抗う者たち(前編)
7月に入り、暑さが本格化!
いよいよ夏に突入ですね。
水分補給忘れずにです!
王都に襲来する暗黒竜ガルシス。
迎撃するため、ただちに動き出す城壁の守備兵たち。
住民の避難誘導に奔走する騎士団。
暗黒竜を倒して一攫千金を夢見る冒険者たち。
王都に住まう人々の命運を賭けた戦いが始まろうとしていた。
伝令により、暗黒竜ガルシス襲来の一報は王宮へと届いていた。
その一報を聞いた女王はすぐさま行動を起します。
「フィーナ、私と一緒に来なさい!ルクリア・ノーブル・リュヌ、準備はいいわね!!」
「まさかこの魔法を使う日が来るとはね・・・」
「さて、全力をつくしましょう!」
「そのための公爵家ですから!」
それぞれが当主の証の指輪を確認しながら女王の後に続きます。
パンパンッ!
手を叩く女王。
「「「はっ!お側に!」」」
シュタッと現れる黒装束の人物たち。
「すぐに各公爵家へと向かい、勇者の血統の義務を果たせと伝えなさい!」
「「「御意!!」」」
そんな光景を呆然とした顔で見つめるフィーナ・・・
「母様・・・今の方たちは?」
動揺したまま絞り出すように声を出し、質問するフィーナ。
「彼らは王家専属の影の者たちです。あなたにもいずれ使いこなしてもらいます。」
そう言いながらスタスタと歩いてテラスへと向かう女王と三騎士たち。
各々が指輪をした手を高々と上げ同じ呪文を唱える。
「「「「我等の誓いは一つ!我が色を力とし全ての邪悪を退ける盾とならん!天に光を!地に祈りを!人々に希望を!極光の聖域!!!」」」」
王都のあちこちから7つの光が立ち上り王都を包む光の壁を形成する。
光の壁は見る角度により様々な色合いを見せていた。
「勇者共ノ力カ・・・シカシ、ソノ力不完全ダ!!目障リダ!!!」
瞬時に極光の聖域の弱点を看破する暗黒竜ガルシス。
ブレスを極光の聖域へと浴びせかける。
ピキッ・・・
一度のブレスで極光の聖域に微細な亀裂が入る・・・
「やはり黒の当主不在では効果が半減ですか・・・」
「わかっていたことだろ?」
ニヤリと笑うルクリア。
「あとは回数で補えばいい!」
「私たちも勇者の末裔ですしね♪」
肯きあうノーブルとリュヌ。
破られるなら何度でも繰り返せばいい!
それにそろそろあいつが動くだろうしな・・・
不敵な笑みを浮かべるルクリア。
「おしゃべりはそこまで!やりますよ!」
「「「了解!」」」
再び極光の聖域を展開していく。
「人間トハ無駄ナコトガホトホト好キトミエル!!」
暗黒竜は大きく口を開きブレスを連射し、極光の聖域に亀裂を入れていく・・・
「くっ・・・」
「何の!」
「まだまだぁ!」
「民の避難が完了するまでは持ちこたえてみせる!」
極光の聖域に亀裂が入る度に王都に七つの光の柱が浮かび上がる。
しかし、4度目の攻防でついに極光の聖域が砕け散る・・・
「あなたたち、まだいけるわよね?」
アリシアが後ろを振り返り確認をする。
「誰に言っている!」
「もちろん!」
「いけます!」
全員笑顔で応答!
「「「「はぁぁぁぁっ!」」」」
内心、何時自分たちに限界が来るか怯えながらそれでも気合を入れて極光の聖域を展開していく。
まだか!?まだなのか!?焦りを感じながらルクリアの視線は自宅の方角を見つめる・・・
「シブトイナ、ダガコレデ終ワリニシテヤル!!!!」
最大出力のブレスを放つ暗黒竜。
極光の聖域にブレスが直撃する直前、王都の一角より黒い光の柱が立ち、極光の聖域を彩る。
輝きを増した極光の聖域が暗黒竜のブレスを受け止める。
「「「え!?」」」
何が起こったのか理解できないアリシア・ノーブル・リュヌの3人。
それと対照的にニヤリと笑うルクリア。
「どうにか間に合ったか・・・」
そんなルクリアに集中する視線・・・
「「「ちょっと!!あとでキッチリ説明してちょうだい!!!」」」
3人の視線を浴びながら楽しそうに笑うルクリア。
「あ・と・で・な♪」
「黒ノ当主ガ生マレテイタカ、マアイイ、折角苦シマヌヨウ王都諸共一撃デ終ワリニシテヤッタモノヲ・・・、拒ムト言ウノナラ苦シンデ死ンデイケ!!!」
無造作に自身の鱗を引き千切りそこに魔力と瘴気を流し込んでいく・・・
鱗はそれに呼応し、その姿を人型へと変化させて行った。
「サア、行クガイイ!邪鱗兵タチヨ!!王都ヲ蹂躙シ、我ニ恐怖ト絶望ヲ届ケヨ!!」
全身を漆黒のスケイルメイルに身を包んだ邪鱗兵たちが鱗で出来た盾と長槍を持ち、隊列を組んで王都へと進行していく。
その数2万!!!
「暗黒竜の王都への直接攻撃はこれでしばらく凌げるだろう。今のうちに暗黒竜本体を叩く!!騎士団、魔法師団出るぞ!!」
「了解だ!この機会を逃すわけにはいかん!」
「わかったわ!」
肯きあう3人。
「ルクリア・ノーブル・リュヌ、お願いね!どうかこの国を守って!」
そこへ駆け込んでくる伝令兵。
「伝令!暗黒竜が動き出しました!多数の兵を生み出し、王都へ進行中!!現在、部隊を4つに分け、王都の4つの門を目指している模様!!」
しかし、こちらが反撃体制に入るより早く動き出す暗黒竜。
「こちらも部隊を4つに分けるか・・・」
「しかし、それでは防衛する兵の数が足りぬぞ・・・」
そこへ突然出現する精霊。
「お話は聞かせていただきました。私は冒険者ギルドのギルドマスターのカレラと申します。門の1つは我々冒険者ギルドにお任せ願えないでしょうか?」
「噂は聞いている、元Sランクの凄腕だそうだな。しかし、奴らへの対策はあるのか?並みの武器では奴らに傷一つつけられんぞ?」
すると、笑っているような反応を示す精霊。
「大丈夫です。冒険者全員に対使徒武器が配布されております。」
「「「何!?」」」
何で冒険者が対使徒用武器を持っているんだ?
困惑顔の4人・・・
「ただ、私たちは報酬無しでは動きません。見事、門の防衛を成功させた暁には報酬をお約束ください。」
3人の視線がアリシアへと集まる。
皆の顔を見回し、コクリと肯くアリシア。
「わかりました。パレット王国女王、アリシア・パレットの名において報酬を約束しましょう!」
「話は決まった!それでは打ち合わせをしよう。騎士団と魔法師団は3部隊に編成、東・西・南門の防衛に当たる。冒険者たちには北門の防衛を頼む!」
「了解しました!冒険者ギルドは直ちに行動を開始します!」
出現したときと同様に姿を消す精霊。
「よし!冒険者たちに遅れを取る訳にはいかん!こちらも動くぞ!!」
「伝令!騎士団・魔法師団の団員は城の中庭に集合!」
「私たちも準備しましょう!」
「この国を頼みます!」
「「「お任せを!!!」」」
反撃の狼煙は上がった!
今度はこちらの番と言わんばかりに走って行く3人の後姿をじっと見つめるアリシア。
3人の姿が見えなくなるまでそっと頭を下げるのであった・・・
後ろを振り返り、フィーナに話しかける女王。
「フィーナ、城に避難してきた民たちを安心させるのが私たちの仕事です。行きますよ!」
「はい、母様!!」
「お供します!」
そんな2人をジュリアも慌しく追いかけていくのだった。
基本、週末更新です。
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