表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
末っ子は黒を好む?  作者: ねこぱんちw
少女冒険編
24/83

ギルド実習(後編)

毎日寒いです。

お布団から出たくない今日この頃。

あぁぬくぬくが逃げて行く・・・

いよいよギルド実習がスタート!

各グループごとに南の森に入って行きます。

「それじゃあ、俺たちも行くか!森の浅いところをグルッと回って行く!」

「「「「はいっ!お願いします!」」」」


メンバーの装備を見てみましょう。

フィーナは白を基調としたローブにブレストプレート。スモールシールドにメイスを装備。補助魔法と治癒魔法が得意なフィーナは後衛なのでこの位でいいのだけど、問題はツインドリルです・・・

えーーっと、ジュリアの装備は青いフルプレートにレイピアが2本・・・

ツッコミどころ満載です・・・

森の中では動きやすさと音を立てないことが求められるのに何を考えているの?

思いっきりガチャガチャ響き渡るフルプレートの音・・・

敵にこちらの位置を教えてるようなものです・・・

しかも、動きが早い獣やモンスター相手にレイピアって・・・

熟練者なら急所を一撃!って出来るでしょうが、あなたにそれだけの技量があるのかしら?

ガルドさんもヤレヤレって顔をしています・・・


「お嬢、周りの警戒頼む!いつもよりやばそうだ・・・」

「了解です、疲れますねガルドさん・・・」

2人でコッソリため息をついたのは内緒です・・・


案の定、狼たちに強襲されました・・・

これだけ騒がしければ襲われますよね・・・

「もう、何でいきなり狼に襲われるんですの!?しかも、私のレイピアが通じないだなんて・・・」

文句を言うツインドリル・・・

あんたのせいでしょうが!!どんな教育受けてきたのよ!!!!

よっぽど言ってやろうかと思いましたがグッ我慢しました。

よく耐えた私・・・


「縦ロールのお嬢ちゃん、森の中じゃレイピアなんて役にたたねぇぞ!相手の動きが早えぇんだ、突きなんてよっぽどの腕じゃなきゃ当てられねぇよ!それにその鎧もダメだ!森の中でそんなに音が立つ鎧を着るなんて正気じゃねぇな!」

「そんな・・・」

ガルドさんの説明(ダメだし)にショックを受けるツインドリル。

索敵スキルによると、私たちの周辺はツインドリルの出す鎧の音に引き寄せられた敵の反応でいっぱいです・・・

あと何回戦闘することになるか・・・

どうしてこんな森の浅い層で連戦することになったのか、小一時間ほど問い詰めたい気分です・・・


クロエとフィーナにもかなりの疲れが見えます・・・

「ガルドさん、小休止を考えた方がいいかと思いますが?」

「そうだな、こんなに連戦するなんざ想定外だ・・・、お嬢、予備の装備は無いのか?」

私に確認してくるガルドさん。

「武器ならショートソードがありますが、さすがに鎧の予備までは・・・」

「まあ、普通は鎧の予備なんて持ってくるもんじゃねぇしな・・・」

アイテムボックスから予備のショートソードを取り出す私。

「あの、2本ありませんか?私、2本無いとしっくりこないので・・・」

貸してもらう上に2本要求してくるツインドリル・・・


静音(サイレンス):無属性魔法。対象の音、または声を消す魔法。


永続(パーマネンス):無属性魔法。魔法の効果を永続的に持続させる。


まさか実習中にツインドリルの鎧のためだけに即興でこんな魔法を作ることになるとは思いませんでした・・・

しかも、新属性・・・

みんなの安全のためと割り切ります・・・


早速、付与魔法でツインドリルの鎧に呪文を付与します。

「うそ、音が全くしないなんて・・・これなら・・・」

ツインドリルの騒音対策が終り、取り合えず安全?になったのでさらに森の奥へと進む私たち。

段々と水音が聞こえてきます。

「もう少し行ったら小川がある、そこで昼食だ!ただし、水場には他の生き物もやって来るから、警戒を忘れるな!」

「「「はい!」」」

私たちが向かう小川には何物かの反応があるのだけど、黙っていましょ。


小川に到着すると、そこには巨大な熊の姿が・・・

「ひぃぃぃっ・・・っく、っくくっくまですわ・・・」

歯をガチガチ鳴らしながら叫ぶツインドリル・・・

あぁうるさい、学習しないのかしら?

冒険者の基本は騒がないことなのに・・・

さて、みんなを驚かしましょ。


「熊さんこんにちは!」

「おうっ!今日は何かあるのか?」

「「ネロ(ちゃん)、知り合いなの!?それもあるけど話せるの!?」」

「いつもの熊か。お嬢、ここに熊がいるって知ってたな・・・」

ジト目で私を睨んでくるガルドさん・・・

さあ、何のことでしょう?


熊さんも交えてランチタイム。

あの子たちも呼ばないと拗ねるわよね?

ゴソゴソと笛?を取り出し、吹き鳴らす私。

プップクプーー♪

この音、どうにかならないかしら?

「呼ばれて~」

「飛び出て~」

「こんにちは~?」

何故、疑問系・・・


「うっうさぎ、うさぎがしゃべった・・・」

突発的な出来事に弱いツインドリルは放置で!

「それでは、昼食の準備に入ります!熊さんは人数分の魚を確保!チャンリンシャンは、クロエとフィーナをつれて薪の確保を!ガルドさんは付近の警戒を!」

「「了解!」」

「「「かしこまり~」」」

「おう!」

みんなが各自の仕事をしている間に食材の仕込みです。

屋外だし、バーベキューっぽい感じでいきましょ♪

熊さんが取ってきた魚を捌き、串焼きの準備。

薪回収部隊も帰還したので、調理開始です。

「ジュウジュウ美味しそう~」

「まだかな~」

「お腹ぐ~ぐ~」

「もう少し焼かないと生焼けだからダメです!」


そんな私とチャンリンシャンのやり取りを微笑ましそうに見つめるフィーナとクロエ。

「ネロちゃんったらこんな可愛らしいお友だちがいたのですね。ずるいです!」

「ネロったらお母さんみたいね♪」

こんな欠食児童(はらぺこさん)の母親は嫌です・・・


さて、美味しく出来たことだし、そろそろいただきましょう。

「それでは、いただきます!」

「「「いただきます!」」」

「「「いっぱいたべる~」」」

「待ちくたびれた・・・」

うん、熊さんも限界だったみたいね、凄い勢いで食べ始めたわ・・・

ツインドリルもやっと現実逃避から戻ってきたみたい。空腹効果かしら?

クロエとフィーナはチャンリンシャンが気に入ったらしく抱っこして仲良くお食事。

フィーナ、アリシアさまにチャンリンシャンのことをしゃべならいでしょうね・・・

ちょっと不安になったのは内緒・・・


「外で食べる飯も美味いな!あとはエールがあれば・・・」

「昼間ですよガルドさん・・・」

飲兵衛は困りますね・・・

そんな会話をしながら次々と串を焼いていく私。

さあさあ、ドンドン食べなさい!

「お腹いっぱい~」

「満腹~」

「満足~」

私たちと同じように1人辺り5本も食べればお腹いっぱいもになるでしょ・・・

その小さな体の何処に入っていくのか不思議です・・・

後片付けをして、撤収準備。

ゴミ回収も忘れずに!バーベキューの基本です!


街道を目指し、行動を開始しようと思っていたら索敵範囲に反応が・・・

「ガルドさん、数30!!こっちに来ます!!」

「何!?全員戦闘用意!!」

「「「はいっ!」」」

私たちの前に現れたのは、体長1メートルくらいある黄色い斑模様のクモでした・・・


「ガルドさん、アレってこの辺にいるようなモンスターですか?」

「いや、こんなところにいるはずがねぇ!以前のベノムスパイダーと同じだな・・・」

誰かが持ち込んだモンスター決定ですか・・・

おしゃべりは終り、迎撃です!

「ガルドさんと熊さんと私が前衛、抜けた相手はクロエとジュリア、支援魔法はフィーナとチャンリンシャン!!」

「「「了解!!」」」

「任せろ!」

「「「おまかせ~」」」

「腕が鳴るぜ!」

うじゃうじゃやって来るクモの群れ。

戦端が開く前に鑑定です!


種族:ポイズンスパイダー

ランク:E

レベル:5~10

特性:麻痺毒・索敵・粘糸・跳躍・気配察知・噛みつき・群隊・連携

説明:牙に麻痺毒を持つ巨大なクモ。体長1メートル~。単体では弱いが、群れで狩りをする厄介なクモ。仲間を呼ぶ習性を持つ。見つけたら逃げるか、素早く殲滅しなければならない。

※大量に遭遇した場合、成体であるポイズンクイーンスパイダーが近くに存在している可能性がある。


この鑑定結果に嫌な予感がした私は、すぐに配下の4人に念話を送りました。

「黒曜、琥珀、翡翠、瑪瑙、直ちに森の探索を開始!ポイズンクイーンスパイダーを探し出して!!」

「「「「了解!!」」」」

探索はあの子たちに任せ、今は戦闘に集中しましょう・・・


まずは先手必勝!!

「ニードルレイン!!、続けて新呪文ライトニングジャベリン!!!」

水の針で全身に傷を作り濡れた地面に雷の槍を投げつけて感電させる私。

うん、我ながらえげつないわ・・・

「お嬢、荒っぽいな!だが、あいつらの動きが止まった!畳み掛けるぞ!!」

「了解!!」

感電してピクピクしているポイズンスパイダーにガルドさんの斧と熊さんの爪がうなる!


「第二波接近!ガルドさん、熊さん一時後退!」

ポイズンスパイダーたちもただやられただけではないみたいね、木々を利用し、右へ左へと立体的に移動して来るわ・・・

ス○イ○ー○ンと戦うのってこんな気分なのかしら・・・

悪役の人たちの苦労がよくわかったわ・・・

「ちぃっ、攻撃を当てるのも一苦労だな・・・」

「囲まれないように注意!クロエとジュリアは魔法で牽制を!!」

「「了解!!」」

2人の魔法の連射攻撃でうかつに近づけないポイズンスパイダー・・・

ジリジリと後退しながら迎撃していく私たち。

幸い、敵の増援は無いみたい、このまま殲滅できるといいのだけど・・・

ホーミング系の攻撃魔法作っておけばよかった・・・

無いものねだりはダメよね、今ある魔法で対処しなきゃ!

ポイズンスパイダーは自分の粘糸を使って木々を移動しているんだから、粘糸の粘着力を落とすしか無いわね!

「クロエ、ジュリア、フィーナ、周りの木々をウォーターバレットで水浸しにして!」

「ネロちゃん、何を?」

「何かあるんですの?」

「説明は後!急いで!」


3人に魔法で木々を濡らしてもらい、下準備はOK!

私たちに攻撃しようと範囲を縮めてきたところで・・・

「これでも食らえ!フリーズブレス!!」

粘糸を凍らされ、落下するポイズンスパイダーたち。

「みんな、落下したポイズンスパイダーに止めを!!」

「「「了解!!」」」

「やるなお嬢!これなら刈り放題だ!」

「お見事なの~」

「一網打尽~」

「駆除~」


最後の1匹を倒す頃には全員クタクタだったわ・・・

「熊さんごめんなさいね、疲れてるのに・・・」

「何、お安いご用だ!任せておけ!」

ポイズンスパイダーの撃退に辛うじて成功はしたのだけど、私を含めた実習生4人は完全にグロッキー・・・

熊さんにお願いして、街道まで乗せてもらうことになりました・・・

最後が締まらないわ・・・


「まあ、何にせよ、ギルド実習は一時中断だと思うぜ!森があんな状態じゃ危なくて学生の実習どころじゃねぇだろ?」

「でしょうね。それに、ギルドに緊急依頼が出そうね。ガルドさんの出番かしら?」

あとは、あの子たちの報告次第で私が動くかね・・・


「熊さん、送ってくれてありがとう!疲れているところ悪いのだけど、ハニービーたちのことも気にかけてあげて!チャンリンシャンもしばらくは森に近づかないように!」

「おう!あいつらのことは任せておけ!またな!」

「わかったの~」

「了解~」

「避難~」

熊さんたちと別れ、王都へと帰還する私たち。


「一生分の運を使った気分ですわ・・・」

「誰も怪我しなかったのが不思議なくらいですね・・・」

「ネロ、いつもこんな危険なことをしているのかしら?」

「そんなわけ無いでしょ・・・」

疑いの目で見てくるクロエにしっかり牽制。

こんなことが頻繁にあってたまりますか!


「まあ、散々な1日だったな。今日は、早く帰って風呂入って寝ちまうのが一番だ!」

「そうします!」

「ですね!」

「いくらでも眠れますわ!」

みんながとっても逞しくなったような・・・

これも冒険の効果かしら?


ギルドの裏の広場に集合し、点呼確認。

生徒の無事を確認し、ほっと一息の先生たち。

各自、迎えの馬車に乗り帰宅しました。

私も今日のところはお風呂に入って眠ることにします。

あとはあの子たちの報告を待ちましょう。


基本、週末更新です。

ご意見・ご感想・誤字報告等お待ちしております。

来週・再来週はお仕事の関係で分割更新になります。


<NEW SPELL>

ウォーターバレット:水魔法。水の弾丸を連続で発射する魔法。殺傷力は低いが隙が少ない。牽制などに使う。


ライトニングジャベリン:風系亜種の雷魔法。雷で作ったジャベリンを投げつけて感電させる。帯電効果があり、麻痺も引き起こす便利な魔法。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ