表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
末っ子は黒を好む?  作者: ねこぱんちw
新たな物語編
68/83

楽園の終わり

6月に入りました。

いよいよ梅雨のシーズンですね。

カビ対策もしっかりしなきゃです。


荒廃した北の山奥の神殿。

そこには無数に蠢く闇のものたちがいた。

そして、それを見下ろす1人の少女。

「聞け!ついに我らの待ち望んだ時が来る!汝らの活躍によりあの方の肉体活性も九分九厘完了した!あとはあの方の魂を取り戻すことのみ!」

「「「「オオオオオォォォォォッ!!!!」」」」」

「「「「ツイニツイニツイニコノトキガ!!!」」」」

「「「ソンブルサマバンザイ!!!」」」

鳴り響き怒号!

もうすぐ、もうすぐ我が願いが叶う!

そんなことを考えていると、影から小さな白い蛇が現れ、我が身をよじ登ってくる。

我が耳へと差し掛かり何事か囁く小さな蛇。

「ほう、王家が動いたか。ならばこちらも予定を早めるか・・・」

目を細めてニヤリと笑う少女(ソンブル)


そっと黒鱗の使徒たちを手で制す少女(ソンブル)

「此度こそ失敗は許されぬ!闇蛇はおるか!」

「ハハッ!闇蛇御前ニ!」

漆黒のローブに身を包んだ長身の人物が少女の前に歩み出る。

「汝に黒猫姫抹殺を頼みたい!汝なら間違いあるまい!」

「オ任セクダサイ!必ズヤゴ期待ニ応エテミセマス!」

恭しく一礼する影蛇。

その姿を満足そうに眺める少女(ソンブル)

「勝利を我等に!!」

「「「「オォッ!ショウリヲワレラニ!!!」」」


ネロです。

本日はお城でフィーナの誕生日会が開催されます。

正式な誕生日は国のお祝い事なので、親しい友人たちだけを集めたごくごく個人的なお祝いの予定です。

それでは指差し確認開始。

ケーキよし!プレゼントよし!

持っていくものはこんなものかしら?

「お嬢様、お召し物はこちらにいたしませんか?」

ピンクのドレスを用意して私に見せてくるシア・・・

だ・か・ら黒しか来ませんから!

いつもいつも思うけど、何故かシアが私にピンクを着せたがります・・・

困ったものです・・・


「ネロちゃん、準備出来ました?」

ひょっこり私の部屋にやって来るクロエ。

「えぇ、終わりました。お城に向かいましょ。シア、馬車の用意を!」

「かしこまりました・・・」

若干、不服そうな顔のシア。

だからピンクのドレスは諦めて頂戴!


気を取り直してお城へ出発。

本日の参加者は私とクロエとジュリア。

ちなみにパメラさんは後輩(こねこちゃん)の誕生日会に出席のため欠席。

フィーナは私たちだけでお祝いしちゃいましょ。

「遅いわよ!何時まで待たせるの!(心細かったんだから!)」

フィーナの部屋に到着すると、何故かプリプリ起こるツインドリルがいました・・・

まだ約束の時間より早いのに何を怒っているのかしら?

睨んでくるツインドリルはスルーして、早速お誕生日会を始めましょう。

「フィーナ誕生日おめでとう!」

「フィーナちゃん、誕生日おめでとうございます。」

「フィーナ様、誕生日おめでとうございます。」

上から私、クロエ、ジュリア。

王族だけどお友達だからそんなに固くならなくてもいいんじゃないのかしら?

そう思っているのは私だけ?


まずはプレゼント贈呈の儀式から。

「はい、フィーナのためにがんばりました!」

ニッコリ笑ってプレゼントを渡す私。

「こちらは私からです。」

続いてクロエからプレゼント。

「フィーナ様、どうか受け取ってください!」

ラッピングされたプレゼントを両手で付き出すように差し出すジュリア。

愛の告白ですか?

「ありがとう!開けてもいいですか?」

キラキラした目で私を見つめるフィーナ。


「え!?まさかミスリルの腕輪ですか!?ネロちゃんすごいです!」

まずは私のプレゼントに驚いてくれたみたいで一安心♪

「フィーナのために作った一点ものよ、大事にしてちょうだい♪」

続いて次のプレゼントを開けるフィーナ。

「こちらはクリスタルフラワー!?クロエちゃんありがとう!」

私はチラリとクロエを見つめます。

「ネロちゃんのプレゼントに負けないように、熊さんとルティアに手伝ってもらって森の奥に取りに行って来ました♪」

100年に1度だけ咲く幻の花を採取してくるなんて、クロエがとっても行動派です。

昔はあんなにお淑やかだったのに・・・

最後のラッピングを開けるフィーナ。

「最後は大きなウサギさんのぬいぐるみです!ジュリアもありがとう!」

「フィーナ様のためにがんばって作りました!」

ドヤ顔のジュリア。

まさかツインドリルにこんな特技あるなんて知りませんでした・・・

その後、お茶会に突入し、私がフィーナのために焼いたバースデーケーキをみんなで分けて食べました。


「あの・・・私から3人にお願いがあるのです・・・」

突然切り出してくるフィーナ。

何かしらとっても思いつめた顔のような?

「私の・・・私の三騎士になってください!!」

「わかりました!」

「よろこんで!」

「お断りします!」

上からクロエ、ジュリア、私。

「え!?ネロちゃん!?どうして!?」

私の返事を聞いて驚愕の表情を浮かべるフィーナ。

まさか断れると思っていなかったとか?

だってねぇ・・・黒の当主(ノワール)だし、黒猫姫のお仕事もあるし無理でしょ・・・

次第に泣きそうな顔になるフィーナ。

そして・・・

「ネロちゃんのいじわるーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

泣きながら部屋から出て行ってしまうフィーナ・・・


シーン・・・

「ちょっとネロさん!姫様が私たちにお願いしてきたのに何で断るのです!信じられませんわ!これは王家に対する裏切り行為ですわ!」

ツインドリルが凄い勢いで突っかかってきます・・・

「そんな事言われても出来ないことは出来ないってハッキリ断らないと失礼でしょ!」

フィーナが戻ってくる気配も無く、本日の誕生日会はこれにて終了・・・

明日にはフィーナの機嫌がなおっているといいのだけど・・・


深夜、そっと動き出す人影が一つ。

影から這い出てきた小さな白い蛇に指示を出す。

「アノカタニシキュウホウコク、サンキシエラビシッパイニヨリヒメノセイシンフアンテイ、ネラウナライマ!」

コクリと肯き影へと消えていく小さな蛇。

小さな蛇が消えたのを確認し、その人物は再び部屋へと戻って行った。


その夜、ご立腹のフィーナがいました。

「もうもうもう!ネロちゃんなんて知らない!ネロちゃんなら絶対三騎士を受けてくれるって信じていたのに!もう絶交です!」

「姫様、そんなに興奮なされては可愛らしいお顔が台無しでございます・・・」

必死にフィーナを宥めるクレア。

絶交と言いながらしっかりとプレゼントの腕輪をしている辺り、一時的なことなのかしら?

そんなフィーナを微笑ましそうに見つめるクレア。

「フィーナ様、学園に向かわれるお時間です、お着替えを!」

「むぅぅ・・・わかりました!」

頬を膨らませ、若干不服そうなお顔のフィーナ様。

そんなところも可愛らしいと思う私。

妹を持ったらこんな気分になるのかしら?


「ふぅ・・・、ねえクレア・・・ネロちゃんにどんな顔で会えばいいのかしら・・・」

今度は落ち込んだみたいです。

今日の姫様はコロコロと表情が変わります。

「昨日の件については、ネロ様にも何か事情があるのでしょう。いつも通りご挨拶なさればよろしいと思います。」

「そうなの?でも、昨日酷いことを言ってしまったし・・・」

自信なさげに俯く姫様。

「大丈夫です。ネロ様はそんなことで姫様を嫌いになどなりませんよ。」

「うん・・・」

姫様の顔にいつもの笑みが戻りました。

もう大丈夫でしょう。

「さあさあ、お急ぎください!学園に遅れますよ!」

「クレア、早く早く!」

素早く着替えを済ませ、姫様を食堂へと送り出す私。

今のうちに馬車の手配を済ませましょう!


「クレア、それではいってきます!」

「はい、いってらっしゃいませ姫様。」

学園に到着した馬車でお見送り。

それでは城へと戻りましょう。

私はこれが姫様と会話する最後だとは知る由もありませんでした・・・


賑やかないつものクラス。

平常心、いつもの私らしく!

「おはようございます!」

「「「フィーナ様おはようございます!」」」

あら?何故か教室の中が息苦しいような・・・

気のせいでしょうか?

「フィーナおはよう」

「フィーナちゃんおはよう」

ネロとクロエもいつものように挨拶してくれます。

どうやら心配し過ぎだったみたいです・・・

「あのね・・・ネロちゃん、昨日は酷いことを言ってごめんなさい・・・」

「大丈夫、気にしてないわ。」

そう言いながらそっと私の頭を撫でるネロちゃん。

怒っていないみたいでよかった・・・

「お前たち、席に着け!始めるぞ!」

担任のルード・ベキア先生がやって来たので全員着席。


「それでは出席を取るぞ!」

いつものように叫ぶルード・ベキア先生。

しかし、今日はいつもと違いました・・・

「クックックッ!茶番は終わり。さあ、宴を始めよう!」

ヴィス・オンブルさんが突然立ち上がり呪文を唱えます。

「闇巫女ソンブルの名において命じる!深き黄泉より来たりて我に従え!出でよ邪骨兵!」

教室の四方から黒い靄が立ち上り蛇と人が混ざったような骨のバケモノが出現!

教室内は大パニックになりました。

「「「きゃぁぁぁっ!!!!」」」

「「「誰か助けて!!!」」」

「「「こっちに来ないでバケモノ!!」」」

逃げ惑う生徒たち。

そんな中、バケモノに突撃する一つの影。

「おらぁ!あたしの生徒に手を出すんじゃないよ!!!」

ルード・ベキア先生が何処からか剣を出し、邪骨兵に突撃していきます。


「こいつらはあたしに任せてお前たちは逃げろ!」

バケモノたちの前に立ちはだかるルード・ベキア先生。

生徒たちは教室の扉に殺到。

しかし・・・

「嘘!?扉が開かない!?」

「何で!?」

「「「ちょっと早く開けてよ!」」」

「「「あいつらが来ちゃう!」」」

「「「何してるのよ!!!」」」

そんな私たちをあざ笑う闇巫女ソンブル。

「愚かな、逃がすわけが無かろう?フィーナ姫そなたが我等の生贄になると言うなら他の者は助けてやってもよいぞ。どうする?」

狙いは私ですか!

他の皆さんを犠牲にするわけにはいきません!


「私が目的なのですね。私を連れて行きなさい!他の者には手出し無用にお願いします!」

一歩前に出る私。

「「「姫様ダメです!!」」」

「「「そんな奴が約束を守るわけありません!!!」」」

みんなの声が聞こえます。

しかし、今は他に選択肢がありません・・・

「ほう、勇敢だな。よかろう、そなたが手に入れば他の者には用は無い。解放してやろう。さあ!来るがよい!!」


「フィーナにそんなことさせるわけ無いでしょ。ここからは私のターンです!」

ズイっと私の前に出るネロちゃん。

「え・・ネロちゃん!?」

困惑顔の私を他所にニッコリ微笑みながら私の頭を撫でてきます。

「フィーナは安心して後ろにいてちょうだい。クロエ、フィーナをお願いね!」

「はい、ネロちゃんも気をつけて!」


「ダメ!戻ってネロちゃん!!」

そんな私の叫びを聞いても止まる事無く闇巫女ソンブルへと突き進むネロちゃん・・・

あぁ・・・神様・・・

「愚か者、死に急ぐか!邪骨兵、こやつから殺せ!!」

ふふん、舐められた者ね。私相手に3体だなんて・・・

不敵に笑いながらいつものキーワードを唱えます。

「変身!!黒猫姫!!!!」

胸元に出現した猫王の鈴が光り輝き全身を包み込みます。

そして、私の体は少女の姿から漆黒のドレスを纏った17歳の黒猫姫へと変身!

私に迫る邪骨兵と教室に溢れる邪骨兵を浄化魔法で根こそぎ消滅させます。

「始まりと終わりを告げる者!創生と破壊を司る始原の炎よ!新たな世界を創造せしめよ!!Flame Of The Purification!!」

教室一面に魔法陣が浮かび上がり、全てを黄金の炎が包み込んでいく。

「「「きゃぁぁぁっ!?あれ・・・熱くない・・・」」」

「「「何これ!?」」」


浄化され清浄な空気に包まれる教室。

「ちぃっ!まさか貴様が黒猫姫だったとは・・・」

苦々しく表情を歪める闇巫女ソンブル。

そんな彼女の影から黒鱗の使徒が出現。

「ソンブル様、ココハ一度引クベキカト・・・」

「まだ機会はある、一度引くとしよう!黒猫姫、勝負は預ける!」

自分の影に溶け込むように姿を消す闇巫女ソンブル。

「逃がすわけ無いでしょ!シャッテン追います!クロエ、後は頼みます!」

影から現れたシャッテンと共に追撃です!


「クロエ、ネロちゃんは・・・ネロちゃんは・・・」

呆然とした顔でフィーナちゃんが説明を求めてきます。

「はい、ネロちゃんはずっとこの国をあの者たちから守ってきたのです。だから三騎士にはなれないって言っていたのです。」

私の中を衝撃が駆け抜けました・・・

「私はネロちゃんの友だちなのに何も知らなかったのですね・・・」

俯く私。

「仕方ありません、何時情報が漏れるかわからないのでみんなには内緒でしたから。それよりも、今は避難しましょう!」

「全員いるか!直ちに移動開始!」

ルード・ベキア先生の指示に従い全員で学園から避難します。

駆けつけた騎士団が護衛として付き従い、各自帰宅することになりました。


今回の一件でしばらく学園は閉鎖になるでしょう。

今の私に出来ることは・・・

「クロエちゃん、ジュリアお願いがあります。パメラさんを連れてきてください。そして私と一緒にお城に来てください!」

凛とした声で2人にお願いします。

「「わかりました」」

すぐさま別学年の集合場所に向かって走って行く2人。

ネロちゃん、私も私の出来ることをします!


クロエちゃん、ジュリア、パメラ先輩の3人を伴いお城に帰還。

次の行動を開始します!

「一刻を争います。魔法師団の方々は儀式の準備をお願いします。私は母様と話をしてきます。クレアは3人に軽食とお茶をお願い!」

「「「かしこまりました!」」」

各員に指示を出し、母様の部屋を目指す私。

ネロちゃんだけを戦わせたりしません!


「母様、フィーナです。入ります!」

「お入りなさい。」

執務室には既に騎士団や魔法師団の関係者が集まっていました。

「現状報告を!」

「はっ!現在、王都全域にて邪骨兵と黒鱗の使徒が暴れており鎮圧のために騎士団と魔法師団の小隊が動いております。」

王都全域で襲撃!?

私を誘拐するための陽動だったのでしょうか?

「各部隊はそのまま迎撃に勤めてください。他の部隊は編成が終わり次第、住民を城へと避難誘導を!」

騎士団と魔法師団に指示を出しクルリと私の方を振り返る母様。


「フィーナ、話は聞いています。学園に闇巫女が直接乗り込んできたようですね。無事で何よりです。それで、何があったのか話してくれますか?」

「はい、お話します。」

私は学園での出来事、そしてネロちゃんのことを母様に話しました。

「そう・・・ネロちゃん・・・そう言うことだったの・・・」

ジロリと傍らにいるルクリア様を睨む母様。

「ずるいじゃない!そんな重要なこと(たのしそうなこと)を内緒にしているなんて!」

そんな母様の反応に澄まし顔のルクリア様。

「お前に話したら敵に筒抜けになりそうだからな。敵を騙すにはまず味方からだ!」

「いつもいつもずるいわ!私も仲間に入れてちょうだい!!プンスカプンスカ!!」

駄々をこねる母様・・・久しぶりの駄々っ子モードです・・・

あの・・・非常事態です母様・・・自重してください・・・

「姫様、ネロは闇巫女を追っていったのですね?」

「はい、追撃していきました。それが何か?」

思案顔のルクリア様。

「伝令!騎士団及び魔法師団に通達!全員装備変更!黒鱗の使徒が総力戦を仕掛けてくる!」

「「「了解!!」」」

すぐさま伝令が走ります。


「母様、私はこれより三騎士の儀式に入ります。暗黒竜の封印の強化が今こそ重要なはずです!」

駄々っ子モードから回復?した母様が私を見つめてきます。

「わかりました。念のため護衛をつけます。フィーナの思うとおりになさい。」

「はい!母様!」

私は一礼し、みんなの待つ部屋へと向かいました。

基本、週末更新です。

ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ