神卵
契約完了!
夏から1人暮らしを始めます。
色々と環境が変わりそうです。
荷物を整理したり色々と忙しくなります。
物語はいよいよ終盤戦です。
今回はかなり短めでお届けします。
「ぐぅ・・・あ・・・ぁぁぅ・・・」
ネロです。
現在、瘴気が体を駆け巡り死に掛けております・・・
闇蛇に噛まれた場所から肌が紫に変色、徐々に体を侵食していきます。
それに伴い、全身を駆け巡る激痛・・・
吹き出る玉のような汗・・・
意識も朦朧としています・・・
じゃあ何で流暢に解説しているかって?
それはこのタイミングで手に入った新しいスキル”思考分割”の恩恵かしら?
まるで見計らったかのようなこのタイミング・・・
何かの作為を感じるのは気のせい?
思考分割:思考を同時に複数処理することが出来るスキル。
本体が激痛にのた打ち回っていても、分割された思考は影響を受けないみたいです。
自分の現状を冷静に眺めるって変な気分です・・・
黒猫メイド隊に担がれてカーマイン家に運び込まれる私。
それを見たシンシアが鬼のような形相でやってきます。
パシーン!
「あ・あなたが・・・あなたたちがいて何でお嬢様がそのような姿になっているのですか!!」
叫びながらクローラの頬を平手打ちするシンシア。
「申し訳ございません・・・」
俯くクローラ。
そんなクローラに掴みかかろうとするシンシアを後ろからそっと抑えるグレイスン。
「シンシア、その辺にしておきなさい。まずはお嬢様をベッドへお連れしなければ!」
「はい・・・すぐにベッドの用意をしてまいります・・・」
キッとクローラたちを一睨みし、ズンズンと足音を響かせて屋敷の中へと戻っていくシンシア。
「お嬢様をお部屋まで運んでいただけますか?」
黒猫メイド隊にお願いするグレイスン。
「「にゃっ!」」
任せておいてと言わんばかりに自分の胸を叩く黒猫メイド隊の面々。
そんな微笑ましい光景を横目に憂鬱な気分の私・・・
えー・・・っと私があとでシンシアのフォローしなきゃいけないのね・・・
自室のベッドへと運び込まれる私。
シンシアに寝巻きに着替えさせられるわけで・・・
「あぁ・・・おいたわしや・・・この様なお姿になるなんて・・・私がお側にいればこんなことさせませんでしたのに・・・」
ポロポロと涙を流すシンシア。
ひとしきり泣いた後、私の看病の準備をするために部屋を退出していきました。
そんなに心配しなくても大丈夫よシンシアって思っていたら女神様から恐ろしい現実をつきつけられました・・・
「ネロ、聞いてください。このままではあなたの命は持ってあと15分です。助かる方法は一つだけ、わかりますね?」
いよいよこの時が来てしまったのですね・・・
私が助かる方法、それは人間を辞める事・・・
本来なら天寿を全うしてから女神へと進む予定だったのだけど、それだけ危機的状況ってことよね・・・
なら、覚悟を決めて前に進みましょう!
おっとその前に最後にちょっとだけ遣り残しを終わらせなきゃね。
スキル”デュアルマインド”を起動。
どれだけ距離が離れていてもクロエに繋がる。
だって私たちは2人で1人ですから♪
「(クロエ、聞いて頂戴。時間が無いの。私の黒の当主の資格をあなたに譲渡します。きっと必要になるから・・・)」
「(ネロちゃん!?何があったの!私には黒の当主なんて無理です!待って、もうすぐ家につきます!)」
慌てるクロエ。
残念、事情を説明している時間も無いのです・・・
突然、クロエの耳に響き渡る世界の声。
《世界の声》
黒の当主の資格が譲渡されました。
受けますか?Y/N
「(ネロちゃん!?)」
「(お願い・・・クロ・・エ・・)」
途切れ途切れの私からの念話に覚悟を決めるクロエ。
恐る恐るYesを選択・・・
《世界の声》
新たな黒の当主が誕生しました!
その結果に満足そうに笑みを浮かべる私。
クロエに黒の当主の証の指輪を転送し、、やることはこれでおしまい!
さよなら人生!次は神生の始まりです!
看病道具を抱えて部屋に戻って来たシンシアが見たのは、光り輝く繭に包まれていく私の姿でした・・・
「お嬢様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
シンシアの叫びが屋敷中に響き渡りました・・・
私の再誕まであと1日・・・
災厄の魔竜は王都の目前に迫っていた・・・
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。




