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ライジング ブレット  作者: カタルカナ
物語の始まり
4/60

四発目

 目が覚めるとそこはいつもの俺の寝床だった。そして、目覚めた俺はいつもの通り着替え、腰に弾丸を詰める革製のベルトを巻き付ける。ベルトには革のベルトの上からさらに弾丸を詰められるように革を留めたもので造りは簡素だ、だが、使う時も取り出しやすくなおかつ簡単に収納もできるため、多くの人に愛用されている。俺は自分愛用のベルトを巻きながら違和感に気づいた。


「なんだこれ」


 俺は、いつもベルトの最後の一つは、弾丸を入れずにいたのだが今はそこに一発の弾丸が入っていた。こだわりで開けていたというわけではないのだが、やはりいつも開いていたところがないのは違和感があった。その原因に思い当たらないわけではないが、なにしろ現実的ではなさすぎるが……。そう思いながらも俺は、その弾丸を取り出してみる。


「これは……あれは正夢か? いや夢ではなかったなアレは」


 目の前にあるものがそう語っていた。実際に起きた出来事だと。それは、俺が神様と出会ったというわけで、俺の好きな人ができない限りこの弾丸は使えないわけで……好きな人ができたところで、この弾丸が何を起こしてくれるのだろうか。


「まず、使えないことを確認しないとな」


 使えないというのならまずそれを疑う、当然の事だろう。そのためにはまず……ぐううううううう……朝飯だな、朝飯は大切だ『一日の始まりは力をつけろ!』そういうふうにいつも親方に言われているからな。何をするにもまずは力をつけないといけない。本当に俺の好きな人が見つからないと使えないというのならそのためにも動かないといけないしな。


「親方、おはようございます」


 俺が挨拶をしたのは親方だ、それ以外の呼び名は俺は知らない。本名は何かと直接本人に聞いたことはあるが、そのときは教えてもらえなかった。


「おう、ジント起きたか。早速だが手伝ってくれるか」

「すいません、まだ飯食っていないので終わったら来ます」

「そうか、一日の始まりは力をつけないといけないからな思いっきり食ってこい」

「はい! ……そうだ、親方戻ったら見てもらいたいものがあるのでいいですか」

「おう、分かった! おら、分かったからさっさと行け」


 親方は、ここらでも有名な弾丸屋だここで作った弾丸は質が良く世界の要人たちにも一目置かれているほどだ。俺はそこの一番弟子もとい養子だ、俺は親方が赤ん坊の頃の俺をどこからか連れてきたと聞かされている。まあ、そういう事情は置いて置き世界でも屈指の親方が見ればどんなものかわかるはずだ。そして、その親方は世界でも屈指の美人な妻を持っている。


「あら、ジント君起きたのね。今は早いしもっと寝ててもいいのよ」


 今優しく話しかけてきたのが親方の奥さん。いつみてもきれいな人だ、黒の長髪を持ち背は高いほうではないがその雰囲気は大人びていて、どんな人でも包み込んでくれるようにやさしい笑顔を見せてくれる。俺から見ると、俺のお母さんということになるのだが、俺と比べてもお母さんというか姉と言った方がしっくりくる程若く見える。


「おはよう、母さん」

「おはよう、ジント君。まだ寝てなくてもいいの」

「いや、親方も母さんも起きてるのに俺だけ寝てるわけには……」

「そう、私達が早すぎるだけだと思うのだけれど……」

「今日は早く調べたいこともありますので心配はいらないです」

「そう、分かったわ」

「母さん、朝飯ください」

「分かったわ、今準備するわね」


 母さんの手料理はうまいんだよな、俺も嫁ができるなら料理がおいしくて美人なというか可愛い子がいいな。神様が見つかることについてはお墨付きとか言ってたがどういうことだろうか……あの神様ところどころ分からないところがあるからな。


「出来たわよ、はい」

「いただきます」

「召し上がれ」


 母さんの手料理は相変わらずうまかった。よし、じゃあ早速親方のところへ行くか。手伝い欲しがっていたしこっちも見てもらいたい物があるし。ということで、俺はさっそく親方のもとへ行きその弾丸を親方に見せた。すると親方は少し怖い顔をした。


「これは、どこから持ってきた」


 その一言には、その言葉以上の意味と重さが込められて発せられた。そんな気がした。

次回に弾丸の説明が入ると思います。

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