ゴーレム狂想曲
残念なお天気が続きますね。
気温は一気に下がり、秋らしくなりました。
本編の方は今回で幼年編が終り、次回より少女冒険編に突入です♪
お楽しみに!
人里離れた山奥、北の山脈の奥。
そこには、人目を避けるように建てられた怪しげな寺院があった。
その寺院は壁や柱にいたる全てが、まるで爬虫類の鱗で出来ているのではないかと思われるほど、鱗状の彫り物がされており、一層不気味であった。
その寺院の奥の間。
そこで3つの影が怪しげな計画を話していた。
「ホウコクヲキコウ!」
「デハワレカラ、ネコノセイイキノジョウカハ、カンゼンニシッパイ。モハヤテダシデキヌ。」
「ステオケ、ネコドモニハドウスルコトモデキヌカラナ。ソレヨリモ、キタノドワーフトミナミノエルフノジョウカハドウナッテオル?」
「ソチラハネコノケンノケンノシッパイガアッタバカリ、シンチョウニヤッテオル。コレイジョウノシッパイハユルサレヌカラナ・・・」
会話するモノたちは全身黒ローブに身を包み、フードで隠された顔からは表情を読み取ることは出来ない、唯一判別できる両腕は漆黒の鱗で埋め尽くされていた。
「オオムネハヨテイドオリカ・・・」
「ワレハネコノケンノカワリニカラメテヲヨウイシタ。コレヲミテホシイ。」
「フム、ソノムスメハ?」
「コノムスメハ、ジキジョウオウノセンゾクメイドダ。」
「ソレデ?」
「コノムスメニジャシンヘイノタマゴヲキセイサセテ、ジキジョウオウノカタワラニオク。ソウスレバ・・・」
「ナルホド、タマゴガフカスルコロニハイマイマシイヒカリノチカラニタイセイヲモツコタイニナルワケダナ!」
「オモシロイ、ソノケンマカセヨウ!」
「「「スベテハアノカタフッカツノタメニ!!」」」
そして、3つの影たちは忽然と姿を消し、怪しげな寺院だけが残された。
クロエ改めネロです。
さて、そんな物騒なお話がされていたことは知らない私です。
知らないったら知らないのよ!
その頃私は、朝からゴーレム工房で設計図とにらめっこしていました・・・
どうしてこうなった・・・
事の起こりは先日の猫の王の一件でしょう・・・
ちょっと整理してみると・・・
まず、猫の王に会いに行くときに護衛に連れ出した黒鈴メイド隊をガン見していた母様からおねだりされたのが1件。
アキュウド商会で料理のお手伝いに連れて行ったら気に入られたのが1件。
最後に、天界から欲しい!と催促されたのが1件。
先程、お婆様の家で黒い庭に入る前にお婆様にじーーっと見られていたのはカウントしなきゃダメかしら・・・
結局、何体作らなきゃいけないのかしら?
母様専用:1体
アキュウド商会:1体
天界:3体
お婆様:2体
合計:7体
ちょっ・・・増えてる、間違いなく増えてるわ・・・
この他にクローラの新型ボディと、あの計画のための新型を4体・・・
私、過労死するかしら・・・
お婆様とアキュウド商会は普通のメイドゴーレムだから、基本構造は変わらないのが助かります。あとは外見の問題よね。
問題になるのは、母様専用と天界用ね・・・
母様専用はボディを赤に、外見は虎型をベースにして、パッシブスキルをいくつかと通信機能を内蔵させましょう。
後は天界用・・・
飛行装備は必須よね・・・
「足なんて飾りです!偉い人には解らないんです!」
うん、疲れているわ、幻聴が聞こえてきたわ・・・
「クローラ、お茶をお願い!少し休憩します!」
「カシコマリマシタ」
煮詰まったときは休憩が一番よね!
現実逃避じゃないのよ・・・
さて、休憩終り、やっぱり天使をイメージして羽型がいいかしらね。
普段は羽を閉じて背面装甲に収納する感じにすれば可愛いかも。
ボディカラーは白をベースにして、白鈴メイド隊完成♪
アキュウド商会は、縁起物らしくボディカラーを黄色で設定。
虎縞猫にしましょ。
最後はお婆様、ボディカラーは赤と青の一対。忠実なメイドを目指して、初の犬型に。お耳は垂れ耳を採用で♪
これで設計は終り。後は材料をセットして、自動組み立て開始!
ボディの製作の間にゴーレムコアを製作しましょ。
時間があるので、クローラの新型ボディの設計を開始。
言語機能の強化は必須よね。
外見は、人間と変わらないレベルに変更。絶世の美女に生まれ変わるのです!
防御力強化のためにフレーム素材も吟味しなきゃね。
クローラの新型ボディの設計も概ね終ったので、他のゴーレムの設計を開始。
あの計画のゴーレムは隠密能力を強化した特殊機体になる予定。
イメージはお庭番かしらね。THEくのいち♪
年齢設定は、17歳・15歳・13歳が2体かしら。
私がうんうん唸っていると、ゴーレム工房からボディが完成したとのお知らせが入りました。
ゴーレムコアを持ち、工房へ移動。
暴走したら困るので、黒鈴メイド隊を待機させます。
一度にやると危ないので、納期が近い機体だけやりましょうね。
「コア接続、起動!」
母様専用のメイドゴーレムが目を覚まします。
「みゅ?」
ちょこんっと小首を傾げるメイドゴーレム。うんうん、可愛いです。
幾つか指示を出し、動作確認。
影移動も問題無いみたい。
「今日からあなたの名前は虎鈴です。母様のことをお願いね、虎鈴。」
シュタッと敬礼する虎鈴が可愛いです。
母様の誕生日プレゼントが無事完成。気に入ってくれればいいのだけど・・・
母様の反応は夜のお楽しみにして、お婆様のメイドゴーレムの調整に入りましょう。
お婆様は喜んでくれるかしら?
「赤いあなたが八房、青いあなたが花房。これからお婆様の家で働いてもらいます。配属後は、メイド長のサロメさんの指示にしたがってください!」
「「わふ!」」
うんうん、素直ないい子たちです♪
それでは、お婆様にお披露目に行きましょう!
「お婆様、プレゼントがあるの!」
「おや、なんだい?孫からのプレゼントなら大歓迎さね♪」
ニコニコ顔のお婆様にあの子たちをお披露目です。
「赤い子が八房、青い子が花房です。可愛がってあげてくださいね。」
「この子たちを貰っちまっていいのかい?」
大興奮気味なお婆様・・・
「奥様、血圧が上がります・・・」
心配顔のサロメさん。すいません、興奮させちゃいました・・・
「この子たちは学習型なので、サロメさんが色々教えてあげてくださいね。」
「了解しました。後輩指導はお任せください!」
キリリとした顔のサロメさん。頼もしいです。
「それではお婆様、家に帰りますね。」
「あぁ、気をつけてお帰り!困ったことがあったら何でも相談においで!」
上機嫌のお婆様でした♪
さて、いよいよ本日のメインイベント。
虎鈴には、私の影に隠れてもらってから帰宅。
母様に帰宅したご報告へ。
「母様、ネロです。入ります。」
「入れ!」
母様が自室で書類と睨めっこしていました。
「お仕事ですか?少々お時間をいただきたいのですが大丈夫でしょうか?」
「あぁ、問題無い!」
それでは本題に入りましょ。
「母様、誕生日おめでとうございます♪ささやかながらプレゼントを用意しました!」
「ほぅ・・・」
だから、その獲物を狙うような剣呑な目は止めてください・・・
「虎鈴、ご挨拶して!」
私の影から飛び出す虎鈴。母様にちょこんとご挨拶♪
「その子がそうなのか?本当に貰ってもいいのだな?」
視線は虎鈴から外さず、私に聞いてくる母様。
どうやら好みの外見だったみたいで一安心です。
そのまま虎鈴(に近寄り、ギュッと抱きしめて離しません・・・
「返さないぞ!」どれだけ可愛いもの好きなのかしら・・・
「母様、この子の説明を始めていいですか?」
「説明を頼む!」
虎鈴の能力を説明していく私。
もう、母様にはツッコミはしない方向で・・・
①影移動:影の中に潜伏したり、影から影に移動できる。
②通信機能:黒鈴メイド隊と虎鈴を通して通信ができる。
③パッシブスキル格闘:格闘戦ができる
④固定武装:爪
⑤もちろんメイド機能も充実。
「普段は影の中にいてもらうのがよいでしょう。この子のことを自慢して見せびらかしたりしないようにお願いします。と・く・にアリシア叔母様とか・・・」
「チッ・・・」
見せびらかす気でしたね・・・
釘を刺しておいて正解でした・・・
母様へのプレゼントも無事?終り、一安心。
他の子たちは、明日にでもアキュウド商会に連れて行きましょう。
あの子たちの未来に幸あれ!
後日、お城から私に呼び出しがあったのは言うまでも無い・・・
母様、やらかしましたね・・・
ご意見、ご感想お待ちしております♪




