猫の手8 初夢は正夢!?(後編)
大雪&残業でグロッキーな作者です。
また、雪予報が出てますね・・・
通勤できるかしら?
後宮、それは華やかさと謀略に彩られた場所。
綺麗な華には棘があるとは良く聞く話です。
そんな場所に放り込まれたらどうなるかって・・・
ネロです。
いよいよ後宮生活スタートです・・・
「ネロ姫様、この後宮の女官長を勤めますセレスと申します。何かご不明な点やご要望がございましたらいつでもおっしゃってください。ところで侍女はそちらの方だけでしょうか?」
「はい、私の侍女はシア1人ですが何か?」
何で不思議な者を見るような目で見られたのかしら・・・
「コホン、他の姫君たちは皆様、侍女たちをたくさん連れて来られているので・・・」
あぁ、見得っぱりな姫君が多いわけね・・・
これだから大国の姫君って奴は・・・
「姫様、普通の姫君は侍女をたくさん連れてくるものなのですが・・・」
シアが残念な者を見るような目で私を見てきます・・・
私、あなたの主よね?
女官長の案内で私の部屋へ案内されたのだけど・・・
後宮区画の外の別邸?
完全に別の建物なんですが・・・
「陛下が厨房付きの部屋が必要になったとおっしゃられ、急遽建造されました。」
私の疑問を感じたのか、女官長が教えてくれました。
うん?
何か変な構造じゃないかしら・・・
何故か王宮と繋がっているように見えるのですが・・・
女官長さんの方を振り返る私。
サッと視線を逸らす女官長・・・
嫌な予感がするわね・・・
あからさまに怪しい扉発見・・・
意を決して開けてみるとそこには2mオーバーの筋肉マッチョが両手を広げていました・・・
「姉様、来てくれたんだね!」
今回の事件主犯?のスプリガン王子を確認!
私は自分の小○宙を最大限に高めた一撃を放ちます!
「ボディッッ!!!」
「グフゥ・・・姉様・・何を・・・」
体をくの字に曲げて悶絶するスプリガン王子。
ふん、いい気味だわ!
騒ぎを聞きつけた女官長とシアがやって来ます。
「姫様、何事ですか!?」
「何の騒ぎでしょうか?」
「何でもないわ、シアが気にするようなことじゃないわ。」
すると、お腹を押さえながら扉を開けて入って来る王子の姿が・・・
「「殿下!?え!?」」
いきなりの王子の登場にパニックの2人。
「ひどいよ姉様、折角の感動の再会なのにいきなりボディブローだなんて・・・」
ちっ仕損じたか・・・
「だまりなさい!、誰のせいで帝都に来ることになったかしっかりOHANASHIしましょうね!」
主に肉体言語で!
ボキボキッと手の骨を鳴らしながらにこやかに見つめてあげました。
「ちょっ・・・姉様・・・話し合いましょう・・・暴力反対!」
逃げ腰のスプリガン王子に、ジリジリ間合いを詰める私。
30分経過・・・
梅干みたいな顔で正座する王子の姿がありました。
「大体、自分の後宮に正面から入れないって何?」
「あの・・その・・・それが・・・」
しどろもどろなスプリガンに若干イラッとする私。
ため息を吐きつつ、女官長を見ます。
「・・・」
女官長は、あまりの事態にフリーズ・・・
刺激が強過ぎたかしら?
「それでは、他の姫君たちとの顔合わせは明日ということで・・・」
引きつった顔で連絡事項を告げる女官長。
うん、ごめん、やり過ぎたわ・・・
「姉様・・・足の感覚が・・・」
あぁ、忘れていたわあんたもいたんだっけ・・・
回収班を呼びましょう。
「ミレーネいるんでしょ?これ邪魔だから連れて帰ってちょうだい!」
突然、眼前に黒装束の人物が出現。
彼女の名はミレーネ。
私の幼馴染であり、スプリガン専属の影である。
「ふふっ、ネロ様お久しぶりです。こちらが後宮の姫君たちのリストになります。王子、戻りますよ。」
「ミレーネ!助かったよ!」
まだ、お仕置きが足りなかったかしら?
スプリガン王子とミレーネ、この2人は私の幼馴染である。
ある意味腐れ縁?
父様の友人だったガルンおじ様と一緒に、私の国に遊びに来たのが最初の出会いかしら?
それから何となく懐かれ、気がつくと姉様と呼ばれていたような・・・
弟分の尻拭いは姉貴分の仕事なのかしら?
仕方ないから、明日から正妃候補の姫君たちを査定しましょ。
そして次の日。
後宮の大ホールで姫君たちと顔合わせ。
「あなたが新しい妃候補ですの?随分年上のようですが?」
私を値踏みするようにやって来たのは東のなちゅらるん王国のシエル姫。
年齢は17歳、ピンクの髪のサラサラロングヘアに青い瞳、白い肌の少女。
うん、胸は残念な感じね・・・
「ちょっと私の話を聞いてますの?」
キッと私を睨んできます。
そんなに威圧しなくてもいいんじゃないかしら?
それとも余裕が無いのかしら?
「私は東の小国イズモの第三王女ネロと申します。年齢は25歳になります。」
「イズモ!?あんなケダモノだらけの田舎の国から来たのですの?しかも、随分と年齢が上みたいですわね。来る場所を間違えておりません?ここは、私たちのような高貴な者しか立ち入れない場所ですわ!」
胸を張ってどうだ!と言わんばかりに威圧してくるシエル姫。
そんな平原を自慢されてもねぇ・・・
私の視線(主に胸)に気がついた、シエル姫の隣の子(双子さん)が私に説明してきます。
「おはようございました~、私はアミィっていいますです~。シエル姉様のお胸は国に現れた魔王アフロンとの戦いの影響なのですよ~。魔王アフロンはシエル姉様の魔法の力で倒せたのですよ~。ですが、魔王アフロンの呪いでシエル姉様は、魔法を使うたびに胸が減っていってしまうのですよ~。Aカップだったお胸がAAAカップに激減してしまっておいたわしやなのですよ~。」
ナニソレコワイ・・・
アミィ姫、外見はシエル姫に酷似の白い肌、青い瞳。目元は若干垂れ目のほんわかした感じ。髪はピンクのロングウェーブヘア、しかし決定的に違うのはその胸・・・
あれってGカップ!?
再びシエル姫に視線を戻すと・・・
うん、強く生きて・・・
「にゃんぱ~す!な~んだ、結局胸は無いんじゃん♪ボクはアニー、15歳だよ、南のナンゴック王国の生まれだよ。よろしく~」
アニー姫、褐色の肌に赤い髪、金色の大きな瞳が印象的な元気娘。
色々と発展途上な女の子。それでもシエル姫よりは・・・
「アニィィィィィィィィッッッ!!!待てごらぁーーーっ!!!!」
「ここまでおいでーっ!お尻ぺんぺん♪」
いきなり追いかけっこスタート・・・
高貴な身分は何処へいったのかしら?
そんな2人の追いかけっこに物騒な野次が・・・
「いいぞ、もっとやれー!ぶっ殺せーっ!」
一升瓶を片手に野次を飛ばしている金髪美女は、ミレーネにもらったリストによると西のシュゴー王国のウワバミ姫ね。
年齢は20歳、噂通りの飲兵衛みたいね・・・
西側の国々に多い、金色の髪に青い瞳、白い肌の美女。
しかし、発言が”ぶっ殺せ!”じゃ、百年の恋も冷めちゃうわね・・・
「ピーッピピピーッ!また後宮で暴れてる!後宮規則第9条、後宮内での追いかけっこ禁止!」
笛を拭きながら現れたのはリストによると北のカチコチ王国のミーカ姫みたいね。
年齢18歳、黒髪に雪のように白い肌、そして赤縁のザマスメガネ・・・
委員長っぽい?
ところで後宮規則って何かしら・・・
こうして波乱の顔合わせが終了・・・
みんな、一癖も二癖もありそうね・・・
弟分は結婚できるのかしら?
顔合わせから数日が経過・・・
予想通り、毎日のように私の部屋に押しかけて来るスプリガン王子の姿がありました・・・
「姉様、おやつください!」
「あんたねぇ・・・、19歳にもなっておやつって・・・」
私のこめかみの血管がピクピクします・・・
そんな私たちのやり取りを見てクスクス笑うミレーネ。
失礼よ!ミレーネ、しっかりしつけてちょうだい!
「ネロ様、聞きましたか?西のイスカ王国の姫君が後宮入りするそうですよ。」
「あら、まだ増えるの?スプリガン、いい加減正面から後宮に入りなさい!」
「姉様、みんなの視線が怖いんだよ・・・」
どこまでヘタレなのかしら?それからおやつをたかりに来ない!
他の姫君たちとの関係も少し変化。
スプリガン王子と入れ替わりでおやつをたかりに来るのが2名・・・
「姉ちゃんおやつー!」
「姉様~、お腹空いたです~」
私、妹はいないんですけど・・・
それに、何でこんなに欠食児童がいるのかしら・・・
懐かれてしまったわ・・・
さて、調査の結果、各姫君たちの結婚の理由が判明。
①シエル姫は帝国の所蔵する魔法の品で呪いを解くのが目的みたい。
アミィ姫は、姉であるシエル姫の付き添い&フォローだとか・・・
「シエル姉様は時々残念なことになるので心配なのですよ~」とのこと・・・
しっかりした妹さんだわ。
②アニー姫は王子のお嫁さんになれば珍しい食べ物食べ放題!と言われて来たとか・・・
それでいいの?
ナンゴック王国的には技術が欲しいらしく、主に食料の加工技術&料理(調理法)が目的みたい。
「フルーツは美味しいけど、毎日は飽き飽きだよ!色々な食べ物を食べてみたい!」とはアニー姫談。
食欲優先ね・・・
③ウワバミ姫は帝国に貢物としてやって来るあらゆるお酒が目的みたい・・・
「珍しいお酒が飲めれば、誰と結婚してもいいわ!」と豪語していたわ・・・
シュゴー王国=酒豪王国なのね・・・
④ミーカ姫はお金&開発が目的みたい。
北のカチコチ王国は極寒のため、毎年死者が多いらしく、暖房設備の拡充が必須とか・・・
王子と結婚して、国の開発をしたいみたいね。
姫君たちの中で一番結婚したいのはこの子かしら?
調査結果を見ると誰もスプリガンを愛してはいないと・・・
大丈夫なのかしらこの後宮・・・
これから来る最後の1人に期待するしかないわね・・・
そして、やって来た最後の姫君は・・・
お人形さんみたい・・・
イスカ王国のサーシャ姫、年齢19歳、銀色の髪、白い肌、細く儚い感じの美少女でした・・・
「あぁ・・・ぁ・・・ぁの・・・ょ・・よろしくおねがぃしますぅ・・・」
極度の緊張体質?か細い声でのご挨拶に他の姫君たちは・・・
「何アレ、私の勝ちね!」
「緊張かもかも~」
「お腹空いてるのかなー」
「お酒が飲めれば何でもいいわ!」
「ハッキリしない方は好きになれません!」
みんなの辛口評価・・・
もちろん彼女が耐えられるはずも無く・・・
「私・・・私・・・」
泣きながら走って逃げてしまいましたとさ・・・
ふぅ、ダメね、あぁいった子を見るとお節介したくなるのよね。
さて、何処に行ったかしら?
後宮の外の木々の下で蹲って泣いているところを確保し、私の私室?に連行しました。
「はい、これでも飲んで落ち着きなさい。お菓子もあるわよ?」
「ぁのぅ・・・あ・・ありがとぅご・ざいます・・・」
紅茶の入ったカップを受け取り、やっと一息かしら?
「あの、どうして私に優しくしてくださるのですか?私も後宮ではライバルになるのでは?」
もっともな疑問を口にしてきます。
「あなたみたいな子を見ていると、ちょっと手を差し伸べたくなる性分なのよ。好きでやってることだから気にしないでちょうだい。」
そう言って苦笑する私。
ある意味病気?ダメな子ほど可愛いって奴よきっと・・・
こんなときに限って空気の読めない来客があるわけで・・・
私の部屋の秘密の扉?からガチャガチャ音を響かせてやって来るスプリガン王子・・・
「姉様、訓練でお腹が空いたのでおやつください!あっ!?」
「えっ!?・・・」
あっ!?じゃないわよこのお馬鹿!!
何普通に入って来てるのよ!!
サーシャがいきなりの王子との遭遇で固まったじゃないの!!
この空気どうするのよ!!
じっと見つめ合う2人・・・
あれ?両者共何だか頬を染めているような・・・
「ミレーネ、これってもしかして?」
「はい・・・多分ご想像通りかと・・・」
うん、人が恋に落ちる瞬間を見るとは思わなかったわ・・・
これが一目惚れって奴なのね・・・
10分経過・・・
あぁ焦れったい、どちらからでもいいから何か言いなさいよ!
お互いを意識してしつつ、チラチラと顔を窺い合う2人。
それ以上に進展しないこの状況、見せられている方には拷問よね・・・
「スプリガン、何か言ったらどうなの・・・」
「え・・・っとあの・・・姉様、何て言ったらいいのか・・・」
ヘタレだわ・・・
本当に12人のお嫁さんがいるおじ様の息子なのかしら・・・
そして、お互いに同じお菓子を取ろうとして指先が触れ・・・
「「あっ!」」
パッと手を引っ込め、赤くなる2人・・・
小学生レベルの恋愛かしら?
「脈はありそうね・・・」
「えぇ・・・ですが、これをずっと見守るのはちょっと・・・」
ミレーネ、私も同じ気持ちよ、今なら砂糖を吐ける気がするわ・・・
リア充爆発しろ!って叫ぶところかしら?
この日を境に、私の部屋での2人の密会は続いていきました・・・
段々と会話もするようになり、イチャイチャレベルが上昇・・・
それを見せられるミレーネと私はため息が止まりません・・・
うん、他所でやれ!とは私の意見。
そんな奥手の2人も2ヵ月後には後宮の外へデートに出かけるレベルに!
しかし、何故か外のデートにまでお供させられる私・・・
「姉様、ついてきて下さい!」
「私からもお願いします!」
2人が私の同行を強くお願いしてきます・・・
護衛役のミレーネがいるからいいんじゃないの?
何で弟分のデートに姉貴分が同伴なの?
理解が追いつきません・・・
「ねぇ、ミレーネ、私たち何やってるのかしら・・・」
「言わないでください・・・不毛です・・・」
2人のイチャイチャを眺めながらため息を吐く私たち・・・
ドウシテコウナッタ・・・
弟分のイチャイチャ具合の報告はおじ様にも届いているらしく、ひょっこりやって来たおじ様にものすごく感謝されたわ・・・
「ネロちゃん、本当にありがとう!助かったよ!あいつ1人じゃ絶対結婚出来そうになかったんでな、幾ら感謝してもしたりねぇ!褒美は何がいい?何でも言ってくれ!」
「報酬はとくにいりません。あの子が結婚したら後宮を出て帰りますからね。結婚式まではお付き合いします・・・」
力なく答えるのがやっとでした・・・
5ヵ月後、国を挙げての盛大な結婚式が行われました。
うんうん、やっと私のお仕事も終わりね。
あの奥手だった2人が大勢の前で誓いの口ずけをするまでになるなんて・・・
立派になったものね・・・
でもね、この5ヶ月は本当に拷問でしかなかったわ・・・
誰が好き好んで弟分のラブシーンを眺めなきゃならないのよ!
そうそう、スプリガン王子が珍しくおじ様に意見を言ったとか・・・
「僕は、彼女と結婚します!だから後宮は不要です!」
おじ様も驚く変化とか・・・
王子の意見を採用し、王子の結婚後に後宮の解体が決定。
私も荷造りの真っ最中です。
さて、また馬車の旅が待っているのね・・・
お尻対策はしっかりしなきゃ!
ガチャガチャ・・・
え?
私の部屋の扉を開けて入ってきたのは、新婚旅行に行ったはずの新郎新婦・・・
あなたたち、何でここにいるの!?
「姉様、何をしているんですか!?」
「何って帰国の準備よ?後宮も解体されるのにいつまでもいるわけないでしょ?」
変なことを聞いてきます・・・
「姉様は僕たちと一緒に新婚旅行に行くんです!」
「はい、一緒に来てください!」
何を言ってるのこの馬鹿夫婦・・・
チラリとミレーネを見るとお手上げのポーズをしています・・・
何でこのお馬鹿さんたちを止めてくれないのよ!
「何で新婚旅行に私が行かなきゃ行けないのよ!あなたたちの新婚旅行でしょうが!」
「いいから行きましょう!」
「姉様、早く!」
私の両手を引っ張る2人・・・
「馬鹿、ちぎれるーーーーーーーーーーーっ!!」
誰かが呼ぶ声で目が覚めました・・・
「お嬢様、お嬢様、大丈夫でございますか?凄い汗ですが、何かございましたか?」
心配そうに見つめてくるシア。
「ちょっと嫌な夢を見てね・・・、夢でよかったわ・・・」
恐ろしい夢だったわ・・・
「あの・・・お嬢様、その両手の痣はどうなさったのでしょうか?」
シアが変なことを言ってきます・・・
両手の痣?
私の両手には、まるで掴まれたような後が・・・
え・・・、さっきのは夢よね・・・夢だと言って・・・
バタンと倒れる私・・・
「お嬢様!?誰か、誰か!!!!」
シアの叫び声がやけに遠くに感じました・・・
神様、夢だと言ってください・・・
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等おまちしております。
<おまけ>
胸対比
アミィ>ウワバミ>ミーカ>ネロ>サーシャ>アニー>シエル




