り物でひきずられ……引っ張られていた。その乗り物に乗る少女は焦りながらも目の前にある島に向かっていたようだ。


「……この状況は、なんだ?」

「ああ、まだ起きちゃダメそのまま寝ていてちょうだい」

「……いや、この状態でそんなこと言われたって無理なんですが」


 今は、なされるがままに引っ張られ、しかも焦っていて運転が乱暴だ。寝てろと言われて「はいそうですか」と……ん? ていうか俺、轢かれて誘拐されてないか? 目的は俺の弾丸か……やばいぞ早く逃げねば。


「うがああああああっ」

「うわ急に暴れ出して……ちょ、その体で無理しちゃ……あ、ほどけ……」

「ハハハ! お前の思い通りに誘拐されてたまるか! この弾丸はイチカという人に届ければならぬのだ! お前などに渡せるものか!」

「……! それ私だよ。イチカは私! あぁ、せっかく届けに来てくれた人を轢いたなんて……」

「……そんなウソに騙されるか! 俺ははっきりと届け先の事を聞いて………………いない!」

「嘘じゃないし……てか配達するなら聞き忘れちゃいけないでしょ!」

「いや! それでも渡すわけにはいかない! ……親方に確認しても……いいかな?」


 急に尻すぼみになり俺は親方に連絡を取ることを確認していた。


「……はあ、分かったけど、ちょっと待ってもうすぐ着くからそこで……ほら、島に入るよ」

「……お前、俺をアジトに……うわあああああっ」

「ヒャーーーーーッ」

「ギャーーーーーッ」


 そして島に飛び込む。イチカと自称する女は楽しそうに声を上げ、俺は絶叫を上げながら……。


 そして、島に到着するなりイチカに引きずられ、その島に建っている建物に向かっている。


『天に昇りたいならここに来い! イチカの弾丸マッサージ!』

「……なんだ、ここは」

「いいでしょ、私の店だよ。私ここでマッサージ屋をやってるの、特注の弾丸でマッサージするんだけど、ちょうどいい角度で撃てば、体の不調、全身のこりからむくみまで一発解消! まあ、銃口を向けられると怖がる人もいるけど、結構盛況でお客さんが来てくれるんだよ」

「あんまり受けたくない施術だな」

「そんなことないよ受けた人達は最初は怖がってたけど気持ちよかったって言ってくれて、また来るよって言ってくれてさ。顔を赤くして、ハアハア言いながらだったけど」


 どⅯばっかじゃねーか! てか、お前が目覚めさせてるだろ! てか、客層偏りすぎるだろ! 


「それじゃあ客が婆さんや子供の時はどうなんだ」

「え? 子供とお婆ちゃんがさっきの感想を言ってくれたんだよ」


 ガキとババアがドⅯだったのかよ!


「それでさー、施術が終わるとお婆ちゃんは『これでホームの野郎どもに……ありがとう』って笑顔で言ってくれてね」


 ……危険なババアだな。ホームの連中も優しくしてなかったのか……まあ自業自得か。


「子供達もさ『これで元気になったよ……もっと僕の……大きくなったらまた来るね。……今度はフフッ、楽しみにしてて……なんてね』って、私を見ながら言ってたんだよね。成長して大変なことや辛いことがあって、ほぐされたくなったらまた来てねって言ったら、少しニヤってしてたね」


 ……子供は違うところが元気になってる気がする。


「……お前、気をつけておいた方がいいぞ」

「……何に? こんなところに強盗なんか入ってこないよ」

「そうじゃないんだが……ひとつ言っておく、客にどこかに行こうと誘われたら行かない方がいいぞ」

「なんで?」

「……お前のためだ」


 可愛らしく難しい顔をしながら、少し考えてイチカは答えた。


「……分かった、頭に入れておく」

「その方がいい」


 そう話しながら建物の中の一室に連れてこられていた。最後の方は歩いていたが「まだ引きずられてなきゃダメだよ」と、言われたがどう考えても引きずられた方が体に良くないと思うので、俺はそこら辺にあった台車に乗り運んでもらった「女の子にこんなもの押させるなんて……」と言われたが、ここまで引きずって来たのにどの口が……と心の中で言いながら運ばれる。


「……で、ここは?」

「私の部屋だよ……なんか悪かった?」

「いや悪くないんだが……初めてあった男を自分の部屋に入れてもいいのか」


 それを、少し小声でイチカが答える。


「……もちろん、初めてだけどせっかく運んできてくれたのに轢いちゃったから」

「そ、そうですか。……なんかすいません」


 思わず謝ってしまった。謝られたイチカは手を優しく振りながら言う。


「謝らなくてもいいよ。轢いた私が悪いんだから」

「……まあ、そうか。元はと言えばお前の不注意が悪いんだからな」


 そう言うとイチカは少し頬を膨らませ少し不機嫌に……。


「……なにそれ」

「さあ、なんだろうな」

「……」

「……」


 そこで二人が少し黙っていたあとイチカが切り出す。


「はあ、ほら外すよジッとしてて噛まれるから」

「……今なんて!」

「……ジッとしててって言ったんだけど」

「その後だよ! 噛まれるとかなんとか言ってただろ!」


 ああ、そのことか。と、――最初の言葉を理解したのか説明を始めた。


「これね紐がなかったから蛇を使ったの。ほら字も似てるし」

「似てねーよ! てか、なんで蛇なんだよ!」

「さっき言った通り紐がなかったからだけど」

「そうじゃない! ……すまん、俺の聞き方が悪かった。どこから出てきたんだその蛇」


 蛇を外したイチカは自分のポーチに入れそのポーチを指さし……。


「ここだよ」


 ……と、太陽にも負けない笑顔で言った。

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