中立組成立!
特例で入学を許された王立学園はとても大きくて綺麗、私立の度を超えている。本来は相当な富豪で無いと入学できないのだが、去年小6にして数学オリンピックで優勝した私は特例として入学を許された。ハイレベルな授業においしい学食、ただひとつを除いては本当に満足。そのただひとつとは、彼岸高校では彼岸勢力と反被害勢力の二つがある。どちらかに加入しないといけないようだ。普通は彼岸に入るらしいが、そんな宗教じみた観念を許して言い訳が無い。生徒会も二つ、果てはクラス分けまで・・・。部活ならまだしも、こんなばかばかしい話許していいはずが無い。
彼岸生徒会室、私は怒りとともに迷わずそこに入っていく。生徒会長さんは特上クラスの美人さん、同性なのに思わずドキッとする。急に恥ずかしさがこみ上げる
「あの、私は彼岸勢力にも反被害勢力にも入りたくないんですが・・・」
「困ったわねー、じゃあ前代未聞だけれども新勢力を作るとかしてくれるかしら。私も応援するわよ。あなたは中嶋 夜魅さんね、私は理事長の娘の彼岸 夏海。以後よろしく」
どうにも何かに加入しなきゃいけないようだ、そんな部活みたいな、楽しんでいるのかお前らは。ならば仕方が無い、こんな二大勢力合併してやる。
「はい。では、中立組を作らせていただきます」
会長さんの端正な顔が引きつった気がした。けど、それは気のせいだったようで、安堵する
「そう。わかったわ。じゃあこの書類を記入したら、中立組は成立するわ。」
「これで完成ね」
「あの、でもこれからどうすればいいかわかりません」我ながら情けない
「そうねー、じゃあ組員を募集するとかはいいんじゃない」
「わかりました。ありがとうございます。」よし、じゃあ箱を設置してみるか。
基本方針などを演説しながら箱を設置してまわると、反彼岸の生徒会室。挨拶をしようと思い開けると
中にははじめて見るレベルの美少年、夏海さんと似合いそうだけど、かなり可愛い子といちゃついてる。ここ、生徒会室だよね。そんなことしていていいの。文句を言おうと思うと、後ろからひっぱられ生徒会室から出る。
「よかった。夏海から様子を見てきてって言われたの。私は霧崎 冬華、副会長よ。危ないところだったわ。あの人たちは反彼岸勢力。男が会長で反彼岸のトップの三途川 修哉、女が彼女の志岸 江美。この学園は三途川財閥の支援を受けてるから、夏海とあの男が冷戦状態でも親によってどうにか成り立っているけど。あの男にとって全ては江美だけだから絶対邪魔しちゃだめ、消されるわ。反彼岸の生徒会室には近づかないことね」
三途川財閥、その令孫は確か全国模試一位をとるほどの天才だという話もあった気がする。悔しいけど、私なんかが敵に回せる相手じゃない。
「わかりました。ありがとうございます」
翌朝、募集箱にはごみや丸まった紙が入っていた。予想はしていた、でも何人か入るはず。募集に来たのは3人。「1-2 城川 春菜」「2-7 黒鳥 神楽」「1-3 山田由美」
中立組の生徒会室でメンバーを待つ。盗まれる情報は無いけど、一応意見を聞くか
「不動の学年トップ、城川春菜だぞ。学園唯一の新聞部じゃー、メンバーも歓迎するぞよ。冗談はさておき、スクープ目当てで来て見たよ。反彼岸は、公にするにできないからね。」
「城川春菜です。入学したころからこんな組み分けおかしいって思ってたの。共感できたから来ました」
「ルーシーちゃんと江美ちゃんがかわいくて、反彼岸として彼岸の中でスパイをしていたんだ。でもルーシーちゃんも江美ちゃんも三途川さんも藍染レクも怖くって、やめたくてもやめられなくて」
「ほう、下種な理由ですねー」確かに残念なイケ面だ、しかし君も残念な美少女だ
「なっ、男はそういうの多いんだよ。それに今は好きじゃないし。女だって三途川と藍染目当てではいるじゃねーか」どうやら美形が多いようだ。レクくんも三途川並にイケ面なのだろうか。
「完璧な絶世のイケ面二人に、アンニュイな外人美女、性悪な巨乳美少女。本当にスクープの予感なのにー!!」
変人ばかりだ、クラスメイトの山田さんと顔を見合わせて笑った