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末っ子は黒を好む?  作者: ねこぱんちw
転生・幼年編
7/83

動き出す運命

夏真っ盛り、毎日暑くて暑くて溶けそうです・・・

元気なのは夏休みで遊びに来ている姪っ子さまたちばかりかな・・・


クロエです。

調理器具普及が忙しいです。


アキュウド商会お抱えの開発主任になった私。

新たなる商品の開発に余念がありません。

しかし、ここで問題発生・・・

私もアキュウドさんも調理器具の材料になる鉱石に詳しくありません・・・

そこで、女神アリア様に大地と鍛冶の神であるカヌチ様を紹介していただきました。

カヌチ様の第一印象。ドワーフ?

赤銅色の肌、ひげ面、手が長く足が短め、筋肉ムキムキ。動物の毛皮を巻いた服装に、自分の身長と同じくらいのハンマー。

まさに鍛冶の神です。

「そんなことならいくらでも協力してやる。その代わり、そのうち手を貸してもらう!」とのこと。

私で力になれることなら引き受けますと答えておきました。


鉱石の問題も解決し、早速、錬金術の出番です。

クロム鉄鉱石からクロムを抽出。

鉄50%に対し、クロムを10・5%混ぜてステンレスを製造。

これを使って錆びにくい調理器具を製造開始です。

錆びにくい調理器具が完成すれば、行商人や冒険者に売れそうですしね♪

今回は、ボールと泡立て器を製造。


続いて、蛍石に硫酸を混ぜ、フッ素化水素を発生させ、錬金術でフッ素を抽出。

事前に用意しておいたフライパンにフッ素をコーティング。

焦げないフライパンの完成です♪


一連の作業を腕組して焦れたように見つめる視線が1つ・・・

今日から料理補助としてやって来たキュイジニエさんでした。

誰かって?それはもちろん料理神様です・・・


何故、キュイジニエ様がいるかと言うと、女神アリア様たちと私とのやり取りを聞きつけたキュイジニエ様。

「料理神のあたしに内緒で異世界料理!?そんな楽しそうなことに何で私を誘わないの!?」と大変ご立腹になり、料理の試作段階から参加することとなりました・・・


「アキュウドさん、料理の材料は用意出来ていますか?」

「えぇ、言われたものはキュイジニエと一緒に買ってきました。」

材料の目利きをキュイジニエ様、値切りをアキュウドさん、完璧な布陣です。


「それでは始めます。本日は初回なので、オムライスです。」

初回なので簡単メニューにしました。

レシピは例によって例の如く異世界検索で♪

これも知識チートって言うのかしら?


まずはケチャップから作らなきゃ。

<ケチャップ>

トマト:2個

赤ワインビネガー:50ml

グラニュー糖:20g

塩:1g

胡椒:少々


トマトを3cm角に切り分けておく。

鍋にグラニュー糖を入れ、強火でキャラメル状になるまで煮詰める。

焦がさないように焦がさないように!

キャラメル状になったのを確認したら、トマトと赤ワインビネガーを投入。

水分があらかた飛んだら塩、胡椒で味を整える。

最後に裏ごしし、ビンに詰めればケチャップの完成♪


続いてフライパンを2つ用意してからオムライス作成。

<オムライス 1人前>

トリモモ肉:50g

タマネギ:1/4個

温かいご飯:150g

マッシュルーム:2個

塩・胡椒:少々

油:小さじ1

ケチャップ:大さじ2


中身のチキンライスから作り始めます。

トリ肉、タマネギは1cm角に、マッシュルームは薄切りにしておく。

フライパンに油を入れ、トリ肉→タマネギ→マッシュルームの順番で投入。

火が通ったらケチャップを入れ、全体に味を馴染ませてからご飯投入。

チキンライスが完成したらもう1つのフライパンで作業開始。


<オムレツ>

卵:2個

油:小さじ1

水:小さじ1

油(焼き用):小さじ1


ボールに卵を割り、解きほぐしながら混ぜる。

ここに、水と油を投入。

油を入れ、熱しておいたフライパンに卵を投入。

かき混ぜながら半熟に焼き、先程作っておいたチキンライスを投入。

フライパンのヘリを使って形を整えてからお皿に盛り付け。

最後に、水とバターとケチャップでソースを作り、オムライスにかけたら完成♪


目を皿のようにして、食い入るように見ていたキュイジニエ様が怖かったことは言うまでもありません・・・


「それでは試食しましょう!」

「「はいっ!!」」2人ともスプーンを持つのが早いわ・・・


えーっと・・・

味の感想は?

無言でオムライスを口に運び続ける2人にちょっとドン引きの私・・・

「こんな料理があったなんて・・・」

「これは売れる!?」

何やらブツブツと言いながらも完食の勢い・・・

まあいっか・・・


「それで、これなら天界の2人に送ってもいいのかしら?」

試食の結果を聞いてみると。

「「もちろんです!!」」

許可が出たので、オムライス2人前を作り、お供え。

そして、呼びかけをしてみると・・・


「クロエ、待ちくたびれました!」

「兄様、ずっと待ってました!」

えーーっと・・・

欠食児童(はらへりさん)が2人いました・・・

女神様と妹は食いしん坊だったみたいです・・・

喜んでもらえて良かったという事で・・・


「兄様、次はケーキを!」

妹よ、生クリームを作るには遠心分離機を作らなきゃならないのよ・・・

新たなる課題が私の前に立ち塞がりました・・・

私の試練は続きそうです・・・


さて、無事?料理を完成させ、帰宅した私を待っていたのは、難しい顔をした母様でした。


「クロエ、そのまま出かける。馬車で待ちなさい!」

馬車から降りようとする私に待ったをかける母様。

何かあるのかしら?


「奥様、今から行かれるのですか!?」

「グレイスン、何か問題があるのか?」

珍しく、執事のグレイスン(おじいちゃん)が母様に意見しています。


「お嬢様はお疲れのご様子、後日がよろしいのでは?」

「1日も待てない!お前も解っていよう!」

かなり深刻みたい・・・

そしてその中心は私!?


再び馬車に乗り移動開始。

「お嬢様、どうかご無事で・・・」

そんなグレイスンのつぶやきは、私に届くことは無かった・・・


夕闇の中を走り続ける馬車。

向かった先は、王都の外れにある1軒の黒い屋敷だった。


「降りろ、中に入るぞ」

母様に促され、真っ黒な扉をくぐり中へと入って行きました。

この屋敷は一体・・・


「おや、本当に連れてきたのかい?」

1人のメイドを従えた老婆が出迎えに出て来ました。


「ご無沙汰しています、母上。」

「挨拶はいい、その子で間違い無いのかい?」

「えぇ、この子以外考えられません!」

「ほう、随分な自信だね?」

母様の母上ってことはお婆様!?

そして、2人の会話についていけません・・・

誰か説明プリーズ・・・


ショートボブに切り揃えられた髪は母様の赤い髪と違う白髪、黒一色の服、片目、片腕、鷲のように鋭い目が印象的です。


「お前はいつも突然だね、いきなり旦那を連れて来て、結婚しましたと報告に来たときも事後報告だし・・・」

「母上、その話は・・・」

流石は母様、あの父様を押し倒して結婚したと言う武勇伝は本当だったのですね・・・


「こっちの準備は出来ているが、何時やるんだい?」

「今すぐに!時間はそんなに残されていませんから・・・」

「何を焦ってるんだい?命に関わるんだよ?」

「それでもです・・・」

えーーっと・・・

死亡フラグですか?


私の方を振り返るお婆様。

「クロエ、あたしがあんたの祖母のベロニカ・カーマインだよ!」

「よくお聞き、これからあんたには試しの儀を受けてもらう!拒否は無しだ!」

試しの儀?

ナニソレ!?

しかも拒否不可って・・・


「あの、お婆様、それって・・・」

「黙ってついて来な!サロメ、ルクリアに茶でも飲ませておきな!」

「畏まりました奥様。」

ズンズン屋敷の奥に入って行くお婆様を追いかける私がいました・・・

お年寄りは人の話を聞かないって本当なのね・・・


屋敷の地下の一番奥の扉。

お婆様の右手の指輪を扉にはめ込み、鍵を解除。

「さあ、こっちだよ。なぁに難しいことじゃ無いよ。」

「ただ、あの水晶球に触れて生きて出てくればいいのさ。」

部屋の中心には、ボーリング玉サイズの水晶球が鎮座していました。

それって触ったら死ぬって事じゃ・・・


「さあ、女は度胸だよ!さっさとやりな!」

水晶球に触るように言ってくるお婆様・・・

深呼吸をし、水晶球に触れる私・・・

そして、私は闇に包まれた・・・

いよいよ運命の輪が回り始めました。

どうなる私!?

続きはまた次回。


<NEW CHARACTER>

大地と鍛冶の神カヌチ:物作り大好きな鍛冶の神。面倒見がいいアニキタイプ。


料理神キュイジニエ:三角ザマスメガネを愛好する女性神。料理への探究心は人一倍。自分の知らない料理の存在は許せない!


ベロニカ・カーマイン:やっと登場のお婆様。細マッチョ。流石は母様の生みの親!?


サロメ:お婆様専属メイド。戦闘から家事までこなす万能メイド。




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