交易しましょしましょ♪
年末進行の影響でお仕事いっぱいの作者です。
帰宅するとグッタリの日々・・・
更新日数が長くなりそうですが、気長にお待ち願えると幸いです。
「コタツ10セット、ホットカーペット10セット、料理テキスト20セット、干し昆布っと。よしよし、全部揃ってますね。」
指差し確認しながらニコニコする私です。
ネロです。
アキュウド商会とエルフの村の交易の第一弾として商会側のメンバーとして参加することになったので、エルフの村との交易に持っていく商品の確認作業中です。
先日の巨大クモ退治の報酬としてギルドマスターがアキュウド商会とエルフの村の仲を取り持ってくれました。
今回、実験的に交易をすることとなり、その第一弾の交易が近日開催となり、慌しく準備中です。
先程から交易と言っていますが、実際には移動販売の行商人みたいなものですね。こちらの商品を持ち込み、逆にエルフの村の商品を買い付けて帰ってくるのが目的かしら?
コンコンコン!
誰かがやって来たみたい・・・
「開いてるわ。」
予想通りシアでした。
「お嬢様、学園にいかれるお時間です!朝から何をしてらっしゃるんですか?」
呆れ顔のシア。
だって交易(エルフ食材)が待ち遠しかったんですもの、いいじゃない!
シアが急かすので急いで用意をして学園へ。
朝から疲れました・・・
通学の馬車の中。
頭の中は、交易でいっぱい。
「シア、帰りにギルドに寄ります。」
「かしこまりました。」
いつもの学園生活を満喫?し、帰りにギルドへ。
ギルドから指名依頼があり、その納品のためである。
何の納品かって?それはもちろん焼き菓子・・・
Cランク冒険者のルミネさんが私への直接依頼がダメならギルドの売店で販売してくれ!とギルドに泣きついた結果、ギルドからの指名依頼となったわで・・・
定期的にギルドの売店に納品する形になりました・・・
ギルドに入り、依頼掲示板を確認。
アキュウド商会の護衛依頼はどうなったのかしら?
下位ランクから見ていくと、ランクD以上の依頼の掲示板で発見。
受注済みになってるみたいです。
誰が来るのかしら?
「おはよう!お嬢、今日は何かしら?」
いつもの挨拶をしてくるアニーさん、今日も元気です・・・
「アニーさんその呼び方止めてください。依頼品の納品です!」
いつものやり取りをしつつ、受付カウンターに焼き菓子を並べていく私。
「はい、確かに。それじゃ、ギルドカードを提出してください。」
しばらくお待ちください!
一度奥に引っ込んだアニーさんが新しいカードを持って帰って来ました。
「はい、ネロちゃんの新しいカード♪」
ウインクしてくるアニーさん・・・
渡されたカードはランクF→Eに変更されています・・・
「えー・・・っとアニーさんこれって・・・」
説明プリーズ!
「私もわからないわ。きっと指名依頼をこなしているからじゃないかしら?」
視線を彷徨わせながら説明するアニーさん・・・
間違いなくギルドマスターとグルね・・・
「そういうことにしておきます。た・だ・し、次は無いとギルドマスターにお伝えください。」
釘だけ刺しておきましょ。
護衛依頼の受注状況の確認が終わったので早々にギルドを離れましょ。
いそいそとシアたちが待つ馬車へ戻りました。
そして交易当日。
「それではアキュウドさん、準備はいい?」
アキュウド商会から参加するのは、私とアキュウドさんを含めた合計10名。
しかし、お店のトップが参加してもいいのかしら?
まあ、神様だから心配するだけ無駄かしら?
馬車でギルド前へ。
護衛の方々とご対面。
そこにいたのは・・・
ルミネさんとその仲間たち紅の爪とガルドさんの姿が、ガルドさんの横にもう1人?
「おはようございます!ルミネさん、ガルドさんその方たちは?」
見たこと無い人がいるので聞いておきましょ。
「お嬢、そう言えば知らないんだったな。俺の相方の爆発魔スプリガンだ!ちょっと変な奴だが根はいい奴だ!」
「ちょっ!?初対面の人に変な紹介するのは止めてくれないか!大体お前は・・・」
スラリとした長身、黒地に金の刺繍をした上等なローブに身を包んだ糸目の男性。知的なイメージだったのに、いきなりガルドさんと口論を開始・・・
うん、放置しましょ・・・
「おはようお嬢!そう言えば紹介してなかったね。あたしの仲間のコニアとルーポーさ!ところで何でいるんだい?この護衛依頼はランクD以上の依頼のはずだよ?」
???と疑問いっぱいの顔で話しかけてくるルミネさん。
「あぁ、私、アキュウド商会の商品開発部主任ですから。護衛してもらう方なのです♪」
にこやかに笑顔で返す私。
「「「はぁ!?」」」
みんなの唖然とした顔見れてちょっと楽しいです♪
「「「まぁ、お嬢だ(からな)しね!!」」
失礼な!
「初めましてお嬢、私の名はコニア。いつもうちにルミネがご迷惑をおかけしておりますね。どうか見捨てないで相手してやってくださいね。」
コニアさん、とっても物腰の柔らかい黒豹の獣人の女性でした。
そして対照的なのが・・・
「おい、あたいの名はルーポーだ!姉御のお気に入りか何だか知らねぇが、調子に乗るなよ!姉御はあたいんだからな!」
最初から喧嘩腰の女豹の獣人のルーポー。私をライバル視しなくても・・・
ルミネさんはいらないので、どうぞ好きに持って帰ってください!
「そろそろ本題に入っていいかしら?」
絶対零度の笑顔を向けてくるギルドマスター・・・
笑顔が怖いです・・・
静かになったのを確認し、話し始めます。
「よろしい!ギルドが仲介したエルフの村との初の交易です。護衛の皆様は交易が成功するように全力で取り組んでください!エルフの村までは彼女が案内します。私からは以上です!」
「ご紹介に預かりましたルティアです。森のことならお任せください!」
やる気満々ね・・・
そのやる気が空回りしないことを祈るわ・・・
各自、馬や馬車に乗り込み出発です!
いざ!エルフの村へ!
王都を出て、街道を進む私たち。
進路を森へ。
「ルティア、森は馬車で進めないけどどうるすのかしら?」
そんな私の疑問にニッコリ微笑むルティア。
「私が精霊魔法を使います!私のあとをついてきて下さい!」
馬車から降り、森へと入っていくルティア。
そして、ルティアの詠唱が響き渡る。
「我、森と共に歩む者!我が同胞よ、我が思い、願いを聞き届けよ!開け!フォレストロード!!」
突然、木々が左右に広がり、一本の道が出現!
これが精霊魔法なのかしら?
呆然とした顔でその光景を見ていました・・・
「さあ、進みましょう!後ろを見ると面白いものが見れますよ。」
言われるままにフォレストロードに分け入る私たち。
すると、私たちが通過した場所が森へと戻っていく・・・
「すげぇなエルフって・・・」
「森が森が!?」
みんな驚いているみたい・・・
「確かに不思議な光景ね。精霊魔法ってすごいのね。」
確か精霊力ってあったはず、私も使えちゃう!?
道中、順調に見えたけどしっかり狼さんと遭遇。
フォレストロードには普通に動物は入れるみたい。
便利なような不便なような・・・
追っ手を撒いたりするときには有効だから使いようかしら?
「ふむ、狼ですか。ここは私に任せてもらいましょう!」
ガルドさんの相方のスプリガンさんが前に出る。
自信満々です。お手並み拝見といきましょう。
「さあ、私の芸術的魔法を受けなさい!!!ファイヤーマーキングからのファイヤーボーーッム!!」
狼たちだけに印をつけ、爆発させる魔法。
うん、言うだけはあるわね・・・
「どうです!見ていただけましたか、私の芸術的魔法!私ならではのこの繊細な魔力コントロール!他の雑多な魔法使いにはまねすることも出来ません!大体ギルドにいる他の魔法使いたちはウンタラカンタラ・・・」
「まあ、その・・・すまん、気にしないでくれ、いつもの病気なんだ・・・」
ガルドさんの言っていたとおり変な人だわ・・・
「置いていっていいのか?」
ルミネさん、ナイスアイデア!
皆の視線がガルドさんに集中!
「うん、まあ、先に行くか・・・」
頬をポリポリかきながらつぶやくように言うガルドさん・・・
皆の思いは一緒ですね。
一人演説会をするスプリガンさんを放置し、先行する馬車一行。
誰もいないことに気がつき、慌てて追いかけてくるのはお約束?
「はっ!?ちょっと待ってください!まだ私の話が!!」
多少のトラブルはありましたが、無事にエルフの村に到着。
まずは村長さんにご挨拶よね。
村の広場に移動し、荷解き開始。
その間に、私とルティナとアキュウドさんで村長さんの家へと向かいます。
「おぉ、ネロ様、その節はお世話になりました。本日はどのようなご用件で?」
「今回の交易に参加しているのです♪それと紹介人がいるのです。アキュウドさんどうぞ!」
私は後ろに控えていたアキュウドさんに声をかけます。
「始めまして村長さん、私は商業神アキュウドと申します。先日はキュイジニエがご迷惑をおかけしました。まことに申し訳ありません。本日は、我がアキュウド商会自慢の商品を色々お持ちしました。どうぞ色々お手にとってごらんください。今後ともよろしくお願いします。」
アキュウドさんの自己紹介に固まる村長さんとルティア・・・
「え!?商業神!?神様・・・でございますか?」
「え!?あの・・・ネロちゃん!?」
2人ともパニック状態です・・・
そんな救いを求めるような目でこちらを見ないでちょうだい!
「その・・・こちらこそよろしく・・お願いします・・・」
ぎこちなく返答する村長さん、いきなり神様に遭遇したらこうなりますよね・・・
「それでは、私から村長さんに交易開始祝いの贈り物です。ちょっと場所を空けてくださいね。」
「はあ・・・」
いっぱいいっぱいの村長さん、大丈夫、私はまだ人間ですよ?
場所を空けてもらい、早速コタツを設置。
エルフの村にもコタツ文化を広めちゃいますよ!
「それでは、靴を脱いでコタツ布団の中に足を入れてくださいね。」
「こうですかな?」
おっかなびっくりコタツに入る村長さん。
「こ・・・これは!暖かい!そして、何だか落ち着きます!このような魔道具をいただいてよろしいのですか!?」
うんうんと肯く私。
「私も試していいですか?」
ルティアも気になるみたい。
コタツに足を入れてきます。
「ふゎゎ、何これ、暖かくて落ち着きます。外に出たくなくなりますね・・・」
コタツの魔力にすっかり染まったルティア。
もう、戻れませんよ!
挨拶も終わり、広場にUターン。
広場に戻ると露店の準備が終わっていました。
村長さんの交易記念のご挨拶。
「本日は、この村初の交易です。外からアキュウド商会の皆様が商品持参で来ておられます。皆、楽しんで買い物するように!」
いよいよ交易開始です♪
外との交流が殆ど無かったエルフの村。
珍しい商品たちに村人たちの視線は釘付けです。
もちろん、コタツも大人気!
予定数はすぐに完売、予約注文を受けることになりました。
販売の方はアキュウド商会の人たちに丸投げな私。
私が何をしていたかって?
それはもちろん、臨時料理教室です!
以前、ルティアに振舞ったエルフ用ポン酢の作り方を先着20名に教えていきます。参加者には授業料代わりにテキストと干し昆布を買ってもらいました。
ルティアが美味しいと吹聴していたらしく、定員はすぐに埋まりました。
エルフも美味しいものは大好きみたい♪
楽しい時間はあっという間に過ぎていくもの、夕暮れ前に街道まで戻らなくてはならないので、今回の交易はこれにて終了。
私たちもしっかりと戦果がありました。帰りの馬車の中はエルフ食材で満杯です♪
露店の片付けをして素早く撤収準備!
陽が落ちる前に家路を急ぎましょう!
あとはこの交易がずっと続くことを願うばかりです。
基本、週末更新です。
ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております
<NEW CHARACTER>
スプリガン:細身の長身。オールバックの髪型と糸目がトレードマークの文系冒険者。二つ名は”爆発魔。火と風の二つの属性を操る魔法使い。狙った対象だけを爆発させる精密な魔法コントロールが得意。自分の魔法に自信があり、どれだけ凄いのか語るのが大好き。戦闘中でも語り始めるので、ギルドで浮いた存在である。
コニア:黒豹の獣人で紅の爪の良心。いつも暴走しがちなルミネとルーポーのフォローで大忙しの苦労人。怒らせると怖い人。
ルーポー:ルミネさん愛の女豹獣人。ルミネを姉御と呼びしたっている。ルミネのやることこそが正義だと信じて疑わないトラブルメーカー。
<NEW SPELL>
フォレストロード:精霊魔法。森の力を借りて道を作りだす魔法。




