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末っ子は黒を好む?  作者: ねこぱんちw
少女冒険編
36/83

桃色はなちゅらる!?

今年もあと少し。

自宅で風邪が蔓延中・・・

風邪予防必須の日々です・・・

健康が一番!

「ふぅ・・・困ったものね・・・」

今日も朝からため息が出ます。

私の名はリュヌ・アザレ。

七大公爵家の一つ、桃色を司るアザレ家の当主です。5歳になる双子のの母でもあります。

魔法師団の師団長にまで上り詰めた私ですが、現在、一つの大きな悩み事に奔走する日々・・・

それは・・・


「あのね、あのね、おかぁさま~おねがいがあるの~♪」

大好きな絵本を握り締めて悩みの元がやって来たようです・・・

「シエル、何度言えばわかるのです?淑女ならまずノックをしなさい・・・」

礼儀作法を教えたはずなのに一度も実践しない娘の行動に、ため息が出ます・・・

何度目かのこのやり取り、一体何処で子育てを間違えたのかしら・・・


続いてノックの音。

「かあさま、しつれいします。」

手に魔導書を持ったシエルと同じ顔の少女が入室してきました。

シエルの双子の妹のエクレールです。

2人は声をそろえて・・・

「「ぼうけんしゃになりたい!」」

誰か本当に子育ての何を間違えたのか教えて欲しいわ・・・

頭を抱える私がいました・・・


「そ・れ・で、どうして2人は冒険者になりたいのかしら?」

「うんとね、かっこいいから!」

えっへん!と言わんばかりに胸を反らすシエル。

「あたらしいじゅもんをじっせんでつかってみたいから!」

魔導書を抱きしめながらキリリとした顔で言うエクレール。


この子たちは・・・

ため息が止まりません・・・

期待を込めたキラキラした目で私を見てくる2人・・・

「ふぅ・・・わかりました、知り合いに聞いてみます・・・」

私にはそれしか言えませんでした・・・


ネロです。

エルフの村での交易は順調に継続中。

私はコタツの追加注文分の製作に余念がありません。

自動生産(オートメーション)なんですけどね・・・

それと新商品開発にも着手しています。

やっぱり女の子に転生したわけだし、シャンプーとリンスは必須ですよね。

リンスinシャンプーも便利で好きです♪

ボディソープと洗顔フォームも必要かしら?

色々と黒い庭園(ブラックガーデン)の工房で実験しています。

完成したら母様と姉様たちにモニターになってもらいましょ。


同時に女の子に必須の魔法もいくつか作りました。

名付けて生活魔法!


ブロー:火と風の合成魔法。熱調節をしつつ風をおこす緻密な魔力調整が必要。主に髪の乾燥に使用。


ミスト:水と風の合成魔法。霧状の水を風で飛ばし、寝癖をなおす。


これで身だしなみはバッチリ!?

私の女子力もかなり上がってきたのかしら?

何気に3属性を使うから、魔道具にしないと普及は難しいわね・・・

こちらも製品化してみようかしら?


研究も一息ついたので、家に戻りましょ。

「シア、戻りました。お茶をお願い!」

「はい、かしこまりました。」

シアが戻ってくる前に今日の成果をまとめておきましょ。


コンコン!

「お嬢様、お茶をお持ちしました。」

「ありがと。」

作業を止めて一息いれましょ。


「お嬢様、最近お仕事のし過ぎではありませんか?シアは心配でございます・・・」

ふぅ、シアは心配性ね・・・

「大丈夫よ、まだまだやりたいことが一杯あるから無茶はしないわ。」

そんな私を疑惑の目で見てくるシア・・・

私ってそんなに信用が無いのかしら・・・


「それよりも、週末はギルドに行くから準備しておいて。」

強引に話題を変える私。

「討伐依頼ですか?何もお嬢様がやらなくても・・・」

またまた心配性なシア。

「ううん、採取依頼して、お弁当を外で食べようかと思って♪」

大きな討伐をやったので、しばらくはいいです・・・


「かしこまりました。お嬢様、当日のお弁当は私が用意してもよろしいでしょうか?」

いつも私がやっているので確認かしら?

「えぇ、シアに任せます。美味しいものをお願いね♪」

「お任せください!」

すっごいやる気のシア・・・

任せてよかったのかしら・・・


そして週末。

私、クロエ、シアの3人はギルドにやって来ていました。

私がギルドに入ると、アニーさんが受付から飛び出して来ました・・・

厄介事の予感・・・

「お嬢、よかった、来ないかと思っていたところです!お嬢に頼みたいことがあるのです!」

「シア、クロエ、用事が出来たので帰りましょう!」

Uターンする私。

ネロたちは逃げ出した!

「ちょっ!?ダメ!お願い、助けると思って!」

しかし回り込まれた!

アニーさんは私たちを帰すまいと必死に追いすがります。

しばらく続くにらみ合い・・・

そして、鶴の一声ギルドマスターのめいれいでそれは集束しました。

「何時まで騒いでいるの?全員私の部屋に来なさい!」

私の脳内では、ドナドナがリピートしていました・・・


ギルドマスターの部屋に連行された私たち。

部屋の中には何とも言えない微妙な空気が流れています。

「さて、ネロさんにはランクE冒険者としての義務を果たしてもらいます!」

「ランクE冒険者の義務ですか?」

???な私たち。

ちょっと額を押さえるギルドマスター。

「ふぅ・・・アニー、あなたはランクアップのときに説明をしなかったのですか!?」

「あ・・あの・・そのですね・・・」

ギルドマスターの剣幕にしどろもどろなアニーさん。

珍しい光景です。


「アニーには後で再教育を受けてもらいます!ネロさん、ランクEの冒険者には一組の新人冒険者の指導員をする義務があるの。ただ・・・今回は特殊な事例だったので、ガルドたちに頼んだのだけど、顔合わせで泣かれてしまってね、続いて頼んだルミネたちは、新人とルーポーが低レベルな喧嘩を始め、こちらもダメになり、最後の希望としてあなたに頼むことにしたの・・・」

「選択の余地は無しですか・・・」

厄介事にしか聞こえません・・・


「あの、拒否は?」

「出来ないわ!義務だと言ったはずよ。今回は特殊な事例なので、報酬の方は普通の依頼より多く色を付けさせてもらうわ。」

即答で私の意見を却下するギルドマスター。

それで、特殊な事例って何?


「本人たちを見ればわかるでしょう。お入りなさい!」

ギルドマスターの部屋に入ってきたのは、どうみても採用年齢より下の双子の女の子・・・

「あの・・・その子たちは?」

「私の友人の娘さんたちよ。冒険者になりたいと言うので、冒険者を体験させて欲しいと友人に泣きつかれてね・・・」

遠い目をするギルドマスター・・・

私たちの知らないところで色々あったみたいです・・・


そっと双子を鑑定してみましょ。


名前:シエル・アザレ

種族:人間

性別:女

職業:なし

二つ名:なし

スキルポイント:50

タイトル:なし

レベル:1

<スキル>

地魔法1 水魔法1 火魔法1 風魔法1 天然


お気に入りのピンクのフリフリドレスに身を包んだ、ピンクの髪の内巻きショートに金色の大きな瞳のシエルちゃん。

スキル”天然”って何かしら・・・

天然:一度見ただけで何となく出来てしまう恐るべきスキル。


ちょっと・・・

何このレアスキル・・・


もう1人はどうかしら?


名前:エクレール・アザレ

種族:人間

性別:女

職業:なし

二つ名:なし

スキルポイント:50

タイトル:なし

<スキル>

地魔法1 水魔法1 火魔法1 風魔法1 天才


黒いシックなローブに身を包んだ、金髪ストレートに青い瞳のエクレールちゃん。

スキル”天才”って・・・

天才:一度見たことを理解し、完全に使いこなす恐るべきスキル。


何この姉妹、怖いわ・・・

ご両親の苦労が見えるようだわ・・・

それで、この双子の指導を私がするの!?

チラリとギルドマスターの顔を窺うと、うんうんと肯いてきます・・・

決定事項なのね・・・


アニーさんから薬草採取のクエストを受け、森に出発です!

参加者は、私とクロエとシア、そして双子ちゃんです。

森までの交通手段は冒険者ぽく乗合馬車になりました。

物珍しいのか、2人はキョロキョロと外を見ていました。


森の近くで乗合馬車を途中下車、森へと向かいます。

「それでは、森に入る前に装備の点検をするように!」

「「はい、せんせー!」」

何故か呼び方が先生に。。。

本人たちがいいならいいのかしら?


「わくわくするー!ぼうけんぼうけん!」

「はやくまほうつかいたい!じっせんじっせん!」

興奮気味の2人。

えーっと・・・薬草採取ってわかっているのかしら?


「それでは、ギルドで受けた薬草採取の依頼をします!各自、薬草を10本採取するように!」

「「はーい!」」

薬草を求めて散らばる2人。

私はシアとクロエに目配せし、周囲の警戒を頼み、採取に行った2人の後を追いました。


<シエルちゃんの場合>

「せんせーできました!」

ピンクのドレスも顔も泥だらけのシエルちゃん・・・

自信満々に笑顔で薬草を持って来ます。

しかし、全部の薬草が引き千切られて無残な姿・・・

しかも、半分は毒草・・・

「えーーっと・・・シエルちゃん、どうやって採取したのかしら?」

引きつった笑顔で聞いてみると・・・

「うんとねぇ、こうやってつかんで、こう!!」

薬草を掴み、いきなり葉っぱだけブチリと引っ張るシエルちゃん・・・

豪快だわ・・・

「シエルちゃん、それだと薬草として使えないから、傷をつけないように根っこから採取してちょうだい。それと、薬草に混じって毒草が入っているからしっかり確認してちょうだい。」

「ほえ?わかりましたせんせー!」

にぱっと笑い、採取作業を再開するシエルちゃん。

うん、この子は目を離すと危険(はなしがいきんし)とギルドの評価欄に記入しておきます。


<エクレールちゃんの場合>

「せんせーできました!」

上手に土魔法で薬草の周りを掘り進み、綺麗な状態で採取していたみたい。

実践もばっちりね。

「はい、よくできました。この方法は自分で考えたの?」

「はい、これがいちばんこうりつがいいとおもいました!」

この歳で魔法の応用も出来るみたいね。

ギルドの評価欄に花丸しちゃいましょ。


「はい、2人とも採取ご苦労様でした。お茶にするので、手を洗いましょうね。」

そう言って、魔法を使う私。

使用するのは水魔法クリエイトウォーター。


クリエイトウォーター:水魔法。水を作り出す魔法。


「せんせー、どうやったの!?」

「えいしょうしてない!?」

あれ?驚くようなことしたかしら?

「あぁ、無詠唱に驚いたのね。しっかりしたイメージを持って魔法を使うと詠唱しなくても出来ちゃうのです。」

魔法はイメージが基本ですから!

「すっごーい!」

「べんきょーになります!」

キラキラと瞳を輝かせる2人。

大げさじゃない?


「シア、クロエも手を洗ってお茶にしましょ。」

「かしこまりました。」

「おやつなにかしら?」

ここにも食いしん坊(はらぺこ)さんが1人・・・

さて、森、おやつとくれば・・・

ゴソゴソと笛を出して吹き鳴らす私。

プップクプー!

「よばれて~」

「とびでて~」

「おやつたべ~い~」

安定のチャンリンシャンの登場です・・・


「「う・・うさぎさんだ!!!しかも、しゃべってる!!!」」

チャンリンシャンの登場にキラキラと瞳を輝かせるちびっ子たち。

あの子たちは、しゃべるだけじゃないわよ。


レジャーシートを敷き、お茶の準備。

それでは本日のおやつ発表です!

「本日のおやつは、『ハニーラビッツ』で発売予定の季節のフルーツロールケーキです!」

「すごーーい!でもケーキってなんですか?」

「ケーキ?」

あら、ちびっ子たちは知らないみたいね。

食べたときのリアクションに期待しましょ♪


「はぅぅ、おいしーーーーーーーー!!!しあわせのあじー!」

「おいしい・・・フルーツのさんみとクリームのハーモニーがくちのなかいっぱいにひろがって・・・こんなあじしらない・・・」

「ネロちゃん、これを売るの!?美味しい、買いに行きます!」

「お嬢様、シアは幸せです!」

皆ちょっと興奮し過ぎじゃない?

シア、涙を浮かべなくてもいいんじゃないの?

ロールケーキでこれじゃ、他のケーキを食べたらどうなるやら・・・


「あとはギルドに薬草を持ち帰って報告です。その前にチャンリンシャンと遊ぶ人!」

「「はい!!うさぎさんとあそびたいです!!」」

2人とも素早い挙手だわ。

そんなちびっ子たちを微笑ましそうに見つめるクロエとシア。


その後、魔法を使って空中鬼ごっこを開催しました。

使った魔法は風魔法。


ウインドフェザー:風魔法。風の力を凝縮し、魔力で羽を作り出し空を飛ぶ。


レアスキル持ちのちびっ子たちはすぐに魔法を習得。自力で飛行していました。

「このまほうすごい!こんなまほうはじめて!」

「こんなはっそうがあるなんて!せんせーすごい!」

クロエとシアには、付与魔法でこの魔法を服に付与してみました。


「それでは鬼ごっこ開始!」

「まて~」

「にげろ~」

「あ~れ~」

「クスクス、鬼さんこちら手のなる方へ!」

「「こっちこっちー」」

「こちらです。」

じゃんけんに負けたチャンリンシャンが鬼になり、逃げる私たち。

皆で空でのびのびと遊びました♪


「それではそろそろ王都に帰ります。忘れ物は無い?」

「いや、もっとうさぎさんとあそびたい!」

「つれてかえっちゃダメ?」

ウルウルした瞳で訴えてくるちびっ子たち。

でも、情に流されませんよ。

「また今度遊びなさい。あの子たちは森じゃないと生活できないから連れて帰っちゃダメよ。」

本当は何処にでも出没するんですけどね・・・


《世界の声》シエル・アザレとエクレール・アザレは称号『妖精の友』を獲得しました。


え!?

か、確認!


妖精の友:妖精の友達の証。妖精語自動取得。


これならいいかしら?


「ぜったいあそぼうね!」

「やくそく!」

涙を拭きながらチャンリンシャンと握手するちびっ子たち。

さて、帰りはどうしようかしら?

そんなことを考えていたら、のしのし歩いてくる熊さんの姿が!

「どうした、今日は何の集まりだ?」

私たちの面子を見ながら首をかしげる熊さん。

「「くまがしゃべった!!!」」

さっきまで泣いていたのに、すっかり興奮状態のちびっ子たち。

うん、気持ちはわかるけど静かにしてね。


「熊さん、ナイスタイミング!ちょっと街道まで送ってください!」

「そんなことならお安い御用だ!ちびっ子、背中に乗りな!」

「わーい!くまさんすごい!」

「たかい!もふもふする!」


色々とありましたが、最後は熊さんの背中に揺られて街道まで戻り、乗合馬車で王都へと帰還しました。

最後にギルドに報告ですね。

「それでは、薬草を持って受付で報告するように!」

「「はーい!」」

これでお役ご免かしら?


「うけつけのおばちゃーん、やくそうもってきたー!」

「お・・・おねえさんね!薬草を確認します!」

シエルちゃんの問題発言にぐっと我慢のアニーさん。

微妙なお年頃みたいです・・・


そんなやり取りを見ていると、ギルドマスターがやって来ました。

「本日はご苦労様、助かったわ♪」

「これでお役ご免ですよね?」

一応確認・・・

ちょっと、何故目を逸らすの!?まだ面倒見ろって言うの!?


「あの子たちが満足していなかった場合は次があるかも・・・」

「そうですか・・・」

あの子たちとの付き合いも長くなりそうな予感がします・・・

私、何か悪いことしましたか?

教えて女神(アリアさま)様・・・


家に帰宅した双子のステータスを確認したリュヌ・アザレさんの悩みが増えたことを私は知らない・・・

「ちょっと、無詠唱に妖精の友?ギルド体験で何があったの!?誰か私に説明して・・・」

彼女の苦悩は続く・・・

基本、週末更新です。

ご意見・ご感想・誤字報告お待ちしております。


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リュヌ・アザレ:七大公爵家の一つ、桃色を司るアザレ家の当主。魔法師団の師団長と子育てに奮闘中。


シエル・アザレ:絵本に影響され冒険者を目指すわんぱくさん。直感で動くタイプ。目を離すと危険な少女。


エクレール・アザレ:シエルの双子の妹。母親の魔導書を自力で解読するほどの魔法大好き少女。魔法を使ってみたくて冒険者を目指す。

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