邪結晶の恐怖!
問題だらけだった新人が辞めると言い出しました。
また、お仕事が増える予感がします・・・
更新ペース落ちないようにがんばります!
それはともかくシリアス回です!
瘴気が立ち込める暗い部屋。
ここはオンブル男爵家の地下室。
その部屋の中には二つの影が存在していた。
「懸案だった黒猫姫については我が力があれば問題ないと判断する。それよりも此度の働き見事であった。そなたには褒美を授けねばならぬな!」
上機嫌な闇巫女。
「この王都に負の感情が渦巻き始めておる。負の感情は魔刻陣へと集まり、瘴気へと変わる。その瘴気は我の力となる。」
ニヤリと笑う闇巫女。
「そなたの働きのお蔭で少なからず王都の者共は我らに恐れを抱いた。なればこそ、褒美の一つもやらねばならぬと言う訳だ。」
「アリガタキシアワセ!」
そう言いながら、右手に力を集中する闇巫女。
力を一点に集め、凝縮し、闇色の小さな菱形の石を生み出す。
「ソレハイッタイ!?」
「これは邪結晶。暗黒竜様の力を凝縮した物だ。これをそなたにやろう。この力を取り込めば黒猫姫に負けることはあるまい。」
「オォッ!マコトデゴザイマスカヤミミコサマ!」
「さあ、受け取るがよい!この力を使い、王都に更なる恐怖と絶望を!」
使徒の額へと吸い込まれていく邪水晶。
「オォッ、チカラガミナギッテクル!オマカセクダサイ!カナラズヤオウトヲキョウフトゼツボウニソメアゲテミセマス!」
それを見つめる闇巫女の視線はとても冷たいものであった。
「その力、暗黒竜様のためになるのだ本望であろう?」
興奮状態の使徒には、闇巫女の呟きは聞こえていなかった・・・
ネロです。
昨晩、敗北しました・・・
まさか浄化の力が通じない相手がいるなんて・・・
これは特訓するしかないでしょ!
そんなわけでやって来ました黒い庭!
必殺技が敗れた主人公が特訓するのはお約束ですから!
浄化の炎は基本、火炎放射なのよね。
火力が拡散しちゃうからあの闇巫女の紫炎に力負けしたのかも?
打開策はやっぱり一点集中かしら!
一点集中した浄化の炎を零距離から叩き込む!これしかないわね!
やはり基本は右手に力を集中させて!
「はぁぁぁっ!!!」
気合を入れて右手に浄化の炎を集中!
イメージ、イメージするのよ!
私がイメージしたのは、何故か巨大な肉球・・・
だって黒猫メイド隊が視界に入ったんだもん・・・
「名付けて” Blaze Of Cat"ってところかしら?」
出来上がったのは炎で出来た猫の手の形状のグローブ?
きっと頭の隅に猫の手を借りたいって気持ちがあったのね・・・
実際に使ってみると、インパクトの瞬間、肉球部分が爆発!
力と言うより、爆発力で倒す感じかしら?
しかし、問題も発覚・・・
現状、発動までに15秒もかかるのよね・・・
今のままではスピードタイプの敵には使えないわね・・・
あとは反復練習あるのみ!
繰り返し発動練習をして10秒に縮めたところで本日の修行終了。
黒い庭から帰宅した私を待っていたのはブチさんでした・・・
「姫様、昨日の奴が王都中央広場に出ましたにゃ!」
「何ですって!?昨日の今日で出てくるなんて・・・」
こっちの準備は待ってくれないわよね・・・
「黒猫騎士団、総員戦闘準備!ただちに出撃する!」
「「「了解!」」」
「「「にゃっ!!!」」」
こうなったら新必殺技はぶっつけ本番ね!
王都中央広場に到着した私が見たのは、ひしゃげた鎧を身に纏った騎士たちが積み上げられているところだった・・・
「な・・・何が一体!?」
私の呟きが聞こえたのか、舌で振り回していた騎士を放り投げ、臨戦態勢を取る使徒。
「キタナクロネコヒメ、キョウガオマエノメイニチダ!」
「凄い自信ね!やれるものならやってみなさい!夜を騒がす不届き者!この黒猫姫が相手になるわ!黒猫騎士団突撃開始!!」
愛刀を抜刀し、使徒に向かって切り込む私。
「ゲロゲーロ!オロカナ!オレガキノウマデノオレトオナジトオモウナヨ!」
その光景を屋根の上から見ているNNNのメンバー。
「始まったにゃ。姫様大丈夫かにゃ?」
「大丈夫にゃ!姫様は無敵にゃ!」
「それよりも、周りの警戒しっかりとにゃ!」
闇巫女への警戒はしっかりと!
黒猫騎士団と連携し、一瞬の隙を作ってもらい浄化の炎を放つ私、しかしその攻撃は紫炎によって防がれていた。
「浄化の炎が届かない!?その力は!?」
驚愕する私。
「オドロイタカ!ヤミミコサマヨリサズカリシジャスイショウノチカラハコンナモノデハナイゾ!」
得意気に説明するカエル顔の使徒。
厄介な・・・
ただでさえ切り札の浄化の炎が通じないのに、闇巫女無しで紫炎を使えるなんて計算外よ!
取れる手段は例の新技だけね・・・
しかし、チャージに時間が・・・
ううん、迷っている暇は無いわね!
女は度胸!!
「全騎、散開して突撃開始!波状攻撃をしかける!!」
黒猫騎士団12騎の連携攻撃受けてみるがいい!
私はその隙にチャージを開始!
10秒が長いわ・・・
ううん、焦ってはダメよね・・・
「ゲロゲーロ、ムダムダムダァッ!!ナンタイコヨウトモンダイナイ!オレサマノシタノエジキダ!!!」
以前より禍々しさを増した舌で黒猫騎士団を弾き飛ばす使徒。
その一撃は凄まじく、黒猫騎士団のメンバーが噴水やベンチに叩きつけられ、動けなくなりました・・・
残っているのは隠密と私だけね・・・
「ゲロゲロゲロ、ドウシタ?コナイノカ?ソレトモオソレヲナシタカ?」
挑発してくる使徒。
あの子たちに気を取られてくれたお蔭様でチャージ完了よ!!
「お言葉に甘えさせてもらうわ!!!唸れ炎猫拳!!Blaze Of Cat!!!」
「ナンダソレハ!?ジャケッショウヨワレニチカラヲ!!!!」
邪結晶から更なる力を引き出す使徒。
紫炎が使徒の全身を包み込んでいく・・・
構わず右手を突き出しす私。
「ハアアアアァァッ!!!!」
「ナンノォォォォォッ!!!フルパワーダァァァッ!!!!」
黄金の炎と紫炎がせめぎ合う!!
そして弾き飛ばされる私・・・
「がはぁ・・・」
くっ、チャージが足りなかったの!?
「クゥゥッ・・・ヤッテクレタナクロネコヒメェ!イマノハアブナカッタゾ!!!」
咄嗟に防御して私の攻撃を防いだ使徒。
その両手からは青い血がポタポタと流れ、地面を染めていく・・・
しかし、決定打にはならなかったみたいね・・・
再びチャージする隙はくれないわよね?
「黒曜、琥珀、翡翠、瑪瑙!時間稼ぎをお願い!」
「「「了解!!!」」」
待機させていた隠密を投入!
「サセルカヨ!ソノワザハツカワセネェ!テメェラミナゴロシダ!!!!」
四方から仕掛ける隠密、しかし接近を許さない使徒。
それを横目にチャージする私。
「ジャマダァァァッ!!!!」
隠密たちを吹き飛ばし、私に向かって来る使徒。
黒猫騎士団のメンバーはヨロヨロ立ち上がり始めたばかり・・・
間に合わない・・・
「コレデオワリダ!!!シネェェェッ!!!!」
使徒の攻撃が私に迫る!!!
「姫様!!危ないにゃ!!!グフゥ・・・」
「くっ!?・・・えっ・・・ブチさん!?」
使徒の攻撃の前に立ち塞がったのはブチさんでした・・・
強烈な一撃を受けて吹き飛ぶブチさん・・・
ブチさんがくれたチャンス無駄にはしないわ!!!
「これで終わりよ!!!Blaze Of Cat!!!!」
「マダダァァァァッ!!!ジャケッショウヨモットチカラヲ!!!」
黄金の肉球に押しつぶされまいと紫炎をひねり出す使徒・・・
「ハアアァァァァァァッ!!!!」
「ヤラセルカァッ!!!!」
「ウグゥ・・・イッタイナニガ・・!?」
突然、紫炎の力が弱まる。
これはチャンス!!
「お前の負けよ!Fire Of Purge!!」
追撃の浄化の炎!
「グギャギャギャ・・オ・・オレガマケルダト・・・ヤミミコ・サマバ・・ンザイ・・・」
黄金の炎に包まれ燃え尽きる使徒。
そんなことよりブチさんは!?
「ブチさん!!!」
血の海に沈むようにグッタリと倒れているブチさんに駆け寄る私。
「姫・・・様・・無事だった・・かにゃ・・・?よかった・・・にゃ・・・」
「ブチさん、しっかり!お願いだから目を開けて!!」
ブチさんの体は使徒の攻撃をまともに受け、グズグズに潰れていた・・・
内臓破裂、そしてお腹の半分が吹き飛ぶほどの衝撃・・・
強化をされていないブチさんが無事なはずも無く、誰の目からも明らかな致命傷・・・
それでも、無駄だと知りながらも欠損再生の魔法を使う私。
たとえ僅かでもブチさんが助かる可能性があるのなら・・・
「ひめ・・さ・ま・・・みんな・・を・・たのみま・・す・・にゃ・・」
そっと静かに目を閉じるブチさん・・・
「ダメだよ、目を開けてよ!お願いよ!!!」
私たちは使徒に勝利した、しかし、大切な仲間を失った・・・
「ブチさぁぁぁん!!!!!」
「「「隊長!!!!」」」
「「「にゃにゃにゃ・・・」」」
「「「そんな・・・」」」
号泣する私たち・・・
何時しか天気は雨になり、私たちを濡らしていった・・・
まるで王都も泣いているようだった・・・
同時刻、オンブル男爵家地下室。
カツーン・・・
菱形の赤い石が床へと転移してくる。
そっとその石を拾い上げる闇巫女ソンブル。
「ふむ、倒されたか。まあよい、邪結晶が本来の輝きを取り戻した。あやつも暗黒竜様の力の一部になれて本望であろう。黒猫姫も使徒も我の手のひらの上。存分に踊るがいい!」
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。
<NEW SPELL>
Blaze Of Cat:火力一点集中型の浄化の炎。右手に集められた炎が猫の手を形作り、その猫の手で対象を倒す。近接型のため接近しなければ使えない。未だ未完成である。




