三発目
「……ここは……どこだ?」
目覚めているのかいないのか分からずジントは言う。
ーー昨日夜更かししすぎたかなぁ。多分これは夢だと思うけどこんな変な夢を見るならもっと早く寝るべきだったかな。
そんなことを思いながら、その空間を漂っていたり歩いていたり潜ったりしている。なかなかに心地の良い場所だ。
すると多少の頭痛とともに、頭の中で声が聞こえた。頭蓋骨の中に反響するような感覚に耳を傾けるとその声ははっきりとしたものになる。
「やあ久しぶりジント、俺と話をしないか?」
なんだ、この長年連れ添ってきた友人と再会したようなトーンで話しかけてくる奴は? 聞き覚えのある気がする声だが、知り合いにはこの声の持ち主はいない。
頭の中に声がしたはずなのに、とある方から話しかけられたような感覚。方向がよく分からない。周りを見回すと、明らかに光って見える場所があった。
そこに向かって話しかける。
「久しぶりとは何のことかわからないな。最初に聞きたいといえば、ここはどこで、お前は誰かってことなんだが」
光が少し揺れる。少し考えているのか?
「ここはお前の元いた世界ではない。お前もわかっているだろう」
「ああ、そうだな。夢の中みたいなところだと思っていた」
「まあ、そう思うのならそうなんだろうな」
「それはどういうことだ」
「いや、特に意味はない。お前なら分かっているだろう」
「……?」
「では俺は誰なのかお教えしよう」
すると今度は光が、大きく広がる。手を広げているのだろうか。
「俺は神様だ」
「……ハッ?」
「俺は神様だ」
「……ハッ? それはどういう……」
「俺は神さ……」
「分かったもういいから」
「そうか……大事なことだからもういっか……」
「もういい!」
「分かった分かった、そう怒りなさんな」
コントのような掛け合いをした後俺たちは冷静になり話し出す。
「で神様さんよ」
「なんだ」
なぜか嬉しそうに答える神様。なんか気持ち悪いが続けよう。
「何で俺は神様と話しているんだ」
光がゆらゆらと動く。なぜ体を揺らしているんだ……何で俺は何しているのか分かっている!
体を揺らしている神様は答える。
「それはだな……選ばれた……わけでもないし……ああ、そうか!」
「どうした!」
「決まっていたんだお前が俺とここで会うことは!」
「意味が分からない!」
つい叫んでしまっていた。でも、決っていたとは意味が分からない……選ばれたなら分からなくもないが……。
「意味が分からなくてもいい、こちらの事情だ」
「そうか、なら気にしない」
光の形が変わる……正座をしているようだ。何で分かるかって? 俺にもわからん!
心の中で誰かにそう言いながら俺も正座する。
「俺は神様だそれは分かるな」
「……まあ」
「俺はあまり人やらなんやらには干渉しない方がいいんだが、お前の面倒を見ることにする。というかそうなった」
「それはまた何で」
「とある友人と約束したからな……まあ約束と言えるものでもなかったけどな」
「何で俺の面倒を見ることにお前の友人が出てくる」
「それを話すと長くなるぞ」
「あんまし興味ないし、それなら話さなくていい」
「フッ……やはりお前はお前だな」
「なんで笑う?」
「少し思い出してな」
なんだかわからない神様だ、俺のことについて深くまで知っているような……神様だからか?
「よし本題に入ろう」
「今までのは本題じゃなかったのか」
「そうだ!」
「言い切られてもな」
「本題というのはこれだ」
神様がそう言うと光の前に青色の光が集まり小さな塊が顕現した。それは青く光り輝く透き通った目を奪われるような美しいものだった。
「これは弾丸? よく見ると俺の町で使われているのとなんか違うような」
「そう弾丸だこれを渡すためにお前を呼んだ」
「これを俺に?」
「そうだ。だが、これはそこらの弾丸とは違う」
「何が違うんだ」
「それは使ってからのお楽しみだ」
「なんだそれ」
また、この神様は意味が分からない。
「いい忘れていたが、普通に使えないからなその弾丸」
「じゃあどう使うんだよ」
「好きな人を見つけろ」
「……ヘッ?」
「だからお前の好きな人、というかお前を愛する人お前が愛するその人を見つけろそしたら使えるようにはなる」
「す、好きな人ってそんなの……」
「今はいなくてもじき見つかる。神様のお墨付きだぞ」
「……そうか」
「時間だもう話は終わりのようだな」
「……そうすか」
「何か言いたいことはあるか」
「今はない、頭が追い付かなくて……」
俺の事を気にすることなく神様は最後のこう言った。
「最後に言っておく俺はお前だそして、お前は俺だ」
「どういうことだ」
「そのままの意味だよ」
「意味が分からない」
「じゃあな」
「お、おいっ」
そして俺は目覚めた。




