猫の手8 初夢は正夢!?(前編)
今頃初夢ネタが降りてきたので形にしてみましょ♪
本作品は「末っ子は黒を好む?」です。
ご安心ください。
登場人物&団体等はフィクションです。
深いツッコミは無しの方向で・・・
初夢、それは一年の最初に見る夢。
そして、一年の吉兆を占うとも・・・
元旦の喧騒も終わり、就寝時間になりました。
「シア、それではよい夢を。」
「はい、お休みなさいませお嬢様。」
シアと別れて就寝する私。
さてさて、どんな夢を見るかしら?
惑星イルカディア。
海7:陸3の地球型の惑星。
その最大の大陸テロン。
大小さまざまな国々がひしめくこの大陸を統一するものが現れた。
赤い髪、赤銅色の肌を持つ、筋骨隆々の大男、名をガルン。
ガトランディア帝国皇帝ガルン。
彼は、騎竜ゼークトを駆り、12人の妻たちと共に大陸を駆け回り、数々の国を併合していった。
あれから10年、色々な事があった、いい奴程俺を置いて先に死んでいく・・・
感傷に浸る皇帝ガルド。
おっと、今はそんなときじゃねぇんだった・・・
現在、帝国の東の外れの小国に向かい飛行中。
「ゼークト、急げ!息子の将来がかかっているんだ!」
「ガルン、これでいっぱいいっぱいなのだが・・・」
騎竜ゼークトがぼやく。
「お前だけが頼りだ!」
「まったく・・・そう言われればやるしかないな・・・」
ニヤリと笑うゼークト。
そして、さらに加速していった。
ネロです。
東の小国、獣人たちの住まう国イズモの第三王女をやってます。
25歳、黒髪、黒い瞳、猫耳の三拍子♪
イズモの国は獣人だけが住んでいる辺境の国。
母体の中にいる間に、自分の魂に合った獣魂が体に宿り、獣人として生まれます。
そのため、家族でも種族が違うのが普通です。
現在、教会の孤児院にて子供たちにお話会を開催中です。
「こうして、白馬の王子様にあこがれすぎたお姫様は、自分が王子様になってしまいましたとさ。」
「「「姫様みたい!」」」
「「「うんうん」」」
私ってそんなに男らしいかしら・・・
ちょっとショックを受けました・・・
「姫様!大変でございます!すぐにお戻りください!!」
「シア、何事?ちょっと落ち着きなさい。」
私専属猫耳メイドのシアがハアハア言いながら孤児院に飛び込んで来ました。
そして、そっと耳打ち。
「皇帝陛下が内密でいらっしゃております・・・」
「ぶっ!?」
思わず噴出す私・・・
皇帝陛下が単独で東の果ての小国に来るなんて、フットワーク軽すぎでしょ!
「みんな、用事が出来ちゃったから今日はこれで帰ります!院長先生の言うこと聞いて良い子にするのよ!」
「「「はい、姫様!」」」
子供たちに挨拶をし、ダッシュで愛馬に飛び乗り王城へUターン!
「まったくおじ様ったら何考えてるのよ!」
「現在、陛下と歓談しておいでです。」
馬で併走しながら説明するシア。
あの2人、昔は一緒に暴れていたとか・・・
とっても嫌な予感がするわ・・・
王城の庭にはグッタリとした姿で横たわるゼークトの姿が・・・
「ゼークト、大丈夫なの!?」
「ハアハア・・ネロ嬢・・ちゃんか・・・大丈夫・だ・・・ガルンが無茶させやがって・・・」
全然大丈夫じゃないわね・・・
「シア、ゼークトに水と食事を!私はおじ様たちの所に向かいます!」
「かしこまりました!」
さて、私が2人が歓談している部屋へと行くと・・・
「ふざけるな!いくらお前が友とはいえ、いきなりやって来て娘を後宮に入れろだと!娘は絶対にやらんぞ!!!」
いきなり父様の怒号が聞こえてきたわ・・・
「まあ聞け、白炎。何も本当に嫁に寄越せって言うんじゃねぇんだ。もちろん、あいつの嫁に来てくれるなら大歓迎だがな!」
不穏な発言が飛び交ってるわね・・・
ここに入るの・・・
あぁ、帰りたい・・・
意を決してノックする私。
ノックノック!
「父様、ネロ参りました。」
「入れ・・・」
入室すると怒気で紅潮した顔の白い虎の獣人の父様とにこやかな顔のガルンおじ様の姿が・・・
止めてよ、取っ組み合いとかされても止められませんからね・・・
「おぉ、ネロちゃん久しぶりだな!美しくなったな!どうだ、俺の後宮に入るか?」
ガハハハッと笑いながら私に話しかけてくるおじ様。
それとは対照的に、ビキビキッ!父様の額の血管が凄いことに・・・
「ガルン、うちの娘を口説きに来たのか!表に出ろ!」
一触即発な父様・・・
「おじ様、挑発しないで!父様、冷静に!」
何で宥め役が私だけなの・・・
「いやぁすまんすまん、白炎の奴の反応が楽しくてな!美しくなったってのは本当だぞ!今日はネロちゃんに頼み事があってな!」
私ですか・・・
非常に嫌な予感・・・
ズザッ!突然土下座するガルンおじ様・・・
「頼む!この通りだ!息子のために後宮に入ってくれ!」
「えぇぇーーーーっ!?」
何で私が後宮に!?しかもおじ様の息子って、幼馴染のスプリガン王子!?
「あいつときたら、俺の息子なのに覇気が無くてな、あいつも17歳になったことだし、専用の後宮を作ったんだが尻込みしやがってな、ネロちゃんにあいつの後宮に入ってもらって、発破をかけて欲しいんだ!!」
おじ様の1人息子のスプリガン、昔から気が弱くて力持ちな子を地でいく子だったけど未だにそうなのね・・・
チラリと父様を確認。
何だかほっとした顔なのは気のせいかしら?
「ネロ、ガルンも困っているらしい、どうだ?」
気の毒に思ったのか、ガルンおじ様を擁護する父様。
やっぱり男親は親近感があるのかしら?
あの子の姉貴分とし一肌脱ぐしか無いようね・・・
「た・だ・し条件があります!私は自炊したいので厨房付きの部屋をお願いします。それと、正妃が決まったら後宮から出ますけどよろしいですよね!」
「あぁ、構わん。部屋は飛びっきりのを用意する!なんなら本当に嫁いでくれてもいいんだぞ?その方が妻たちも喜ぶし!」
そうなのです、おじ様の奥様たちにもの凄く気に入られているのよね私・・・
何かしたかしら?
そんなおじ様を殺意を込めて睨む父様・・・
だからおじ様、父様を挑発しないでください・・・
こうして、なし崩しで後宮行きが決定した私・・・
波乱の予感しかしないわ・・・
「ネロちゃん、帝都で待ってるぞ!行くぞゼークト!」
「まったく、竜使いが荒いな・・・」
おじ様とゼークトは、慌しく帝都へと戻って行った・・・
「シア、後宮入りが決まったのから、荷造りを!私は母様に報告してくるわ!」
「姫様、後宮でございますか!?姫様は私のものなのにお嫁に行くだなんて!?」
シアが壊れたわ・・・
パニック状態のシアを置いて、母様に報告に行きましょ・・・
母様の部屋へ。
ノックノック!
「母様、ネロです。」
「お入りなさい!」
そこには優雅に9本の尻尾を動かしながら寛ぐ母様の姿がありました。
漆黒の毛並み溢れる母性の九尾の狐の母様。
うん、傾国の美女ってこんな女性を言うんでしょうね・・・
しかし、白虎と九尾の狐の娘が黒猫とはこれいかに?
この国の不思議事情です・・・
「それで話とは何かしら?」
「実は・・・」
突然やって来たガルンおじ様の一件を説明する私がいました。
「あらあら、ガルンにも困った者ね。子育てはしっかりして欲しいわね。あなたもついでに番を見つけてきて母を安心させなさいな。」
そんな、姉様たちを差し置いて末っ子が先に結婚したりしたらねぇ?なんて言ったら物凄い目で睨まれました・・・
逃げるように母様の部屋より退出し、荷造り開始。
おじ様はゼークトに乗って3日で帝都にいけるでしょうが、こちらは陸路で2週間はかかりますから・・・
それから馬車の旅の日々・・・
こんなとき、辺境は不便だと思います・・・
えっちらこっちらやっと帝都に到着。
うん、馬車に揺られすぎてお尻が痛いです。
石畳を馬車で疾走しながら王城を目指す私たち。
尾骶骨ががが・・・
幾多の困難?を乗り越え、皇帝の居城に到着。
ここから私の後宮生活が始まるのね。
さて、どうなるやら?
後編に続く
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。




