またね♪(後編)
引越しから1週間が経過しました。
まだまだ1人暮らしに慣れません。
生活リズムが安定せず、なかなか更新に時間が取れません・・・
出来る範囲でがんばって更新していきます。
ネロです。
現在、暗黒竜の体内にて一寸法師作戦決行中!
そして私の目の前には・・・
「ふぅ・・・やっぱり生きていたのね、ソンブル・・・」
私の眼前には脳中心部から生える巨大な邪結晶。
そして、その中には腕を組んだ姿勢のソンブル。
「我は死なぬ!父たる暗黒竜の中で身も心も1つとなり、未来永劫世界を支配するのだ!そのためにも黒猫姫、そなたにはここで消えてもらう!!」
叫ぶと同時に、邪結晶から飛び出てくるソンブル。
「我が身を包め竜装衣!!!」
漆黒の鱗で作られたローブを身に纏うソンブル。
「さあ、決着の刻だ黒猫姫!竜武装!!」
その叫びと共に全身の皮膚が硬質化し、白い肌が黒い肌へと変貌していく。
胸元で交差させた両手が巨大化し鋭い爪を形成、続いて爬虫類を思わせる尻尾が生えてくる。
その身を禍々しい赤いオーラで包み込み、私の前に立ちはだかるソンブル。
いいでしょう、受けてたちます!
「望むところです!動物魂融合タイガー!!」
両手と耳と尻尾が虎仕様に変化する私。
竜と戦うなら虎ですよね!竜虎相打つって言うでしょ!
お約束は外せません!
「クローラ、シャッテン、手出し無用!ソンブル覚悟!!」
「「かしこまりました!ご武運を(にゃ)!」」
恭しく一礼し、後方へと下がる2人?
「潔し!だが、勝つのは我だ!」
ついに私たちは激突した!
「「ハァァァァァッ!!!」」
竜の爪と虎の爪が交錯し、激しい火花を散らす。
互いの拳が唸りをあげる。
「お前さえいなければぁぁぁぁっ!!!我等はこの世界の全てを手に入れていたのにぃぃ!」
繰り出される竜の爪をしっかり腕を交差してガードする私。
「勝手なことを!お前たちがどれだけの人たちを不幸にしてきたと思ってるんです!!!」
反撃とばかりに連打を叩き込む私。
拳と拳がぶつかり合い、蹴りと蹴りが繰り出され、互いの維持を賭けた打撃戦が繰り広げられていった・・・
舞う血飛沫、徐々に増える傷。
この場にシンシアがいなくてよかったわ・・・
いたら大変だったわ、きっと「お嬢さまのお顔に傷が!?」とか言い出してソンブルに突撃していたことでしょうね・・・
私たちの戦いは互いに決定打に欠け、膠着状態に陥っていた・・・
「喰らうがいい!竜撃掌!!」
膠着状態を破るように先に動いたのはソンブル。
距離を取り、右手に赤い禍々しいオーラを集中させ、私に向かい解き放つソンブル。
禍々しい巨大な手と化した攻撃が私に向かって飛んできます。
これは並みの技では相殺出来ないわね・・・
しかし、当方に迎撃の用意あり!
「獣気法全開!!今こそ受けなさい!!獣闘技奥義猛虎双爪斬!!!」
腕を交差させ、空間を引き裂くように×字の衝撃波を前方へと放つ私。
互いの中間でぶつかり合う技と技。
「「きゃぁぁぁぁぁぁっ・・・」」
ぶつかり合った衝撃波で吹き飛ぶ2人。
威力は互角のようね・・・
「流石だ!それでこそ我が宿敵!!だが、勝つのは我だ!!」
竜装衣に付いた埃を払いながら立ち上がるソンブル。
口元や頬から血が流れることも構わず、獰猛な笑顔で私を睨みつけてきます。
そんな彼女に対して私は戸惑いの心で一杯でした・・・
あなたそんなに武闘派だったかしら?
一応巫女だったと思うんだけど、そこのところどうなの?
まるで脳筋のようになってしまったかつての宿敵にどう反応していいのか悩む私・・・
「いいえ、勝つのは私です!」
これが無難な回答でしょうか?
ちょっと心の温度差がありますが負けたくない気持ちだけは本物です。
遠距離攻撃じゃ埒があきません!
これはいよいよ近接打撃戦にて決着をつけるしかありませんね!
手数が互角なら、こちらはスピードで翻弄するまでです!
「これで決めます!動物魂融合チーター!!」
打撃力のタイガーに速度のチーターをプラス!
攻撃速度を上げていきます!
さあ、対応出来るかしら?
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
速度を上げた連撃を放つ私。
どんどん攻撃速度を上げていきます。
最大速度へと達した私の姿は、彼女には分身攻撃のように4つに見えていることでしょう。
「な・・・何ぃ・・・速い・・・捌ききれぬ・・・このままでは・・・」
私と対照的に四方八方から繰り出される攻撃に防戦一方のソンブル。
このまま削りきれるかしら?
「ええぃ・・・舐めるなぁぁぁ!!我は負けん!負けるわけにはいかぬのだぁ!」
手足でのガードだけでは足りないと判断したソンブル、まさかの尻尾ガードで私の猛攻を凌ぎます。
後方からの攻撃を的確に捌く尻尾ガード。
ソンブルは後ろにも目があるというの!?
そんな私たちの戦いに介入するものがいました・・・
「ソンブル、何時マデ遊ンデイル!モウオ前ニハ任セテオケヌ!」
響き渡る暗黒竜の思念。
「お待ちを!黒猫姫の相手は私に!!決着を付けさせてください!」
必死に抗うソンブル。
「クドイ!ソノ全テヲ差シ出セェェェッ!」
「止めてぇぇ・・とうさまぁぁぁぁ・・・・私はま・・だ・・」
必死の抵抗虚しく消えていくソンブルの心・・・
そして・・・
「サア、決着トイコウ黒猫姫!」
ソンブルの姿が漆黒の鱗に覆われていく・・・
その姿はすでにソンブルのものではなく、漆黒の竜人とでも言うべき姿であった。
「ソンブル・・・哀れな子・・・」
私の目から一筋の涙が流れる・・・
あなたとは敵同士だったけど、仇くらい討ってあげるわ・・・
「暗黒竜、今日で終わらせる!!!モードチェンジ黒猫姫!!」
私は新たな愛刀天華を手に、暗黒竜へと挑むのであった。
「フハハハハハッ無駄ナ感傷ダ!アレハ元々我ガ気マグレニ人間トノ間ニ産マセタ駒、ドウ扱オウト我ノ自由ヨ!」
その傲慢な物言いに私は不快感で一杯です!
「それ以上しゃべるなぁ!」
抜刀し、暗黒竜に斬りかかる私。
「はぁぁぁっ!」
気合一閃!暗黒竜に振り下ろされる斬撃。
「無駄無駄無駄ァッ!コノ身ハ無敵ノ防御力ヲ誇ル黒王鱗ニ覆ワレテイルノダ、ソンナモノ通ジヌワァッ!!」
強気発言の暗黒竜。
自分の防御力に絶対の自信があるみたい。
分かっているのかしら?それがお約束発言だということを・・・
さあ、その身で受けなさい!対暗黒竜用に作られた天華の力を!!!
天華の攻撃を無造作に腕で防御する暗黒竜。
防げると疑いもしない暗黒竜の思いとは裏腹に、天華の一撃はバターのように抵抗無くスパッと切り落す。
スローモーションのように肘からボトリと落下していく腕を驚愕の表情で見つめる暗黒竜。
「バ・馬鹿ナ!?我ガ黒王鱗ガコンナ簡単ニ・・・コ・コレハ・・コンナハズデハ・・・」
切り落された肘から黄金の炎が噴出し、その身を焼いていく・・・
「何ダトォッ!?」
慌てて肩から腕を切り落とす暗黒竜。
「内側から浄化の炎で焼かれた気分はどうかしら?」
ニッコリ微笑みながら暗黒竜に語りかける私。
「キ・・・貴様ァ!!ヨクモ・・ヨクモォォッ!!」
血走った目で私を睨みつけながら絶叫する暗黒竜。
あらあら無防備にしていいのかしら?
次の攻撃はもう始まっていますよ?
暗黒竜の上下に出現する魔法陣。
それでは畳み掛けましょう!
相手に本気を出させる前に倒すのが我が家の家訓ですから!
上下の魔法陣から溢れ出す黄金の花弁に包み込まれていく暗黒竜。
「ナ・・何ダコレハ、何ガ起コッテイル!?我ガ焼ケル!?貴様、我ニ何ヲシタァ!?消エル・・我・・ガ消エ・テ・イ・・ク・」
浄化の力が暗黒竜を包み込み、その存在を消していく。
キラキラと光の粒子となって消えていくソンブルの肉体を見つめる私。
その光の粒子の一欠けらをそっと光で包み込み、こっそり仕舞い込む私。
クローラとシャッテンの視線がちょっと痛いです・・・
「コホン、どうやら終わったようね。そのまま索敵を続けて頂戴。」
「敵、消滅を確認!索敵範囲に敵影無しですにゃ!」
何かを言いたそうな顔でシャッテンが周囲を警戒。
「「「(マスター、敵、沈黙しました。これより作業に入ります。)」」」
黒曜・琥珀・翡翠&瑪瑙からも無事の報告。
これで安心して作業が出来そうね。
「クローラ、こちらも始めましょう!シャッテン、まだまだ油断は出来ないは、何かあったら報告を!」
「了解ですにゃ!」
また暗黒竜の邪魔が入る前に作業を進めましょう!
脳、そして3つの心臓それぞれに魔法陣を刻んでいく私たち。
今日、ここで全ての決着をつけます!
「マスター、白血球に活性化の兆しがありますにゃ!お急ぎをですにゃ!」
やはり黙ってやられたりはしないのね。
しつこい男は嫌われるって知らないのかしら?
「(聞いていたわね、全員作業を急いで!)」
「「「(了解!)」」」
「「「(にゃにゃにゃっ!!」」」
さあ、忙しくなってきたわ!
迫る白血球!
私たちを排除するためにうじゃうじゃ押し寄せて来ます。
でもね、ちょっと遅かったわね。
「「「(マスター、作業完了しました!)」」」
「「「(にゃにゃにゃぁ!)」」」
ナイスタイミング♪
全員から作業完了の報告が入りました。
「残念ね、こちらの準備は終わっているのよ!これで終わりよ!猫魔法猫に九生あり!!!」
発動する猫魔法!
4つの魔法陣が連動し、暗黒竜の肉体を内側から光で包み込んでいく。
魔法陣から発する光に触れた物全てが光の粒子となり姿を消していく・・・
それに例外は無い・・・
もちろん私たちも・・・
「黒曜・琥珀・翡翠・瑪瑙・クローラ・シャッテン、そして黒猫騎士団たちありがとう!あなたたちがいいてくれてよかった。」
「「「(マスター、何処までも一緒です!)」」」
「「「(にゃにゃにゃ~にゃ!)」」」
「いつまでもお側に!」
「ずっと一緒ですにゃ!」
そして、私たちは光の本流に飲み込まれていった・・・
王都上空、暗黒竜はその姿を光の粒子へと変えていった。
「止メロ・・・止メテクレ・・・我ガ・・我・・ガ・・消エル・・・消エ・テ・・・シ・マウ・・」
翼が、角が、尻尾が、その全身が光の粒子へ変貌し、消滅する暗黒竜。
風に乗り王都と王都周辺に降り注ぐ光の粒子。
瘴気に汚染された大地に降り注いだ光の粒子は、大地を清め、瘴気に汚染されていた森も美しい姿を取り戻していった。
「ネロちゃん・・・嘘よね・・・返事をして・・・お願いよ!!」
デュアルマインドで必死に呼びかけるクロエ。
しかし、どんなに待っても返事は無かった・・・
「そんな・・・お嬢様・・・」
ガックリと膝をつくシンシア。
「馬鹿者め・・・親より先に逝く奴があるか・・・」
涙が流れるままに空を睨みつけるルクリア。
そっとルクリアの肩を抱くバーベナ。
「ネロちゃん・・・信じてます・・・きっと帰ってきてくださいね・・・」
フィーナもまた、涙を流しながら空を見つめるのであった・・・
王都の危機は去った、だが、平和の代償はあまりにも大きかった・・・
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。
次回、エピローグ!




