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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔物の世界樹

作者: マーラ


「現在、北京上空です。突如、消えた町の上空に来てimas...」

TVの画面が砂嵐となる。

スタジオの画面に切り替わった。

「えー、どうやら電波が悪いようです」

男のキャスターが言う。

TVのチャンネルを切り替えると他の放送局でも同じ台詞を聞いた。



そして、何があったかは更に別の放送局が明らかにした。



またしても上空からの映像だ。

クレーター状に大地の抉られた中心から木が生えていた。

大きな木だ。

突如、ヘリが回転を始めたのか映像が回りだす。

ヘリのすぐ横に枝が見えた。

ローターに当たりでもしたようだ。

TVを見ていた男が立ち上った。

男は俺たちの見ている映像を切った。



「これが50年前の映像だ。」

教官が映像を切って言う。

部屋が明るくなる。


現在、20XX年。

悪魔の木…世界樹が生えてから50年、

人類が地上から地下シェルターへと移動して48年が経過した。

地上は『魔物』と呼ばれる生物に占領されて人類は敗北した。

或るものはここの者のように地下へと逃げ、或るものは宇宙へと逃げた。

他は殺されたか、知識のある『魔物』に隷属している。


『魔物』はこの世界の原理原則を凌駕した魔法を使う。

RPGゲームに出てくる炎の嵐や雷の槍、それらを使う。

ここにいるのは

そんな人類の敵へと立ち向かうために作られた組織


The human-beings liberation army for a demon

(対魔物人類解放軍)

またの名を『魔物殺し』に所属する訓練兵たちだ。

ちなみに魔法も使用するよw



創立者、エイブラハムは世界樹から半径10Km地点を壁で覆った。

なぜなら世界樹から『魔物』は現れる。

エイブラハムは米軍主導の世界連合軍と『罪人』を投入した作戦で一人で『魔物』39体を討伐し、壁の建造工事の失敗を阻止した男である。

ここでの『罪人』とは魔法に関係する。

世界樹発生によってこの世界のシステムの一端が分かった。

何かしらのRPGゲームで言うLVのようなものがあってそれが魔法と関係する。

それは殺人を犯した者が大きくなるという。

しかし、殺人をすれば魔法を使えるようになるわけではない。

人間が使うには特殊な装置を使う必要がある。


『神器』と呼ばれるものだ。

形状は腕輪である。

橋本というものが設計したものらしいがよくわかっていない。

彼はこの設計図を政府の関係者に託すと姿を消したのだ。

一見普通の腕輪で俺も中に細工を施すことなど不可能だと今も思っているが非常に複雑な設計であるらしい。




装備は基本的に50年前とは変わらない。

防弾のベストを着て、弾丸ポーチをつけて、ライフル銃で戦う。

この世紀の大発明があっても人類は未だに勝ててはいない。

確かに最初はこんなものもなく、普通の戦車だけとかで戦っていたので連戦連敗だったが今は連戦しても惨敗に必ずしもなるというわけでもないというレベルまでは引き上げることが出来るようになった。






講義中であるのに

サイレンが聞こえてきた。

これはここに住む者たちが最も聞きたくない音であった。


「嘘だろ…」

「遂に侵入される時が来たか…」

辺りがざわめき始めるが教官は至って冷静な様子で

「訓練兵各員、急いで臨戦態勢に入れ、訓練通りだ。諸君らの活躍を期待する。」

壁があるのにも関わらず、魔物がこのシェルターまで来たということは壁は一定の魔物に対して意味を成していないのだ。

用は大型の魔物は壁を超えることが出来ないが小型の魔物はこうして外まで進出してくる。



「おい、竜也一等兵、急げよ」

同期の富岡一等兵が言う。

彼も魔物殺しの一人だ。

彼は愛用のL85A2を手に持ちながら微笑む。

L85A2はイギリス軍が採用していたアサルトライフルで5.56mmのNATO弾を使用する。

「分かってるよ」

俺も愛銃であるSIG SG550を手にする。

サイドアームにはBERETTA M92Sをショルダーホルスターに差す。

腰にはショートソードを差す。


「お前はまだそんなものを使うのか」

いつの間にか横にはカーク一等兵が来ていた。

SAA―――シングル・アクション・アーミーを俺の顔に突きつける。

こんな銃を使っているお前に言われたくないわ!と心の中で叫びつつ無視をする。

コイツに関わると面倒くさいのだ。

しかし、早打ちに関しては文句なく世界一で間違えないだろう。

しかも魔法を使えば俺たちの身体能力を上げることが出来る。

魔法を解放状態のコイツとは一度、訓練で相手をしたことがあるが6発の弾丸中、俺が叩き落としたのが5発で一発落としそこなって俺が負けた。

最早、同時発射に近い。

俺は魔法解放状態時は剣で銃弾を叩き斬ることができる。

斬ってもそれが体に当たっては意味がないので刀身に纏った魔法のよく分からない光る炎的なので滅し尽くすのだが…。

やっぱり銃弾は早かったのだ。

今回は二丁を同時に使うらしく両手に構えてる。

それを横目に準備をする。


用意ができると高速エレベーターに乗り込む。

このエレベーターで地上に出てゆき魔物を倒す。

そして、ここの防衛をする。

実戦は初めてだが緊張はしなかった。

負ける気もしない。

だがやはり吐いてる奴もいた。


それを見て俺は気を引き締めることにした。

相手は人類最大の天敵!と頭の中で反芻する。


そんな中でも異質な連中がちらほら。

ブローニングM2重機関銃を担いでいる連中だ。

38.1kgあるこの重機関銃を操るのは特攻隊の連中だ。

コレを担ぎ、オリンピック選手顔負けの足の速さで移動して撃ちまくる。

敵に回したくない奴ランキングのベスト10に入るやつらだ。

他にもいる、M72 LAWを改造した何か名前がかなり複雑になった…正直名前何ざ覚えていないロケット砲を持った連中だ。

改造とはマガジンが付けられたのだ。

それでロケット砲を連射するという代物だ。

生身の人間では使えない。(某ゾンビゲームの主人公たちなら使える気がする。)

他にもあるぞ!

対物ライフルのバレットM82を持った連中だ。

先ほどのと比べればかわいいように見えるが40発という有り得ないロングマガジンを付けている。

しかもアサルトライフル張りの連射力を誇っているように改造されてる。

連射しつつもほぼ100%の命中率を誇る連中だ。

―――科学とか技術がイケナイ方向に進んでる気がする。



そんなことを考えてるとエレベーターが地上に出た。



ここは市街地のど真ん中である。

先ほどの重機関銃を持った連中はリトルバードに紐で芋ツル状に吊るされて移動を開始する。

敵地のど真ん中に落とされて暴れまわるのが彼らの役目だ。

そして、対物ライフルを持った連中は宙に浮かんで空からの狙撃を行う。

ロケット砲の連中もバックブラストの関係上、上空からの攻撃をする。

そして、俺を含むMOBたちは相手を取り囲んで殲滅と防衛に回る2つに分かれる。


俺は殲滅体の方へと移された。

富岡もカークも殲滅隊だ。


「死ぬなよ」

「へ、お前こそな」

「背中に気をつけな」

神妙な顔つきで呟く竜也の台詞に他二人が返す。

カークがまた俺にSAAを向けながら言う台詞を聞くと俺たちは走り出した。

周りの奴らも銃を撃ちながら走り出す。


カークは華麗な銃さばきで弾を装填して撃ってを繰り返していた。

富岡も無難に頑張っている。

俺は敵が近づいてきたのでアサルトライフルを左手に持ち替えて片手で撃ちショートソードを抜いた。

目の前から炎の弾が近づいてくる。

MOB敵の口から放たれたバスケットボールほどの大きさのものだ。

それを叩き斬るとSG550を向けて反撃しようとするがその小型の魔物…ゴブリンの頭が吹き飛んだ。


「狙撃班も頑張ってるな…」

横で訓練兵ではない戦う男が呟く。

その男の視界の外側から迫る背中に羽の生えたインキュバスだ。

脚に力を込めて踏込んでインキュバスの所まで一っ跳びして首を削ぎ落とす。

男は驚愕の表情を浮べたが今のが悔しかったのか礼を言うと顔を硬直させて魔物たちに向かっていった。



戦場に変化が見られた。

こちら優勢に見えたがそれが変化してきていた。

ビルの間から大きな影が見えた。

隣に来たカークが言う。

「何だよありゃぁ!」

大型の魔物が来ていた。

恐らくだが魔神と呼ばれるクラスの大きさだ。

最低でも15mはあると思う。


壁がどうなったとかという考えが浮かんだ。

しかし、考えている暇はなかった。

その死神のような容姿と大きな鎌が特徴の魔神は大鎌で先遣隊のブローニングの銃撃も物ともせずに歩いている。

「あんなのどうすんだよ!」

「とにかく急げ!」

俺は跳んでビルの壁を走り、雑魚は無視をして魔神に向かっていく。

空からはロケット砲での連撃がされているが効果はないようだ。


一旦、高層ビルの屋上に立って、様子を見る。

魔神はシェルターに向かって前進を続けている。

既に先遣隊は半分まで減っていた。


どうして、ここまで来たかはわからない。

自分の魔力程度では返り討ちで殺されてしまうのがオチなのはわかっているのに。


それでも俺は屋上から飛び降りて、ビルの壁を蹴って魔神に銃弾の如く飛んで行った。

魔神は他にも飛んで向かって来ている奴がいるにも関わらず此方を向いて俺を攻撃した。

突如、飛来してきた鎌をショートソードとSG550をかざして防いだが地面に叩き落とされる。


クソッついてねぇ!


悪態を突きながらも横に跳ぶ。

俺が倒れていたところに魔神の足が飛来した。

それを見て、SG550の元々はないマガジンの底のレバーを回す。

日本式にMとZとSと書かれている。

Zは実弾、Mは魔弾でSはスタン弾だ。

Zは普通の弾を使うがスタン弾と魔弾は使用者の魔力を使用して発射するものだ。

用は弾切れは命ある限りは心配する必要がなくなったわけだ。


それも魔弾は魔力の流し方で色々なことが出来る。

俺は死神の肩に向かって撃ちこんだ。

そして、引き金を二回引く。

するとフックショットのような感じで銃は死神の肩に突き刺さった部分まで俺を運ぶ。

勢いに乗ってきたのでSG550を手放した。

その勢いのまま俺は空高く飛んでゆく。


ショートソードを握りしめる。

横に肩を通り過ぎ、魔神の目と鼻の先まで飛ぶと、俺は眼球にショートソードを突き刺すが眼球が凄い硬さで刃を通さない。

回転して次は額を横なぎに切るが同じく恐るべき固さで通じない。

そこで人類の仇敵の恐ろしさを知った。

初めて身震いした。

足が震え。

汗がだらだらと流れる。

背中に何か冷たいものすら感じた。



するとお腹に変な違和感を感じた。

足が動かない。

横を見ると鎌が通り過ぎて行ってた。

俺の体が下に落ち始めた。

そこで気が付いた。

俺は腹のヘソの部分らへんから二分に斬られていた。

血が服に滲んでいて。

思ったよりは多くはない量の血液が切られた断面から下へと滝の如く流れていた。

赤い雨が降る。

地上では倒れている人がいた。

同じく赤い滴を流して横たわり、生臭い池を作っている。

ああ…俺もああなるのか


俺の意識が不安定なものになる。

そして、光に包まれた。

黒い。

冷たく。

死への誘いの光だ。

いや、光ではなく闇かもしれない。


魔物に殺される者はこのように闇に包まれて跡形もなく消え去るのだ。


嫌だ。

死ぬのは嫌だと思った。

強く思った。

もっと俺に魔物を殺させろと

俺はまだできる!


すると消えかけていた身体が元に戻った。

俺は驚いた。

それでも身体は落下していたので無意識のうちに魔力で身体を浮かせた。

これは先ほどの狙撃班がやっていたのと同じものだが驚いた。

俺にはここまでの魔力はなかったはずだ。


しかし、どうでもよかった。



「今はコイツを殺せればなんだっていいさ!!!」

高スピードで回転しながら魔神の額に向かって飛んでいく。

剣先を額に向ける。

見よ!この突撃!カミカゼ特攻隊もびっくりだぞ!

ショートソードを包む光が現れ、フラッシュバンのように輝きだす。



「うおおおおおおおおお!!!!」


額を貫いた。

魔神は初めて目に見えた痛みを感じるような素振りを見せた。

鎌が飛んでくる。

ショートソードで再び防ごうとする。

ここで俺は落とされる覚悟をしたが先ほどに受けた時よりも何倍も軽く感じた。

それで自信のついた俺は鎌の刃を左で殴ると刃はバラバラに砕け散った。


魔神は驚愕の表情を浮べてるように見えた(骸骨みたいだからわからん)

更に俺は空高くに飛び、ショートソードを頭上に掲げると

魔神の脳天から叩き斬ろうと入刀した。

ガリガリガリバリバリと嫌な音を立てながらも刃は突き進み。

遂には魔神を二分にした。



コレは人類が世界を取り戻すために戦う人類の反撃のお話である。

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