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神様の椅子  作者: *amin*
二章
20/64

20 裏市場

「さぁ着いたよ。ここがビアナの裏通りさ」


地下通路をライナに案内されて10分程度歩いた先には地下なのに広い場所に出て、市場みたいなのが広がっていた。そこに色んな品が並べられている。ここは一体何なんだ?

ビアナの裏通り……っつっても穏やかな場所じゃない。そっちの道しか入れないって結構危ない場所なんじゃないか?



20 裏市場



「ここはいわゆる裏市場って奴だ。ビアナには情報が集まるからトレジャーハンターが多くてね、そのトレジャーハンターに情報を売る情報屋達がここに集まってるし、奴らが手に入れたお宝もここで売ってる訳さ」


確かに商人が広げている物は見た事ない物や、切れ味の鋭そうな剣、豪華な宝石、様々だ。ライナがさっきパールを売った店は、この裏市場の会員だったらしい。そんでライナもその会員に入ってるらしく、仲間も含めて顔パスで入れるそうだ。本当にこいつはすごい奴だ。

裏市場の癖に意外と人が多くて賑わってる。こんなことなら表に出ればいいのに。まぁビアナは原則トレジャーハンターの横行を禁止してるからな。こうなってんだろうけど……それにしてもこんな状態になってるのに、法規制をしなくても大丈夫なのか?


「なぁライナ、流石にここはやばくねぇか」

「まぁ確かに裏通り内のもめ事は自己責任だけどね。中々レアな情報が集まるんだよここは」

「だからって……ビアナは何もしねぇのかよ」

「あんたビアナの事何も分かってないね。ビアナだって住民の事を考えて、もう少し法規制したいって思ってるさ」


じゃあなんでこんな事態になってんだよ。

そう突っ込んだら、ライナは可笑しそうに笑っている。悪かったな世間知らずで。


「ビアナは言ってみれば世界の商人が集まってできた国、それぞれの国の文化が入り混じってるんだ。だから法規制を厳しくすると、それぞれの国の文化を潰す事になりかねない。反発だって必死だ。でも全ての国を納得させる法律なんて作れるはずもない。でもそこで規制せずに緩いままダラダラ来ちまったんだよ。もう規制しようにも規制できないって感じだね」

「ふぅん……」

「それにビアナの現当主のイグレシアの右腕って言われてるレオンもトレジャーハンターでここを良く利用してるみたいだよ。それもあって寛容になってんだよ」


そんな奴がトレジャーハンターって……いいのかよそんな事。だってさぁ、そんな奴普通に要人にしちゃ駄目だろ。本人はしらねぇのか?住民たちはそういう話をしている節は余りなかった。っつー事はレオンの表の顔はイグレシアの付き人で裏の顔がトレジャーハンターなんだろうな。

なんだか益々ビアナの異常さが浮き彫りになった気がする。自由すぎるのも考えものだな。


「はぁ?いいのかそれで」

「イグレシアはまぁ黙認してるからね。こういうので財政が潤ってる面は否定できないから。お陰でここはいい情報屋が集まってて助かるんだよ。でも気をつけな、あんたは名前を名乗るなよ。今のままでフードを深く被っときな。あいつらは金だしゃ、どんな情報も教えてくれるけど、逆に他の奴にも同じ情報を売る。あんた達がばれたら奴らはすぐにその情報を金払った奴に売りさばくさ」

「あ、あぁ」

「金以外を信用するな。それがこの市場での暗黙のルールさ」


ライナが信頼してる奴がどうやらこの中にいるみたいだ。俺達は人混みをかぎ分けてライナが言う情報屋の元に向かった。市場から少し離れた場所に小さな小屋が立っている。ライナいわくあそこらしい。

中に入ると、やっぱり中は狭く、俺達が入っただけでもう結構ギュウギュウだ。部屋の真ん中に机といすが置かれており、肝心の本人は机に突っ伏して眠っていた。


「まぁた寝てるね。この爺さんは……」

「こいつなのか?」

「あぁ、まぁ情報を集めるのはこいつの息子と孫たちだけどね。おい爺さん起きな」


ライナが揺さぶれば、爺さんは眠そうに顔を上げた。

でもライナを瞳を捕えると、嬉しそうな顔をして飛びかかって行った。


「ライナちゃんじゃないか!相変わらず美人さんじゃ!再開のあいさつに熱いハグを……」

「馬鹿な事言ってんじゃないよ。早く情報を売りな、このエロ爺が」


ライナのきつい一言と回し蹴りに爺さんは吹っ飛んだけど、ピンピンしてるようだ。

すげぇパワフルな爺さんだな。ヤコブリーナスより強ぇや……

ルーシェルも初めて見る気味の悪い爺さんに少し怯えている。俺の後ろから離れようとしない。ライナは胸倉を掴んで爺さんを持ちあげた。本当に一国の姫のする事なんだろうか。


「ライナちゃん相変わらず怖いのぉ」

「もうあんたじゃ話にならないね。息子と孫はいないのかい?」

「勿論いるよ。息子と上の孫は情報集めに行ってるが、下の孫はね。おーいフラン!」

「はぁい~」


爺さんに呼ばれて出てきたのはクラウシェルと同い年くらいの女の子だった。

女の子は俺達を見て、首を傾げたけど、ライナを見て表情を明るくさせた。


「あ、ライナさん!いらっしゃい。今日はどんな御用件で?」

「聞きたい事があるんだ。バルディナがアルトラントに侵略してアルトラントが陥落した事だが、アルトラントの今の状況、そしてファライアンや東天、パルチナの情報を聞きたい」

「そうですね。ではここに腰かけてお待ちください。すぐに資料をとってきますんで!」


フランは俺達をソファに座らせて、奥の部屋に入っていってしまった。

この爺さんにはもったいない出来た孫だ。

その時、ドアが開いて少年が入ってきた。見た所クラウシェルより少し上くらいかな?14~5歳くらいの少年だ。


「おーフレン!久しぶりだねぇ」

「あれ?ライナさんじゃないっすか、こんちわ。今日は何の情報が欲しいんだい?」

「さっきフランに言ったんだ。バルディナの事と世界情勢さ」


フレンはその言葉を聞いて、ポケットからメモを取り出した。そのメモをパラパラめくりながら、爺さんに視線を向けた。


「爺さん、この話の料金はいくら取る?」

「まぁまずは相手の予算からじゃな。最低6000ギリアからじゃ」

「了解」


6000ギリアって結構高くないか?でもそれだけ表には知られてない情報なんだろうな。

フランが俺達にお茶を出してきて、フレンと一緒にソファに腰掛ける。フレンはフランに何を聞かれたかを聞き、フランが持ってきた数枚の紙と自分が持っていたメモを見比べながら話をした。


「ライナさん、今回の予算は?」

「そうだね……18000ギリアまでなら出そう」

「了解。んじゃあそこら辺の値段までの情報をお話ししますね」


おいおいいいのかよ。

ライナの肩を掴んでコソッと耳打ちする


「いいのか?あいつらにぼったくられるんじゃ……」

「ここはそんな事しないよ。それに見合った情報を売ってくれる。心配いらないさ、世間知らずのあんたはあたしに任されときゃいいんだよ」


なんだよ、心配してやってんのに……世間知らずで一刀両断されちまった。そりゃあライナよりは俺は世界を回っては無いけどさぁ……大体ライナが逞しすぎなだけなんだよ。1国の姫の癖に。

フレンはフランとどこまで話すかを打ち合わせ、俺達に顔を向けた。

その後ろでは爺が椅子にもたれながらニヤニヤしている。なんだか嫌な雰囲気だなぁ。


「じゃあまずバルディナが侵略した後のアルトラントですけど、バルディナの奴隷政策の一環が1週間後に発表されます。まぁ暫くは貿易も行動も制限されるでしょうね。内容まではまだ発表されてないけど過去のデータから推測すると、恐らく同化政策が一番に始まります」

「やっぱりそうか……本格的にアルトラントを吸収しようとしてるね」


同化政策……なんだそれ。

ライナだけが納得して俺とルーシェルは訳が分からない。聞いてみてもいいのかな?ライナが後で教えてはくれるだろうけど、今知りたい。アルトラントに関係する事なんだ。少しの事でもすぐに知りたい。


「悪い、同化政策って何なんだ?」

「幼い子供をバルディナで育てるんだよ。まだ常識を身につけていない子供をバルディナの育て方で育ててバルディナ人として成長させる。バルディナからすればアルトラントの未来を担う子供を自分達の物にできるし、未来の反乱分子を潰せる。更に子供は人質代わりにもなる。動乱も抑えられて一石二鳥な訳」


なんだって!?そう叫びたかったけど、叫んだら俺がアルトラントの人間だって怪しまれる。

驚いて固まってるルーシェルを抱き寄せて、安心させるしかできない。

ライナはそんな俺達に視線を向けた後に、フレンに話を続けるように促した。


「その他の奴隷政策の具体的な物は今までの通りになりそうか?」

「詳しくは分からないけど、そこまで大きな変化はなさそうですね。あ、でも国王と后の処刑の日取りはこの間発表されました」

「処刑……?」


震えたルーシェルの声が響く。それは俺も同じだ。処刑される?国王と后が?

頭が真っ白になった俺の腕をルーシェルがすりぬけ、フレンに掴みかかった。


「どう言う事なの!?パパとママが処刑って何?殺されるの!?」

「な、なんだよあんたは!」

「ルー止めな!」


ライナに取り押さえられたけど、取り乱したルーシェルはそのまま泣きだして暴れ出した。

爺さんはルーシェルに視線を向けている。まずいっ!

何かを口にしようとしたけど、その前に爺さんが口を開いた。


「もしかしてお前さん……ルーシェル第2王子かい?」

「なんだって!?」


フレンとフランの驚いた声も聞かずに、ルーシェルは泣き続けてる。

ライナの気まずそうな表情に確信したらしい、爺さんとフレンとフランはお互いを見合わせていた。


「こりゃあまさか渦中の人物が情報屋に来るとはなぁ……」

「ルーシェル王子はバルディナから逃げたと聞いてたからね……でもまさかビアナに辿り着くとは思わなかったわ。良くあのバルディナの海軍の隙を付けたわね」

「すまない。爺さん、フレン、フラン、この情報は誰にも売らないでくれないかい?こっちも事情があるんだよ」

「ライナさん、俺達情報屋の間で情報の独り占めはタブーですよ。連れてきたライナさんの責任です」


舌打ちをしたライナにフレンがひるむ事は無い。

このままだと万が一他の奴らに聞かれた時、ルーシェルが来た事をこいつらは漏らしてしまう。それだけは避けなきゃいけない。

俺は爺さんとフレンとフランに頭を下げて頼みこんだ。


「頼む、黙っててくれ!このままだと俺たちはバルディナに捕まっちまう!」

「残念だけど俺達には関係ないね。でもどうする爺さん?」

「そうじゃなぁ……じゃあ等価交換でどうじゃ?あんた達がわしらの知らない情報を1つ教えてくれたら、等価交換でその情報を葬ることを約束しよう。ただし売れそうな役に立つ情報を頼むよ」

「そんな事言われても……」

「その王子様の情報との対価よ。余程の情報じゃなきゃ受け付けない」


フランにそう言われて、ますます困惑してしまう。そんな情報持ってないよ。

ライナも今の情報に困ってるようだ。泣いてるルーシェルの世話で手が一杯でそれどころじゃないはずだ。

その時、肩にとまってたドリンがライナに声を出した。


「ライナ、ライナ、国宝石、謎!」

「それは駄目だ!それだけは売れない……」

「なんじゃ?国宝石に関する情報があるのかい?」

「それは国家だけじゃなくトレジャーハンターでも夢の様な情報だな。内容によってはOK出すぜ」

「だけど……「それで俺達の邪魔しない?」


ルーシェルの声がぽつりと響いて、部屋の中が静まり返った。

泣きはらして真っ赤になった目でルーシェルはカバンから国宝石を取りだした。

初めて見る国宝石に爺さんとフレン達が息を飲むのが分かる。


「あれが国宝石……ゲーティアの在り処を示した物……」

「これのね、文章が俺読めるの。その内容と引き換えでいいでしょ?」

「ルーシェルッ!」

「乗った。むしろお釣りがくるくらいだ!今日話す情報全てをタダにしてやってもいいくらいだ!」


フレンは話に乗ったけど、フランは今一信憑性がないらしく首をかしげた。


「でも国宝石の文字って読めないでしょ?どうして貴方が……」

「何言ってんだフラン、バルディナがルーシェル第2王子を狙う理由……ルーシェル王子が国宝石の文を読めるからだ。バルディナはルーシェル王子を捕まえると大々的にアピールしてるからな」


やっぱりここまで知ってるのか。流石は情報屋だ。

フレンは嘘つくなよ。とルーシェルに釘を刺した。でも嘘ついちまえばいい。どうせこいつらは情報が嘘かどうかもわかりゃしないんだから。


「緑は全てを癒す力、その代償に全ての傷を受け入れて緑の命はすり減っていく」

「ルーシェル……?」


聞いた事の無い文章に俺だけじゃない、ライナも首をかしげた。

でもフレン達は満足の様だ。その言葉を早速メモをして、爺さんに預けた。


「まぁあんた一部分だけ切り取って言った感がありありだけど、国宝石の情報は出た事がない。希少価値を見出して、それで取引してやるよ。でもその不完全な情報じゃ今回の情報をただでとは無理だ。きっちり18000ギリア払ってもらうぜ」

「あぁ構わない。続きを説明しな」

「はいはい。国王と后の正式な処刑日は今から10ヶ月後。国民を奴隷政策にある程度慣れさせて行うバルディナのいつものやり方です。ファライアンや東天、パルチナの国王を呼んで公開処刑にするって噂もある」

「ミッシェルとクラウシェルも殺されちゃうの!?」

「いや、今の所第1王子と王女にその話は出てません。まぁそこまで一気にやったら一般市民も黙っちゃいねぇ、暴動に発展する前に止めとくんでしょうね。ただ確実な情報がある。バルディナは国王と后と引き換えに恐らくあんたを要求してくる」


なんだって?

ライナが汚い手口だ。と不快感を露わにし、フレンもバルディナはこういう国でしょ。と苦笑いを浮かべた。

ルーシェルを要求する?取引する気なのか?


「バルディナは世界にこの情報を発信するだろう。国王と后の命と引き換えにルーシェル王子が自ら戻る事ってね。それかファライアンに情報を発信するはずだ」

「ファライアンに……?」

「バルディナが一番恐れてるのは王子たちにファライアンに逃げ込まれる事。ファライアンに戦争の話を持ち掛けて、ルーシェル王子を引き渡す事で戦争回避。あり得る話でしょ?」

「そんな……」

「ルーシェル王子、これは情報屋としてじゃなく一個人としての助言だが、今のバルディナは話が通じる相手じゃない。あいつらが言った事は何があっても聞き入れない事だ。皇帝イマニュエル・ネイサンも変わり果てちまったらしいからなぁ……」


ルーシェルは唖然としている。自分が取引材料に使われるなんて思ってなかったからだろう。

でも何があってもルーシェルだけは渡さない。国王やクラウシェル達が命をかけて守ったんだ。それを裏切る訳にはいかない。


「それで、他の国の情報は?」

「ファライアンはかなりバルディナを警戒してますね。今の所は動く気配がないけど、何かがあったらバルディナとの全面対決も辞さないって発表してる。ライナさん、逃げるならファライアンに向かった方がいい」

「分かってるよ」

「東天は相変わらず鎖国してるから国内に入り込めなかった。でも貿易経由してる東天の誉鳥(よとり)島での情報では、東天も動く気はないらしい。でも侵略者は排除するって言ういつものスタンス。いつまで持つか分からないけどね。でもパルチナはバルディナともしかしたら軍事協力の為に同盟を結ぶかもしれない」

「そいつはまずいね」

「バルディナとパルチナはファライアンを潰したいみたいだ。東天と組まれる前にね」


パルチナは軍事国家だ。その2つが組まれるとなると……ファライアンでもかなりきついはず。

でもフレンが警戒してるのはそれだけじゃなかった。


「ザイナスは正式にバルディナに協力してるみたいだし、ファライアンはエデンとヴァシュタンに協力要請する可能性もある。ヴァシュタンはパルチナと領土問題抱えてて頭に来てるから、パルチナが関わってきたら手を貸すかもな。エデンは分からねぇな。オーシャンもどう動くかは今は分からない」

「なんでザイナスが協力するんだい?バルディナと10年前まで戦争をしてたはずだ。条約があると言っても国民のバルディナに対する感情はなくならないだろう」

「バルディナは今回の戦争の報酬にザイナスに独立国家としての地位を与える事を正式に発表してる。ザイナスの間では議論があったみたいだけど、ザイナスの長のグレービスが他の奴らの反対を押し切った形になってるみたいですね」

「じゃあマクラウドはどうなんだ?あそこは何の情報も手に入らない。実質パルチナの植民地かい?」

「いや、あそこはきちんと独立国家を形成出来てるみたいっすよ。なぜかパルチナの軍事侵略をことごとく跳ね返してる。だがパルチナの情報操作のおかげで詳しい事は分からない」


マクラウドか……パルチナの領土内に位置してるから、立場は独立国家でも実際はパルチナの植民地かと思ってたけど違うのか?だけど軍事国家であるパルチナの侵攻を跳ね返せるほどの技術を持っているとは思えない。

ザイナスには銃と爆弾と言う武器がある。特に爆弾は一瞬で大量の人間を巻き込む恐ろしい武器だ。そんな特殊な技術を持ってるザイナスなら話は分かるけど……

フレンは言いたい事を終えたのか、残りの情報を一気に述べてメモ帳を閉じた。


「俺が言えるのはここまで。まぁ今の情報足すと16500ギリアってとこだ」

「はいよ。確認してくれ」


どうやらライナが奢ってくれるらしい。渡した金をフレンが数えてちゃんとある事を確認して、俺達は外に出た。

ルーシェルは未だにショックを隠しきれてない。それもそうだ、自分の父親と母親が処刑されるって言われたんだ。気持ちが下がるのもしょうがない。

でもそれと同時に気になる事があった。


「ルー、お前が言った国宝石の文章、どう言う意味だ?」

「ダフネに言ってなかったね。他にも文章があったの、あれはその1つ。でも俺にも良く分からないんだ」

「そうなのか」


どうやら国宝石にはまだ書かれてる事があるらしい。

ルーシェルは全てを俺達に教えてくれたわけじゃないみたいだ。そう考えると俺もライナも完全には信用されてないのか?

いや、国宝石の情報はばらしちゃいけないんだ。俺にもライナにも当然だ。


未だにグズグズ鼻を鳴らすルーシェルを抱き上げて、俺達は地下通路から出る為に出口に向かった。



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