黒猫姫最後の日
1周年を過ぎました。
まだまだいきますがんばります♪
活動報告に番外編小説を掲載しました。
興味がありましたらご覧ください。
「(ネロちゃん!フィーナちゃんが・・・フィーナちゃんが!!!)」
クロエの悲痛な叫び声が私の心に響き渡る!
「敵の狙いはフィーナだったのね!くっ・・・シャッテン、すぐに三獣士を連れてクロエの元へ!」
「了解ですにゃ!ただちに向かいますにゃ!」
素早く影へと消えるシャッテン。
頼んだわよ・・・
「(クロエ、そちらに援軍を送りました!持ちこたえて!)」
念話でクロエに連絡しながら黒鱗の使徒を切り捨てていく私。
焦燥感が私を包みます・・・
あの時、私が闇巫女ソンブルを追いかけることに固執した結果がこれですか・・・
悔やんでも悔やみきれません・・・
フィーナどうか無事でいて・・・
「クローラ、黒曜!ここは私たちで何とかするわよ!あなたたちもお願いね!」
「「了解!」」
「「「にゃっ!」」」
ドンと任せろと言わんばかりに自分の胸を叩く黒猫騎士団の面々。
頼もしいわね。
その頃のカーマイン家。
パキッ・・・
誰も触れていないのにカップが割れていた・・・
「どうしましたシンシア?」
「グレイスン様、お嬢様のカップが誰も触れていないのに割れてしまいました。何やら嫌な予感がします。」
「考え過ぎでしょう・・・」
そっと諭すグレイスン。
「お嬢様どうかご無事で・・・」
祈り続けるシンシアの姿があった。
一方、王城では・・・
「「「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」」」
「「にゃ・・にゃぁ・・」」
肩で息をする3人と2体がいました。
度重なる邪骨兵の波状攻撃にさらされ、気力で戦うクロエ、ジュリア、パメラ。
何度倒しても再生し襲い掛かってくる邪骨兵との戦いは彼女たちの気力を削っていった・・・
それでもフィーナを黒鱗の使徒の腕の中に捕らわれているフィーナ姫から視線を外す事は無かった。
「アノ方ノ魂ハ確保シタ、オ前ハソンブル様ニ至急オ届ケシロ!」
小さな赤い瞳を輝かせ、白い蛇が影へと消えていく。
「サテ、目的ハ果シタコトダシココニハモウ用ハナイノダガ、後顧ノ憂イヲ断ツタメオ前タチニハココデ死ンデモラウ!」
ズルリとフィーナの体から突き刺していた腕を引き抜き、フィーナの体を私たちに投げつけながら突進してくる。
「フィーナちゃん!?」
慌ててフィーナの体を受け止めるクロエ。
その一瞬の隙を見逃さない黒鱗の使徒。
「余所見トハ舐メラレタモノダ!」
強烈な尾の一撃を放つ。
「「「きゃぁぁっ!!」」」
壁際まで吹き飛ばされ背中を強打する3人と2体。
「痛ったぁ・・・」
「うぅぅ・・・」
「う・・ぅ・・・」
「「にゃ・・・」」
痛みに顔を歪めながらヨロヨロと立ち上がる。
しかし、既に彼女たちの体力は限界に達しており、再び崩れるように床にへたり込んでしまった。
「ツマラン!モウ楽シメソウモ無イナ、オ前タチ止メヲサセ!」
邪骨兵に一斉攻撃を指示する黒鱗の使徒。
迫る邪骨兵!
3人は死を覚悟した・・・
「ネロちゃんごめん・・・」
「こんな・・・ところで・・・」
「もっと姉様に甘えておけばよかったよ・・・」
彼女たちの心に絶望感が広がっていく・・・
そんな彼女たちを守るように小さな影が邪骨兵の前に立ち塞がる。
「エル!アール!」
「「にゃっ!」」
自分たちに任せろ!と言わんばかりに胸を叩いて応える2体。
しかし、戦力差は絶望的であった・・・
邪骨兵の物量の前に防戦一方の2体。
次第に後退していく・・・
「エル!アール!逃げてぇぇぇぇっ!!!!」
ボキンッ!
ガキンッ!
頑強なメイドゴーレムの腕が邪骨兵の一撃で折れる・・・
片手を失い、猫耳は欠け、傷だらけの体でそれでも邪骨兵の前に立ち塞がる2体。
「あぁ・・・エル・・・アール・・・」
その姿を見つめ泣くことしか出来ないクロエ・・・
「誰か・・・誰かエルとアールを助けてぇぇっ!」
その時、クロエの影が発光し、飛び出てくる者たちがいた。
「そこまでにゃ!シャッテンドリルクローッ!!!!」
グルグルと回転しながら邪骨兵をなぎ払うシャッテン。
続いて3つの影が現れ、邪骨兵へと突撃していった。
「グランニャイト・リク御期待通りに只今到着にゃ!」
「マリンニャイト・カイ定刻通りに只今到着にゃ!」
「スカイニャイト・クゥ定刻破って只今到着にゃ!」
「「「我等三獣士押して参りますにゃ!!」」」
圧倒的な力で邪骨兵をねじ伏せていく。
驚愕の表情を浮かべる黒鱗の使徒。
先程まで優勢だった自分たちが劣勢になるなど考えてもいなかった・・・
「クックックッ・・・何モ変ワラヌ、オ前タチヲ倒セバイイダケノコトヨ!!」
蛇身をくねらせながら突進してくる黒鱗の使徒。
「やらせないにゃ!」
突進をカウンター気味にパイルバンカーで迎撃するグランニャイト・リク。
一瞬の交錯、そして・・・
「グフゥゥ・・・見事・・ダ・・・ダガ・・・勝ツノハ我等・・ダ・・・」
崩れ落ちる黒鱗の使徒。
あとは残った邪骨兵の掃討のみ!
残敵を掃討し、私たちに頭を下げるシャッテンたち。
「遅くなって申し訳ないにゃ!」
「「「申し訳ないにゃ!」」」
「いえ・・・助かりました・・・」
「もうダメかと思ったわ・・・」
「これでまた姉様に甘えられる♪」
全員の視線が床に横たわるフィーナ姫へと集まる・・・
「フィーナちゃん・・・守れなかった・・・」
「姫様・・・」
「・・・」
その時、フィーナ姫の腕輪が強い光を放ち全身を包み込み、腕輪が砕け散る。
「「「え!?」」」
そして・・・
「う・・うん?・・・ここは・・・私は?」
「フィーナちゃん?」
「姫様!?」
「き・・・奇跡だ・・・」
死んだと思われていたフィーナ姫がむくりと起き上がり、周囲をキョロキョロします。
「あの・・・私は死んだはずじゃ?」
困惑顔のフィーナ姫。
「「「絶対ネロ(ちゃん)の仕業です!!」」」
私たちの思いは一緒でした・・・
「姫様、これを!」
そっと自分のマントをフィーナに渡すジュリア。
お腹にポッカリ穴が開いたドレス姿ですものね。
「ありがとう。クレアは!?」
身支度を整えながらクレアの心配をするフィーナ姫。
黒鱗の使徒の苗床にされていた彼女。
倒れたままのクレアに歩み寄り生死を確認するパメラ。
「うん・・・かなり衰弱しているようだけど命に別状はないようだよ。」
「そうですか、彼女も安全な場所へ連れて行きましょう。パメラさん、頼めますか?」
ニッコリ微笑むパメラ。
「お任せください!女性の扱いは得意です♪」
しっかりとお姫様抱っこで抱え上げるパメラがいました。
流石その道のプロ・・・
「まだ、城内に敵の反応がありますにゃ!それと召還の触媒らしき物の反応がありますにゃ!」
シャッテンが索敵の結果を報告。
それを聞いて、フィーナ姫の前に出て跪く3体のナイトゴーレムたち。
「「「姫様、我等三獣士にお任せくださいにゃ!」」」
「あの・・・この方たちは?」
クロエを振り返って聞くフィーナ姫。
クスクス笑いながら応えるクロエ。
「ネロちゃんからフィーナちゃんへの誕生日プレゼントです♪ずっと欲しいって言っていたでしょ♪」
「ネロちゃんが・・・わかりましたフィーナ・パレットの名において命じます!全ての敵を殲滅してください!」
「「「御意!!!」」」
シャッテンから敵に関する位置情報をもらい駆け出していく三獣士たち。
それを見届け、女王たちと合流するために移動するフィーナたち。
女王たちの立て篭もっていた部屋へ入って来たフィーナの顔を見て喜ぶ女王。
「あぁ・・・フィーナ、よくぞ無事で・・・」
すぐさま駆け出し抱きしめます。
「母様・・・悪いお話があります・・・暗黒竜の魂が敵の手に落ちました・・・」
「暗黒竜が復活してしまったのなら今度こそ倒せばよいのです!疲れたでしょう?今はお休みなさい。あなたが無事ならまだ希望があります。」
そっと諭すように言う女王。
「はい、母様・・・それとクレアの治療をお願いします。」
「わかりました。誰かクレアを!」
側に控えていた神官がすぐさま動き出す。
「こちらに寝かせてください。」
「クレア・・・」
心配そうに見つめるフィーナ姫。
「城内が静かになったな。クロエ、何か知っているか?」
「はい、シャッテンちゃんと三獣士たちが敵を倒したんだと思います。」
三獣士・・・アレか・・・
うんうん肯く母様。
「こちらの状況はわかった。次は暗黒竜対策だな。女王、騎士団と魔法師団に全軍出撃準備をさせる。それと、住民を王城へ避難させて欲しい。ノーブル・リュヌ準備を頼む!」
「すぐに対応させます!」
「承知した!」
「任せておいて!」
慌しくなる城内。
「クロエ、お前はどうする?城に残るか、それとも・・・」
「一旦家に戻ります。エルとアールもこのままでは可愛そうですし・・・」
傍らの2体を撫でながら応える私。
「そうか、ならば護衛を数名付ける。気をつけて戻るといい。誰か!」
「「はっ!」」
駆けつけてきた騎士たちに指示を出す母様。
こちらはもう大丈夫ですね。
「ジュリアちゃんとパメラさんはどうしましか?」
「私はフィーナ様が心配なので城に残ります。」
「私も一度戻ることにするよ。家族が心配だしね。」
護衛の騎士たちと共に城をあとにする私とパメラさん。
どうかネロちゃんが無茶していませんように・・・
残念ながらそんな私の祈りは届いていませんでした・・・
「総員、邪結晶装備!奴ラヲ根絶ヤシニシロ!我ラノ忠義ヲ示セ!」
闇蛇の指示を受け、動き出す黒鱗の使徒たち。
「「「オゥ!」」」
「「「マッサツ!クロネコヒメ!!!」」」
次々に額に邪結晶を付け、強化していく。
弱体化させた分を取り戻された感じ?
「足りない分は勇気で補えばいいんです!」
自分に言い聞かせる私。
猫たちの箱庭に閉じ込めてあるから周辺への被害は考えないでいいですし、大技連発出来ます!
火力に物を言わせて押し潰しましょう!
「クローラ、大きいのお願い!」
「かしこまりました!薔薇の花弁展開、リフレクトモードは光を指定、各クリスタル連動、ホーリーフラッシュレイ発射!」
8つのクリスタルから放たれた光を薔薇の花弁のリフレクトモードで乱反射させることで生み出した光の本流が瘴気を纏った黒鱗の使徒たちに襲い掛かる。
猫たちの箱庭で増幅された光属性の粒子が黒鱗の使徒たちの表皮を焦がす。
ジュゥジュゥジュゥッ・・・
「「「グゥアァ・・・ヤケルゥゥ・・・」」」
「「「ソノヒカリトヤメロォォ・・・」」」
苦悶の叫びをあげる黒鱗の使徒たちを蹂躙していく私たち。
どっちが悪役!?
こんな時のセリフって”私が正義だ!”でしたっけ?
何か違うような・・・
「グゥゥ・・・ヤラセハセン!ヤラセンハセンゾォ!」
私に向かっくる闇蛇。
「ここで倒させてもらいます!」
迎え撃つ私。
ここにいる大物はこいつが最後、早く倒してソンブルを追いかけなきゃ!
「ハァァァァッ!!」
「ウオォォォォッ!」
ガキンガキンガキンッ!
闇蛇の繰り出す双剣と打ち合う私。
見切りスキルが冴え渡ります。
軌道さえ読めればこのくらいの芸当は問題ありません。
ギリギリギリィッ!
鍔迫り合いになり近接する私と闇蛇。
「シャーッ!クラエーッ!」
首を伸ばし毒牙を使ってくる闇蛇。
巧みにスウェーバックして回避する私。
これだから爬虫類は面倒なのよ!
しっかりと闇蛇のお腹に蹴りを入れて一撃離脱。
蛇のアップなんて誰得なのよ!
アップが辛いから後方にダッシュで下がり遠距離攻撃に切り替えます。
「ハアァァァァッ!」
剣から三日月型の衝撃波を放ち闇蛇を攻撃開始!
「チィィィッ!」
蛇身をくねらせ右に左に衝撃波を回避する闇蛇。
「大人しく三枚におろされなさい!」
「ダガ、断ル!!」
ツッコミが早いわ・・・
膠着状態が続く私と闇蛇。
一瞬でも隙が出来れば大技を使うのだけど・・・
視線をチラリとクローラに向ける私。
私の視線に気がついたクローラ、コクリと肯く。
それでは仕掛けますか!
「薔薇の花弁展開、リフレクトモードは雷を指定、各クリスタル連動、チェーンライトニング発射!」
クローラが放ったチェーンライトニングが邪骨兵と闇蛇に襲い掛かる。
その名の通り、雷の鎖が絡み付き、対象を拘束&電撃で攻撃するとっても恐ろしい攻撃である。
「グゥアァゥゥア・・・」
今がチャンス!
「これで終わりよ!月華!」
私は渾身の力を込めて必殺の一撃を放つ!
「邪なる者よ!無垢なる闇へと返れ!月華葬列!!」
クパァッ・・・
闇蛇を月華の光が包み込み、美しい華へと変えていく・・・
「マスター!」
「後ろです!!!」
「「「にゃーーーー!!!」」」
「え!?」
月華葬列で倒したはずの闇蛇が私の影から出現。
脱皮して消滅を避けた闇蛇は、影移動で私の背後を強襲!
「1人デハ死ナヌ・・・」
その牙が私の首筋へと吸い込まれていく・・・
「コレデ・・オ前・・モ終ワリ・・ダ・・・」
私の体内に、牙から直接瘴気を流し込む闇蛇。
そのまま崩れるように倒れていった・・・
「あ・・・あ・・ぁぁ・・」
ガクガクと体が震える・・・
全身に高純度の瘴気が流れ込み、私の体の中で拒否反応が起きている・・・
噛まれた場所から紫の斑点が広がっていく・・・
そして、私の意識は闇へと堕ちていった・・・
「「マスターーーーーーーーーーーーーーッ!!!」」
「「「「にゃーーーーーーーっ!!!!」」」
ただ、黒鈴騎士団のメンバーたちの絶叫だけが王都に響いていた・・・
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。




